体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅱ

じつは、前回お話しさせていただいた“硬(かた)くなって動きにくく、あるいは動く範囲がせまくなっている部分”と“筋肉が落ちて弱くなってしまった部分”は、裏表に隣り合っていることが多いのです。

そして、力が入りすぎて硬くなりすぎて動かない部分とこの弱くて動かない、つまり力が足りない部分の両方をふつうの状態へと戻してあげることが、歪みの調整や矯正(きょうせい)では、重要なポイントのひとつなのです。

たとえば、脚(あし:ももの付け根から足首まで)をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

(ひざ)をのばすときには、太ももの前の筋肉が使われます。

脚をまっすぐ伸ばして力を入れてみてください。

太ももの前をさわると、かたくなっているのが分かるはず。

脚を伸ばした状態から膝を曲げるときには、逆に、太ももの裏側の筋肉が使われます。

これも太ももの裏側をさわるとわかります。

足首はもっとわかりやすいかも知れません。

つま先を前にあげるように足首を曲げるときは、スネの骨、弁慶の泣き所と呼ばれるところの横にある筋肉がちぢみます。

歩きすぎると張って痛くなるところです。

その反対に、つま先を足裏側というか後ろにするようにして足首を伸ばすときには、ふくらはぎの筋肉がシシャモのようにちぢみます。

このとき表側だけがかたくなったり、裏側だけがかたくなったり、または表側が弱くなってふにゃふにゃになったり裏側が弱ってしまっても、裏表のバランスが取れなくなる。

つまり、“歪(ひず・ゆが)み”ができてしまうのです。

前回は、歪み(=ひずみ=ゆがみ)の例として、片方の脚がケガで使えなくなるという左右のアンバランスの極端なケースを申し上げました。

今ご紹介したのは、裏表の例というか、前後のアンバランスな例になります。

体の左右のアンバランスほど感じにくいですが、体の前後のバランスがくずれた、いわゆる歪み(=ひずみ=ゆがみ)のケースも多いのです。

これ以外にも、下半身は強いのに上半身が弱かったり、反対に上半身は強いのに下半身が弱かったりという体の上下でのアンバランスのケースも多々存在します。

体の左右、前後、裏表のアンバランスのばあいにおける、対処法の考え方はおわかりいただけたと思います。

《使いすぎて筋肉が硬(かた)くなり動きが悪くなったり、その動きの範囲がせまくなってしまっているところは、ストレッチによりやわらかくすることで動きの範囲を広げて動きに余裕をもたせることで、動きを良くする》

また、今回のテーマからは外れるトレーニングに付いても申し上げれば、《使わなかったために弱くなってしまった筋肉は小さくてやわらかくないすぎたり、動く範囲はじゅうぶんでも力がなくなってしまっているので、トレーニングにより強くする》

というのが基本原則なのです。

もちろん、ほとんど動くことをなさらない高齢者の方々や若くても入院して安静状態を長く保たれた方々に多い《筋肉が硬(かた)くなってしまっているうえ、どうじに筋肉が小さく細くなってしまっている》という状態もございます。

施療では一番時間がかかるケースですが、この記事をお読みくださっている皆さまにはあてはまらないと思いますので、これに付いても思い切って割愛させていただきます。

ふくらはぎとスネの骨の外横で前の部分のこりについて考えてみましょう。

歩きすぎたときにふくらはぎがこったり、疲れてだるくなったり、ひどいときには攣(つ)ったりすることがあります。

逆にデコボコした道や足首をねんざしそうな足元が良くないところを気を張りながら30分も歩いていれば、スネの外横前の部分が痛くなるくらいにまでこり固まってしまいます。

そんなときには、ふくらはぎならば、2つか3つのストレッチのうち一番効(き)くのを行えばすみます。

そしてスネの横ならば、やはりその部分を伸ばすストレッチを行えば楽になれるのです。

理由は簡単。

それぞれの裏側で逆の動きをする筋肉が弱くなっていないから。

ただ、問題の部分が硬くなり動きの範囲がせまくなっていただけだったからなのです。

ここまでならば、話は簡単ですし、また対処法もそれほどむずかしくはありません。

でも、この硬くなるところがある部分にあるいくつかの筋肉のうちのひとつだけだったとしたらどうでしょうか?

たとえば、太ももの裏側には4本の太い筋肉が走っています。

そしてお互いに協力し合って膝を曲げたり、脚を後ろに動かしたり、外にひねったり、逆に内側に向かってひねったりしてくれています。

このときに、脚が付け根から外側に向かってひねりにくくなってしまったとすると、内側にひねる役目をもっている2本の筋肉が硬(かた)くなってしまったと考えられます。

硬くなったままということは、車のブレーキをかけっ放しというのと同じ。

そのまま、外側にひねる2本の筋肉で頑張って力を入れ続けても外にうまくひねれなくなってしまう。

そう、ブレーキをかけたままで、一生懸命アクセルを踏みつづけているのです。

これでは、ふつうに動いていた外側にひねる筋肉が疲れきってしまいます。

こんなときに、4本の筋肉をまとめてストレッチするとどうなるか?

伸びやすい、外側にひねるアクセルにあたる筋肉はよけいに伸びてくれるのに、硬くなって動きが悪いブレーキになっている内側にひねる筋肉は伸びずにそのまま…

という感じになってしまいます。

複雑です。

このような場合には、内側に脚をひねってブレーキをかけつづけている筋肉だけをストレッチして伸ばすのが理想的なのです。

何だかこまかすぎる内容になってきました。

申し訳ありません。

もう少しだけマニアックなお話をお聴きいただきたいので、次回、最終回にもお付き合いいただければと思います。

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→ “体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅰ”はこちらへ

(“体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅲ”につづきます)

体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅲ

前回は、《脚を付け根から外側にひねりにくいとき、太ももの裏側にある4本の筋肉のどれを伸ばすべきなのか?》に付いて考えてみました。

今回はお約束通りに(!?)、もっとマニアックになりますがお付き合いくださればと思います。

実際にご自身で使う使わないは別にして、考え方をご理解いただけるとうれしいです。

太ももの裏の4本の筋肉は、すべてが膝を曲げるという役目をもっています。

お互いに協力し合って働いていますので、お互いに強く影響しあっています。

そのため、1つだけが硬(かた)くなってしまうということは少ないですが、たとえば、そのうち1本だけが硬くなりすぎたとしましょう。

そう、太ももの裏が攣(つ)ってしまったときのばあいです。

太ももの裏全体が攣ったように感じますが、落ち着いてチェックすれば、2本だけとか1本だけのばあいがあるはず。

そして、しょっちゅう攣るようになってしまう、癖がついてしまうことも。

問題の1本の筋肉だけを伸ばしたいですね。

それが無理ならば、2本だけをねらって…

この4本の中でさえも、バランスということが重要となってくるのです。

歪み(=ひずみ=ゆがみ)やアンバランスと呼ばれるものです。

マニアックついでにもう少し。

このうち1本の筋肉が他の3本よりもいつも硬(かた)くなっていて、そのうえ攣(つ)りやすくなってしまったとしましょう。

この1本の筋肉を見てみると、もっとマニアックというかこまかいことに気付く可能性があります。

1本の筋肉全体が攣っているのではないということ。

いすに座ったときにあたるお尻の下にある骨から、膝を越えてスネの骨にくっついている筋肉が原因の1本だったとしましょう。

その筋肉の両側には骨にくっ付いていますが、筋肉の膝に近い部分に硬くなったところがあるのか?

太ももの裏側の真ん中あたりに硬いしこりのような部分があるのか?

あるいは、お尻の骨の近くが硬くて伸びなくなっているのか?

この3つのケースが想像できます。

このときに、1本の筋肉全体を伸ばすと、全体が伸びてくれるケースもあります。

でも、問題の部分は硬いままのこり、柔らかく伸びている正常な部分だけがよりいっそう伸びてしまう可能性もあるのです。

“体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅰ”でご紹介申し上げた、代償動作(だいしょうどうさ)ですね。

その結果、《悪いところは残ったままで、動きを邪魔し続け、その邪魔を受けながらも健康なところが必要以上に力を入れて頑張り続けて、疲れきってしまい、良かったところまで悪くなってしまうということにもなりかねません。

あくまでも可能性ですが、当院のお客さまには多くいらっしゃいます。

もっとも、「腰痛でも肩こりでもあるレベル以上に悪化なさってから、最後にダメ元でいらっしゃる方がほとんどですので」というのは余談ですが。

いかがでしたでしょうか?

実際にこの考え方を100%施療に生かすことはとてもむずかしいです。

筋肉は奥深い触れないところに位置しているものもたくさんありますし、点でも部分でもストレッチできずに、1つを全体で伸ばすばあいもあります。

また、少ないケースではありますが、筋肉の1つ1つを伸ばせずに、2つ以上をまとめてストレッチしなければならないケースもあります。

ですが、当院で関節内部機能回復調整法と15種類以上のストレッチをもちいている理由はここにあります。

筋肉のストレッチだけに限っても、《第1に点で、それが無理ならば部分で、それも無理ならば筋肉の1つ1つで伸ばそう》と、つねに問題の部分だけをねらって正常な状態に戻すことで歪み(=ひずみ=ゆがみ)を改善しようとつとめております。

正しいストレッチをしているにもかかわらず、お体が改善しないとお困りの皆さま方には、ぜひともお問い合わせいただければと思います。

もしかしたら、伸ばすべきところはそのままで、良いところだけをより良くしてしまっているのかも知れません。

あるいは、今回のテーマからは外れますが、筋肉以外の重要な部分が硬(かた)くなっているのかもしれません。

3回にわたる記事にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

お体の左右・前後・上下・問題部分・1つの筋肉》で硬(かた)くなっている側や部分や点をねらってストレッチするのはむずかしいですが、不可能ではありません。

この3回の記事にお付き合いいただいた皆さまには、ぜひともこのことをお体でお試しいただけますよう、そして今まで以上にストレッチの効果を得ていただけるよう願っております。

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→ “体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅰ”はこちらへ

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体が少し傾(かたむ)いたり曲がったり…は調整可能?−Ⅰ

先週まで連続で健康情報満載⇒火水流整体術院ブログで、《痛みとその原因の関係とどちらの改善を優先すべきか?》と《痛みの原因である体の歪(ひず)みやアンバランスの考え方とそのために必要な改善方法》の2つのテーマでお話をさせていただいてまいりました。

具体的には、“腰痛がヤケドで体のひずみは火?”“体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?”を、それぞれ2回と3回、合計5週間にわたり掲載させていただいたということ。

うれしいことに、「分かりやすかった」、あるいは「目からウロコだった」というご感想を数名の方々からいただけました。

今回から数回にわたっては、《体をまっすぐにしているつもりでも曲がってしまったり、傾(かたむ)いてしまう》、あるいは《自分ではまっすぐに立っているつもりなのに背骨が左右に少し曲がってしまっている》ケースに付いてお話させていただきたいと思います。

“腰痛がヤケドで体のひずみは火(全3回)”では、痛みが生まれる原因を火に、痛みじたいをヤケドにたとえ、まず最初に痛みに対処して痛みを無くしてから原因を解決することの大切さをお話しました。

そして“体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?(全3回)”では、そのヤケドや痛みへの対処法を“かたくなって動きが悪くなった部分”と“弱くなって力が足らなくなった部分”の大きく2つに分けてご紹介させていただいた次第です。

かたくなっている部分をやわらかくすることで、お体のアンバランスを矯正(きょうせい)し調整するために必要な考え方まで合わせてご紹介申し上げたのでした。

体の左右 ⇒ 前後 ⇒ 上下 ⇒ 問題部分にある複数の中の1つの筋肉⇒ 1つの筋肉の中での問題部位

までこまかく、ある意味、すこしマニアックに思えるレベルまで解説いたしました。

でも、話が複雑になるのをさけるため、弱くなっている部分を強くする、いわゆるトレーニングというストレッチと表裏一体となっている件については、あえて割愛させていただいたのです。

今回は、かたくなっている体の裏側というか反対側の弱くなっていた部分のトレーニングを行ったことが問題点の解決の鍵となった施療の実例に付いてお話させていただきます。

マニアックというか専門的な言葉で言うと、軽度の側弯症(そくわんしょう)とも呼べるかもしれない事例です。

側弯 (そくわん)というとちょっと怖いですが、多かれ少なかれ、ていどの差こそあるもののほとんどの方に見られるもの。

もしもお体に問題が生じたり、スポーツをやるときなどに困ることがなければ気にする必要はありません。

escoliosis leve.jpg

ちなみに、私自身もありますが、運動や武術の稽古をするときに困ることもないのでそのままにしてあります。

最初の写真は当院の院長の写真ですが、右に向かって背骨が軽くカーブしている、いわゆる右側弯(みぎそくわん)の例です。

気を抜いて写真を撮ってもらうと顔が左に倒れてしまうので、顔だけではなく体全体が右に向かってカーブしているのを修正したつもりでも撮影してもらいました。

背骨の曲がりは、努力したおかげで(!?)ほとんどわかりませんが、曲がっている方向の足である右足に体重が多くのっているのがお分かりになるのでは?

無意識のうちに片足に体重をのせる、というか片脚に重心がのっていらっしゃる方は、背骨が少しだけカーブしている可能性があります。


以前、施療をお受けいただいた、元アスリートで現在もお体を酷使なさっていらっしゃる現役のパフォーマーの方の写真です。

一流のパフォーマーですから、写真を撮るとかパフォーマンスを行うということになると、無意識のうちに左右・前後・上下などの体の歪(ひず)みを消し去り、完全にバランスの整った姿を作られます。

一瞬のうちに、それこそ1秒もかからずに、左右の非対称である背骨の曲がりも重心の片寄りもなくしてしまいます。

一種の技術であるとはいえ、それは見事なものです。

それを無理にお願いして、力を抜いた状態、つまり軽度の側弯(そくわん)をあえてそのままにして写真を撮らせていただいたもの。

たえずパフォーマンスやそのハードな練習で使用されている前後の筋肉のバランスは整っていらっしゃいますが、左右の軽い背骨の曲がりは拝見できます。

繰り返しになりますが、このていどでは何の問題も起きないのですが、年齢がすすむにつれ悪化したり、何か問題を感じられるようでしたら、整体施療やボディーメークに詳しい専門家にご相談なさることをおすすめします。

一度、大きな鏡やショーウインドウの前でご自身のお体を写してチェックしてみてはいかがでしょう?

また、ダンススタジオなど大きな鏡がある場所に行かれることがあれば、目をつぶって力を抜いた状態からゆっくりと目を開けて、ご自身の左右の耳の位置や肩先、腰の骨のでっぱりの位置の比較や、お顔の傾きやお体の曲がり具合などをチェックなさってはいかがでしょうか?

導入部分だけでけっこうな文章量となってしまいました。

《次回、“体が少し傾(かたむ)いたり曲がったり…は調整可能?−Ⅱ”につづきます》

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今回は実際の側弯症(そくわんしょう)の矯正(きょうせい)施療の実例までには入れませんでしたが、現在お体の曲がりや傾きなど左右の姿勢のアンバランスや前後、上下の差が気になっていらっしゃる皆さまには、ご遠慮なさらずにお問い合わせいただけますようお願い申し上げます。

また、お体のアンバランス矯正(きょうせい)から血液やリンパ液の循環不良からくるムクミや冷えの改善につきましても高いご評価とご満足をいただいております。

お体の状態でお悩みのばあいには、そのままになさらずに、ぜひとも当院までご連絡いただけますようお願い申し上げます。

→ お問い合わせや施療のご予約はこちらへ

体が少し傾(かたむ)いたり曲がったり…は調整可能?−Ⅱ

前回の“体が少し傾(かたむ)いたり曲がったり…は調整可能?−Ⅰ”では、ふつうの方でも背骨が片側へ軽く曲がっているケースが多いことをお伝えいたしました。

それがすぐにお体の不調につながるものではないとは言え、「年齢がすすむにつれ悪化したり、何か問題を感じられるようでしたら、整体施療やボディーメークに詳しい専門家にご相談なさることをおすすめします」ともお知らせ申し上げた。

今回は《40年以上にわたって背骨が左側へと曲がっており、ふだん歩くときでさえも注意していないとまっすぐではなく斜め方向へと進んでしまうという状態とその背骨の曲がりにより、背中の上の部分から肩、そして首がガチガチにこりすぎてしまった結果、その痛みやだるさなどの不快感を感じられなくなるまで悪化してしまった高齢男性への施療実例》をご紹介申し上げます。

お読みいただければ、《専門的に側弯(そくわん)と呼ばれる背骨の曲がりを手術無しに改善方向へと向かわせるための考え方と実際に受けるべき施療の種類。そしてご自身でストレッチやエクササイズ行うべきお体の部位》に付いて、ご理解いただけるのではないかと考えております。

年齢は70歳代の男性ですが、筋力は30代の方とほとんど変わらないほどの瞬発力と40代ていどの持久力をお持ちの方で、もちろん骨粗しょう症どころかひじょうに高い骨密度(こつみつど)をおもちのお客さま。

とにかく力が強く、歩き方とお体の曲がりというか姿勢、正直に言えば、見た目と実際の体力とのあまりの違いに驚かされたことは忘れられません。

施療では、一般的に高齢者と呼ばれる年齢の方にはぜったいに使用しない施療方法も使わせていただけたし、ストレッチやトレーニングのキツサの程度も回数もすべて30歳代の運動習慣をお持ちの皆さまと同じレベルでプログラムし、実行していただいたことをお断り申し上げておきます。

つまり、同じ内容の施療と指導を60歳以上の皆さまに実施させていただくことは無いということをご理解くださったうえで、お付き合いいただけますようお願い申し上げます。

若い頃に事故に遭われ、大きなケガをおわれた。

大ケガが治ったあとでもケガした部分をかばうというお体の使い方を、無意識といういうか習慣的につづけられたためことにより左側弯(ひだりそくわん)となってしまわれたのです。

背骨が左側へと曲がり、骨盤が左側へと少し移動してしまい、右脚も曲げにくく正座しても右脚が左脚よりも高くもりあがってしまうようになってしまわれたことだけはいつも気になっていらっしゃったとのこと。

その無意識的なお体へのかばいが生み出してしまった背骨の曲がりが、数十年にわたって重症化して、脚の問題や腰の問題を引き起こしてしまった。

そのうえ、背中から肩や首の部分は広い範囲で硬(かた)くなり、肩や肩甲骨(けんこうこつ)や首の動きも悪く、その動く範囲も小さくなってしまったにもかかわらず、ある時からまったく問題さえも感じなくなるという神経感覚に問題が生じるレベルにまで到達した。

当院の施療をお受けいただくきっかけは右脚と右膝まわりの問題でしたが、それも背骨の曲がりが根本的な原因。

2回の施療と指導により、ご自身で痛みが生じたときに解消する方法と日常生活でその問題が生じないよう維持する方法を完全にマスターしていただき、ご自身でのセルフケアを日々、10分ていどおこなっていただくようになりました。

そこで根本解決に着手しようということに…

徐々に気になってはいたが、年齢も年齢だからとあきらめていたお体の左側への曲がり(=左側弯症)の改善施療を二人三脚で開始した次第です。

過去にご紹介申し上げた2つのシリーズで申し上げた通り、まずは硬(かた)くなってしまったために、動きが悪くなり、かつ動く範囲がせまくなっていしまっている部分を特定し、その部分だけを弛(ゆる)め・伸ばすことで元の正常な弾力性(だんりょくせい)や柔軟性(じゅうなんせい)が回復されるよう細かい点でねらったストレッチ1種類・直接筋肉に触って刺激を与えて伸ばしてしまうストレッチ1種類・ご自身で無意識的に力を入れ続けているのを反射的に無効にしてしまうストレッチ2種類の合計4種類のストレッチを中心とした施療を行いました。

→ 腰痛がヤケドで体のひずみは火?−Ⅰ→ 体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の正しい調整法って?−Ⅰ

その部分をおおまかに申し上げますと、“右わきの下近くの体の横・上半身の右側の真ん中・腰の右側・お尻の右側・右脚の付け根・右太ももの前”の6つの広い部分でした。

その6つの部分それぞれの中でもっとも縮んでしまっている部位にたいして4つの異なるタイプのストレッチを中心に伸ばすことで機能や動きを回復させる施療をさせていただいた。

当院の施療の通常の流れのとおり、《特殊なストレッチを受けていただいた直後、その感覚を忘れないうちに同じ部分や部位を伸ばすセルフストレッチをご指導申し上げることでご自身で反復しマスター可能にするという方式》でおぼえていただきました。

筋肉の縮(ちぢ)んだままでいた時間が数十年間という長期間であったことに加え、その収縮(しゅうしゅく)の度合いが強かったという2つの理由により、つうじょうご指導申し上げる細かい点をねらったストレッチだけでは効果がでにくいことをお伝え申し上げた。

ちょうど、当院主催の逆さエクサの入門セミナーに第1回第2回共にご参加いただいていたので、骨盤の左右のズレの矯正(きょうせい)などむずかしい課題もふくめ、逆さエクサもその長所と短所、そして危険性も十分にご理解いただいたうえで毎日行っていただきました。

その間、6ヶ月間、2〜3週間に1度のペースで施療と指導をお受けいただき、お体の調子はどんどんと良くなりつづけてきたものの背骨や姿勢の曲がりの矯正(きょうせい)というか改善がストップすることになってしまいました。

そこで、お体の左側の柔軟性を維持するために毎日5分ていどのストレッチはつづけたまま、新たにお体の右側へのトレーニングを開始していただいたのでした。

具体的には、右わきの下からお尻の右側までのお体の左側の部分全体の筋肉に力をつけていただいたのです。

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そして1ヶ月間、毎日ご自宅で10分から長くても12〜13分間の右がへのストレッチと左側へのエクササイズを実施していただいた結果が写真でおわかりいただけるのではないでしょうか?

今回行っていただいたセルフでのストレッチも、また筋肉に力をつけていただくエクササイズもこのお客さまのために個別にプログラムさせていただいたものでした。

少しでも違う状態で同じプログラムを実施いただいても効果がないどころか逆効果。

逆に症状を悪化させてしまう可能性が大きいため、あえてストレッチとエクササイズの具体的なやり方は割愛させていただきました。

ですが、《硬(かた)くなって縮んでいるところを伸ばしてその柔軟性(じゅうなんせい)を取り戻させることで動きを改善すると共に、その動く範囲も広げること》《弱くなって、あるいは伸びてしまって必要な力が足らなくなってしまっている部分をトレーニングやエクササイズで強くすること》車の両輪です。

確かにどちらが欠けても不完全。

ですが、苦労されながらであっても実際に日常生活を送られていらっしゃる方でしたら、《まずは硬くなっているところを正しく伸ばす》ことを行ってみてください。

以前の記事の繰り返しとなりますが、やはり「弱いところをきたえるよりも、硬いところを伸ばす方が優先すべきケースの方が多くあります」ので。

《前回、“体が少し傾(かたむ)いたり曲がったり…は調整可能?−Ⅰ”はこちらへ 

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お体の左右の曲がりには、内臓の問題点が原因となるケースもございます。

また、そうではなく、筋肉を中心とした体のやわらかい組織に原因があっても、改善がむずかしい場合も。

医学的に問題がないのにお困りのときには、一度、お体の歪(ひず)みの調整やボディーメークの専門家にご相談なさってはいかがでしょうか?

もちろん、当院でもよろこんでご対応申し上げます。

→ お体の歪み(=ひずみ=ゆがみ)の調整やそれが原因で生じる痛みやお体の動きへの悪影響の完全改善のお手伝いについてのお問い合わせやご予約はこちらへ

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“下半身太り”の原因って?−Ⅰ

いやな言葉ですが、一般的に“下半身太り”で悩んでいらっしゃる方は多くいらっしゃいます。

一般の方だけではなく、ムクミや冷えを解消するはずの筋肉がたくさんお持ちである、スポーツウーマンの方々でもお悩みの方は多くいらっしゃる。

かえってスポーツに頑張っていらっしゃる女性の方が多いような印象さえ受けてしまうほどです。

しっかりと運動もしているし、ストレッチもしているはずの、それも十代の女性にも下半身太りの方はいらっしゃるのです。

まだ冷えまでは感じていらっしゃらないようですが…

もちろん、実際にはそれほど問題ではないと思われる方ほど気になさっていらっしゃるという印象も受けます(というのは余談ですが…)

・下半身だけに筋肉が付きやすいので困っている。その証拠に脚なんかカチカチでブヨブヨしていなし、スポーツもするのは大好きで動きも素早い。だから、ダイエットしても下半身だけ痩せられない。

・下半身がむくんでいる感じはない。脂肪がかたくなってしまったらしくて困っている。ダイエットしても痩せるのは上半身だけ。

・体のやわらかさには自信があるのに脚の付け根からつま先までがだるくてはれぼったい感じがしている。上半身は羨ましがられるほどなのに、なぜか下半身だけが太ったまま。

・仕事が終わって自宅に帰ってくると足首から先だけでなく膝の上までだるいし、太くなってしまっている。指で押すと膝の下のところはへこんでしまいもとに戻らなくなる。長時間バスタブにつかりながら、一生懸命マッサージをすると細くなるけれど、毎日おなじことの繰り返し。

・リンパドレナージュ、マッサージ、足圧などの施療を受けるとその日は調子が良いが、翌日の午後になるともとに戻ってしまう。でも、毎日通えないし…

・寝るときにはいつも足枕としてクッションの上に足をのせて寝ないとだるくて寝付けない。でも、朝になると少しだるいだけで脚ぜんたいが細くなっている。でも、午後になるとまた下半身のだるさとムクミが気になる。

過去にこのようなコメントをくださったお客さまのほとんどの方々には、《ふつう以上の体力をおもちだったり》、《運動能力が優れていたり》、と一般の方々よりもずっとお体をつかっていらっしゃっていました。

また、お体が他の方々とくらべて非常にやわらかい方々にも、下半身太りとムクミや冷えで悩まれているケースが多くあることは事実なのです。

《“筋肉を使わないからという運動不足”や“体がかたすぎるという筋肉の柔軟性(じゅうなんせい)不足”が下半身太りの原因であるという考え方》は間違っているのでしょうか?

これが正しければ、なぜ運動量が足りている方やお体がじゅうぶん以上にやわらかい方が下半身太りやそれにともなうムクミや冷えで困っていらっしゃるのでしょうか?

このケースでは、今までどおりのトレーニングで筋肉の能力を増やしても、その逆にストレッチを頑張って筋肉の柔軟性(じゅうなんせい)を改善しても逆効果!

どんどんと状態をより悪くさせる方向へと、一生懸命に努力をしているのです。

下半身のだるさやムクミがいっそう増えるだけ。

改善にはつながりません。

もしかしたら、悪化した結果、冷えまで感じるようになってしまうかもしれません。

ひじょうにつらい状態であるだけに、いろいろと勉強なさり、

「ほかの人よりも体もやわらかいのに何で下半身だけが太ってしまったの?」

「お風呂の中でリンパマッサージを毎日やっているし、ストレッチだってきちんとやっているのに何で? もしかしたら、内臓の病気かもしれない…」

「リンパドレナージュにいって、プロの手で正しくリンパの流れが改善されたのに、いつもその時だけ。完璧な状態になるのに、一日ももたずに逆戻り。なぜ?」

などと真剣に考え込んでしまったと個人的な過去の経験談を教えてくださった方々もいらっしゃいました。

次回は一般的に言われている、下半身太り、ムクミ、冷えの原因について考えて見ます。

《“下半身太り”の原因って?−Ⅱにつづきます》

「下半身太りの原因や理論よりも、実際に効果のある、具体的な下半身太りやむくみや冷えの解消法を知りたい!」とおっしゃる皆さまに向けた、2時間半のセミナーを今月5月31日(日)東京都内JR中央線沿線の近くの施設で開催させていただくことになりました。

下半身太りの原因や体の仕組みよりも、その解消法やむくみと冷えを解消したいとおっしゃる皆さまには、最適のセミナーではないかと考えております。

セミナー名称は、“下半身太り・むくみ・冷え解消セミナー押圧編(全2回中前半)”

→ “下半身太り・むくみ・冷え解消セミナー押圧編(全2回中前半)”の詳細はこちらへ

→ お問い合わせはこちらへ

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→“むくみ”と“冷え”と“下半身太り”の解消コース

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“下半身太り”の原因って?−Ⅱ

下半身太りも下半身のムクミやだるさ、そして冷えの根本的な原因では一般的に言われている通り。

筋肉がかたすぎて十分に動かせないためと、そのかたくなった筋肉がかたまりのようになり、血管とリンパ液の通り道であるリンパ管を少しだけ押しつぶしてしまうため、血液とリンパ液の流れが悪くなってしまっているからなのです。

そして、ほとんどのばあい、下半身太りやむくみや冷えの原因はリンパ。

今回もリンパについてのお話にお付き合いください。

リンパ管が道路、リンパ液がトラックなどの貨物運搬車両だとすれば、老廃物(ろうはいぶつ)や疲労物質など廃棄物をゴミ処理場へと運んでいくための道路が渋滞しているというイメージ。

適切な例かどうかは???ですが、もっとわかりやすく考えれば、血液が飲み水で血管が上水道ならば、リンパ液は排水でリンパ管は下水道ということになります。

“下水管が部分的に押しつぶされて細くなってしまったため、廃液をきちんと下水処理場まで運べずに流れが滞(とどこお)っている”と考えられそうです。

「では、リンパの滞りを改善するためにどうしたら良いとお考えですか?」とたずねると、「リンパマッサージが一番?」と自身なさそうに答えてくださる方がほとんど。

でも、果たしてそうでしょうか?

なぜ“むくみ”が起こるかと言えば、リンパ液がリンパ管の中で正常に流れなくなるからでした。

うまく流せられれば良いのですが、リンパには体の中心から末端、つまりつま先や指先へと送ってくれる“大きくてパワーというか馬力を備えた心臓”にあたる装置がありません。

また、血液を心臓へと戻してくれるポンプがないのと同じで、リンパ液を手足の末端から体のまん中まで戻してくれるポンプもない。

血液のばあいは、末端の近くにある筋肉の伸び縮みがポンプの代わりになってくれることで心臓へと戻ります。

リンパ液のケースでは、余分にもう一手間かかってしまう。

リンパ液にも手足の末端から体のまん中へと戻すポンプがない

手足の筋肉が動いて伸び縮みすることで血液を戻すポンプの役目をする

血液が心臓に向かって流れる

血管のそばを走るリンパ管の中を流れるリンパ液も血液の流れに引っ張られてゆっくり流れる

間接的すぎて、なんだかまどろっこしい図式ですね。

《リンパ液は、ポンプもポンプの代用も持たずに、血液の流れに引っ張られることで流れているため、その流れる速度は遅い》とまとめでも良さそうそうです。

血液の流れるスピードから見てみましょう。

一番早い心臓から出たところにある大動脈の中の平均で1秒間に約 50cm、そしてもっとも太い静脈である大静脈の中でも、1秒間に約 15cmの速度はあるとされています。

でも、末端の毛細血管の中では、信じられないほど下がって、秒速、約0.05cmとのこと。

部分部分での速度をあげても分かりにくいですね。血管の太さはそれこそ大から小までバラエティーに富みすぎていますから。

体を一回りするタイムで比べてみましょう。

心臓から出て行った血液が体の中を1周してまた戻ってくるのにかかる時間は、40秒ていど。

一方、リンパ液の流れる平均の速度は、1秒間で0.4cmとのこと。

体を1周して戻ってくるまでの時間は、きわめてというかアバウト過ぎますが、だいたい12時間から24時間とも言われています。

そうなると末端部のリンパ液の流速はいったいどこまで遅いのか、ほんとうに流れてくれているのかどうか不安になってしまいますね!?

ここで下半身から離れ、少し上半身という横道に入らせていただきます。

今までに、わずか数名だけしかコントーション(≒柔軟芸+バランス芸の身体表現アート)のパフォーマーや趣味で追及なさっていらっしゃるお客さまへの施療経験はございませんでしたが、先日講師をつとめさせていただいたコントーショニストの方々向けのセミナーでは、2時間に渡り15名ほどの方々のお体を動く姿も合わせて間近で拝見する機会に恵まれました。

そして、あることに気づいたのです。

上半身、とくにもっとも女性が気になさるデコルテ(≒胸の襟から出ている首から胸の上部までの部分)がすっきりしていてとても美しい。

具体的に言うならば、脂肪が付いてないのはもちろん、“むくみ”がまったく無い

とくに目立って美しいのが、鎖骨のすぐ上と下のへこみがクッキリ・スッキリなので、鎖骨(さこつ)きれいに浮き出ている

実はこの部分、リンパを流すための重要ポイント

リンパ液は2つのリンパ本管へと流れ、鎖骨のすぐ上側にあるへこみのところの最終部分で大静脈に流れ込んでいるのです。

そして腎臓を経由して、おしっことなって体の外へと出されるというのは、昔、理科の授業で勉強した通り。

ですから、リンパ系のセルフケアでは、このデコルテ部分のリンパのケアが重要視されているというわけなのです。

そして、横道にそれてでも申し上げたかったのは、コントーションをなさっていらっしゃる方々はそのデコルテが本当に美しい。

鎖骨周(さこつまわ)りでリンパが血管に流れ込む部分での渋滞(じゅうたい)や目詰(めづ)まりが起きていないとも言い換え可能。

その理由は、コントーションの動きの多くが、この鎖骨の凹みのところに十分な刺激を与えているということなのです。

首を大きく、それもしっかりと動かすことで、肩こり解消のポイントでもある肩甲骨(けんこうこつ)と鎖骨までをも、じゅうぶんに動かしたり、ダイナミック・ストレッチングすることにより、もっともリンパが滞ってはまずい部分というかリンパ管の出口部分におけるリンパ液の流れを促進しているからなのだと、知識として知っていた情報を強い印象と共に再確認させていただいた次第でした。

横道に入ったままですが、だいぶ長くなってきましたので、今回はここで失礼させていただきます。

この記事、少なくてもまだ2回は続きそうですが、次回からは解消法へと入っていけそうですので、今少しお付き合いいただければと思います。

じつは、「下半身太りの原因や理論よりも、実際に効果のある、具体的な下半身太りやむくみや冷えの解消法を知りたい!

とおっしゃる皆さまに向けた、2時間半のセミナーを今月6月28日(日)東京都内JR中央線沿線の近くの施設で開催させていただくことになりました。

下半身太りの原因や体の仕組みよりも、その解消法やむくみと冷えを解消したいとおっしゃる皆さまには、最適のセミナーではないかと考えております。

セミナー名称は、“下半身太り・むくみ・冷え解消セミナー:ストレッチ編(全2回中後半)

→“下半身太り・むくみ・冷え解消セミナー:ストレッチ編(全2回中後半)”の詳細はこちらへ

→ お問い合わせやお申し込みはこちらへ

→ “下半身太り”の原因って?−Ⅰ”はこちらへ

→《下半身太り完全解消・改善》集中コースはこちらへ

→“むくみ”と“冷え”と“下半身太り”の解消コース

→ ご自身のお体のセルフケアに役立てていただける“健康情報満載⇒火水流整体術院ブログ”はこちらへ

《“下半身太り”の原因って?−Ⅲへとつづきます》

 “下半身太り”の原因って?−Ⅳ

“下半身太り・むくみ・冷え”について、マニアックにならないようにブレーキをかけながらお話をさせていただいてきたこのシリーズも第4回目となりました。

呼吸法の活用法などという視点が異なる方法や、大きな問題であるとは言え説明が複雑となってしまう、無意識のうちに力を入れ続けてしまう癖の問題点と解消法など、まだまだお伝えしたいことはございます。

でも、ひとつのテーマでこれ以上お付き合いをお願いするのも申し訳ないので、今回で最終回とさせていただくことにいたしました。

ご自身のお体の状態と照らし合わせながら、そして必要に応じて、実際にお体を動かしながら読みすすめていただければと思います。

実際にストレッチが必要な部分の見つけ方というと大げさですが、前回4つに分けた下半身のそれぞれの部分をもう少しだけ小さく分けることにより、ご自身がストレッチしたり、他のやり方を使ったりしてでも、やわらかくしなければならない部分がどこなのか、具体的に感じられるようになるはず。

たとえば、こんな感じでしょうか。

前回の記事をお読みくださるまで「あー、下半身全体がだるい。疲れた!」と感じていらっしゃった方が、

・足首から先の部分が、モアっとしているし、腫(は)れぼったくてダルい!

・膝から足首の間の裏側のふくらはぎがカチンカチンに張っているから疲れを感じているんだ。

・ふくらはぎっていっても、外側じゃなくて内側が硬(かた)くなっているような気がする。

などと、お体の状態をもっと細かく、そして正確に感じられるようになっていただければこの記事をお読みいただいた価値があったということになります。

もしかしたら、今まで気にもとめていなかったので、こりや疲れや張りなど感じたことがなかったお尻が硬(かた)くなっていることに気付いてくださるほど感覚が鋭くなる方までいらっしゃるかも?

では、下半身のどの部分が硬(かた)くなっていることで、血液の流れが悪くなり、リンパ液の流れが悪くなり、結果的に下半身太り・むくみ・冷え、もしかしたら痛みまで生じてしまったのかチェックしていくことにしましょう。

下半身の4つの部分すべてのチェックは大変だとおっしゃる方は、ご自身が気になっていらっしゃる部分のチェックだけでもだいじょうぶです。

できる範囲で、気楽にチェックしてくださればと思います。

1.つま先から足首までの部分

脚を投げ出して座ったら、足の指だけを甲側へと反らしたり、足裏側へと曲げてみましょう。

足の指が動きにくい方へと手で力を加えて、足の甲か足の裏を30秒から40秒間ストレッチします。

その部分が温かく感じるようになったり、動く範囲が広がったら改善した証拠ですよ。

このとき、足首は動かさないのがポイントです。

2.足首から膝までの部分

足首を甲側に反らしたり足裏側へと曲げたり、外側に反らしたり内側へと曲げてみます。

足首を反らしたときにふくらはぎに張りを感じたら、アキレス腱のストレッチ(?)と呼ばれているストレッチをします。

もし、脚の外側やスネの骨の前外側横の筋肉がこっていたら、ストレッチにくわしい方や専門家から指導を受けてください。

正しくおこなうととても効果があるのですが、直接指導をうけないと中々おぼえにくい部分です。

指導を受けられないという方は、後でご紹介しているリンクを参考にご自身でお試しください。

3.太もも

まん前と裏側、そして斜め外側前と内側の4つに分けてどこが硬(かた)いか考えてみましょう。

まん前は正座をして手を後ろについて体を倒してきます。

このとき、両膝をあげないようにするのがポイント。

お尻をほんの少しだけ落とした、軽いおばさん座り(=トンビ座り)で、同じように膝をあげずに体を後ろに倒すと、太ももの前斜め外側が伸びます。
このとき足首は正座のままで、お尻の骨の横にくっつくていどしか開いてはいけません。膝を傷めてしまうので注意してくださいね!

足の裏を合わせて両膝を床に押すのと、両脚を開いて体を前に倒すいわゆる股割りで太ももの内側が伸ばせる。

立って片脚を伸ばして、椅子の上やテーブル(?)にのせて体を前に倒すと太ももの裏が伸びます。

もし、開かなかったり、どうしても力が抜けなかったり、痛みを感じてしまったとしたら、その部分の血行やリンパ液の流れが少しだけ悪くなりかかっているのかも知れません。

その部分を中心にストレッチをやるよう心がけると良いのでは?

4.お尻

ストレッチでチェックするよりも、指を伸ばしその指先でお尻全体、お尻の頬(ほっぺ)のまん中、お尻の横の骨と骨の間、上の外側の4ヶ所を強く押してその硬(かた)さのチェックをしてみましょう。

問題の部分がみつかったら、当院のセミナーで細かくご指導申しあげているような押圧やスライド法やストレッチをなさっても良いし、また別の系統のゆるめ方をご使用になってでも、硬いと感じた部分だけやわらかくするよう頑張っていただければと思います。

筋肉を弛(ゆる)める方法をご存知ならば、問題の部分だけをやわらかくするよう試していただければと思います。

最後に、当院で今までにUPしてきた記事で今回のテーマに関連するページをご紹介申しあげておきます。

どうしても専門家の指導を受けられないという方は、参考になさってご自身でのケアを習慣となさっていただけますようお願い申しあげます。

→ 冷え解消エクササイズはこちらへ

→ 足首から先の冷え解消法はこちらへ

→ 膝から足首までの冷え解消法

→ 脚の付け根から膝までの冷え解消法

→ 股割りをしよう!

→ 手軽にできるお尻のストレッチング

《“下半身太り・むくみ・冷え”の症状に付いて、ご自身の症状が少し他の方々と違っていたり、ちょっと特殊な状況であるとお考えの場合や、セルフケアはいろいろとやってはきたが、少しも解消・改善できないとお困りでいらっしゃる方は、当院主催のセミナーにご参加いただくか、高い評価とご満足をいただいております当院独自の“下半身太り・むくみ・冷え”に特化した施療をお受けいただくことをおすすめ申しあげます

→ “むくみ”と“冷え”と“下半身太り”の解消コースはこちらへ

→ 《下半身太り完全解消・改善》集中コースはこちらへ

この記事の第1回から読み直したい方は以下のリンクをご利用ください。

→ “下半身太り”の原因って?−Ⅰはこちらへ

→ “下半身太り”の原因って?−Ⅱはこちらへ

→《下半身太り完全解消・改善》集中コースはこちらへ

→“むくみ”と“冷え”と“下半身太り”の解消コース

→ ご自身のお体のセルフケアに役立てていただける“健康情報満載⇒火水流整体術院ブログ”はこちらへ

4回もつづくこのシリーズにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

お読みくださった内容に納得し、じゅうぶんにご活用いただき、ご自身の下半身太り・むくみ・冷え解消のためのストレッチをやられる際に、忘れずにやるべきポイントを見つけていただければ、それに優る喜びはございません。

“下半身太り”の原因って?−Ⅲ

体を動かすことが多い生活を送っていると、顔や上半身のむくみが気になるとおっしゃる方は少ないようです。

日常の生活パターンの中で血流やリンパ液の流れが促進されるので、デコルテなどの洗面時に鏡を見て目立つ部分のむくみを解消するためのエクササイズが行われているとも言えるのでは?

時々、顔やデコルテのむくみが気になったとしても、首や肩など必要な部分へのストレッチといつもより少し長めに入浴するだけで、すっきりしたいつもの状態が取り戻せてしまう。

一時的なそれも、ほんの少しの努力でOKというわけです。

もちろん、1日中デスクの前にすわってパソコン作業が中心のオフィスワークばかりという生活パターンを送っていらっしゃるケースは真逆となります。

頭痛や吐き気やめまいや不眠症にまでつながるほどの“ひどすぎる肩こりや首こり”の職業病(?)と共に、顔やデコルテ部分のむくみにもお悩みの方は多くいらっしゃいます。

もっとも、「『むくみや見た目なんて気にしている余裕はなかった』とはひどい肩こりや首こりで悩み続けていらっしゃったお客さま方全員の当院での完全改善後のコメントです」というのが実態のようですが…

肩こりや首こりで当院の施療とセルフケアの指導をお受けいただいたお客さまのケースでは、ストレッチやエクササイズをつづけていただくうち、むくみも同時に、あるいはむくみの方が早く改善してしまうケースが100%。

皆さまが考えていらっしゃるより、早く改善するのが、内蔵の病気が原因でない、いわゆる“ふつうの上半身の目立つ部分のむくみ”。

でも、下半身のばあいは違うのです。

寝たり、横になったりしているとき以外は下半身へと体重がかかっているし、重力のせいですわっていても血液とリンパ液は下の方へと引っ張られてしまいます。

日常生活では、歩く以外に脚(あし)を動かすチャンスは少ない。

手や腕や首とはまったく違うのです。

下半身のばあい、どちらかと言えば動かないで力を入れることが多い。

動かずそのままの形で力を入れ続けている。

体の土台の役目が大きいので、当たり前かもしれません。

《動きが少ないだけではなく、やはり体重を支える土台である下半身は筋肉の量が上半身とは比較にならないほど多い》というのも問題。

このような原因が複雑にからみあった結果、《下半身には、無意識のうちに力を入れ続けるという癖が付いてしまっていることも多い》のです。

ひとことで言えば、「いったん硬(かた)くなってしまうと、弛(ゆる)めるのもずっとむずかしくなってしまう」のですね。

下半身を大きく4つにわけて考えてみましょう。

足首から下の部分である、つま先や足はとくに冷えますが、これは筋肉がほとんどないから。

冷えたりむくんだりするのもわかります。

血液を体の中心へと戻すポンプ機能が小さすぎるため、意識して足の指を広げたり、曲げたり、反らせたり、足の甲と足の裏を曲げ伸ばししない限り、間違った足を引きずるような歩き方だけではむくんでしまうというのもおわかりいただけるのでは?

前回申しあげたように毛細血管を流れる血液の速度は遅い(=秒速 約0.05cm)ので、それにつられて流れるリンパの流れも遅くなってしまう。

次に、足首から膝までの部分はどうでしょう?

ふくらはぎは第2の心臓として有名ですが、実は足先の次に冷えたりむくんでいるとお困りの方が多いのがここ。

でもこの部分への対処法は、さほどむずかしくはありません。

血液循環(けつえきじゅんかん)ポンプであるふくらはぎの筋肉ポンプを柔軟(じゅうなん)にして、大きく動けるようにしてあげれば良いのです。

多くの方々はこの部分のストレッチの必要性は十分にご存知。

そう、ストレッチを正しく行っていただければ問題はないはずなのです。

次は膝から脚の付け根までの間である太ももですが、ここのストレッチは形だけで済ませてしまう方が多くいらっしゃるのが大問題。

本人は正しいケアをしたつもりで、実際には何もやってないのと同じというのは最悪かもしれません。

次回“下半身太りの原因って?−Ⅳ”では、膝足首から膝までの部分と、この太ももの部分に付いては、ストレッチを正しくやられていらっしゃる方でも下半身太り・むくみ・冷えが改善しない理由とその対策まで申しあげられたらと考えております。

マニアックで面倒だとお感じになられないていどにブレーキをかけながらの説明を心がけますので、お付き合いいただければうれしいです。

最後は、忘れ去られてしまった感が強いお尻

専門家でもない限りは無視している方がほとんどでしょう?

今、この記事をお読みくださっていただいている、そう健康に気づかっていらっしゃる皆さまししても、「えぇっ……」と驚かれたのでは?

一番の問題は、お尻がこったり硬(かた)くなったりするということをご存知ない方が多いということなのかもしれません。

《お尻のこりや硬(かた)さを解消しないことこそが、“下半身太り・むくみ・冷え”が完全改善しない原因となっていることに気付いていらっしゃらないことこそが問題である》と当院では考えております。

下半身太りやむくみや冷えで悩んでいらっしゃる方ならば、冷えているところの血行改善とリンパの改善を頑張ってケアなさった経験があるはず。

100円ショップで足の指を広げるグッズを買って使ったり、足を揉んだり、ふくらはぎを擦りあげたり、太ももをトントンと叩(たたい)たり、軽くもんだり。

股割(またわ)りといって、お相撲さんのように両脚を大きく開いて体を前に倒したり…

でも、お尻を叩いたり揉んだりという方は少ないかもしれませんね。

以前、一時的にではありましたが足圧をメインにして下半身太りやむくみや冷えの改善をお手伝いさせていただいた頃の話。

施療後一日ぐらいは細いままだけれどすぐに元に戻ってむくんでしまうという方がいらっしゃいました。

ぐうぜん昔かじったことがあった吸玉(すいだま=カッピング)を、お尻の硬(かた)くなっている数ヶ所に施療させていただいたところ、50年以上むくんでいたその方の脚(太ももの付け根から足首まで)と足(足首からつま先まで)のむくみも冷えも、そしてもちろん下半身太りも完全改善したまま、再発することが全くなくなったという実体験があります。

それがきっかけとなって勉強を始めて、当時日本でたったひとつだけあった電動式カッピングの資格を取ったということもありました。

もっとも、「現在は吸玉やカッピングの機械を使わずに、関節内部機能回復調整法と特殊なストレッチを数種類組み合わせることで、同等以上の効果を出しております」というのは余談ですが、現在、当院では特殊な器具や機械は使いませんのでご安心ください。

もし、むくみが取りきれないとか時間をかけてケアするとそのときは良いけれど元に戻ってしまうという方に申しあげたいことがあります。

「せっかくストレッチをなさるのなら、お尻までストレッチをやられてみてはいかがでしょうか?」

今回のまとめになりますが、「硬(かた)くなっている筋肉が血管やリンパ管を圧迫して流れを悪くしているのだし、やわらかい筋肉の収縮によって血液やリンパ液の流れは改善させられるのだから、筋肉をやわらかくして、なおかつその筋肉をうごかしましょう!」ということ。

もっと言えば、「硬(かた)くなっているばあいには柔軟(じゅうなん)にしてあげましょう」の一言につきます。

最後に、優しくさすって物理的にリンパの流れを促進させるという、一般的に知れ渡っている効果的な方法もありますが、これは表面のリンパが中心です。

ということで結論ですが、一般論で言えば、リンパドレナージュを行う前にまずはストレッチを正確に行いましょうということですね。

「リンパドレナージュは最後の仕上げに使う」という方法を、当院ではお客さまへとおすすめ申しあげております。

今回はリンパの流れを良くするためには、まずはリンパを引っ張っていってくれている血液を末端から体の中心まで動かしてくれるポンプである筋肉の動きを大きくするためにストレッチをしていただきたいというお話でした。

それも、「つま先からふくらはぎを通って太ももでストップするのではなく、見落とされることが多いお尻までしっかりとストレッチしてください」と申しあげました。

次回は、足首からつま先まで、足首から膝まで、太もも、お尻という4つの広い部分の中で見落とされがちな部分、一生懸命ストレッチをしても効果が得られないという残念な結果につながる部分を具体的にご紹介できたらと思います。

《“下半身太り”の原因って?−Ⅳ”へとつづきます》

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コントーション(≒柔軟+バランス芸)練習会の体験記−Ⅱ

先日、約2年半ぶりに、コントーション(≒柔軟+バランス芸)の団体“コントーション・サークル−ノガラ”さんの練習会に参加、というよりもお邪魔させていただきました。

前回の参加時やセミナーでお会いした方々が数名参加されていらっしゃったので、緊張することも無く(?)、柔軟性やバランス性獲得のためのトレーニングの数々を体験させていただきました。

ちなみに、前回参加時に記したコントーション初体験の感動を記した“コントーション(≒柔軟芸)練習会の体験記”では、タイトルにもあるように、《コントーション≒柔軟芸(じゅうなんげい)》と考えていたのですが、今回はより正確を期して《コントーション≒柔軟+バランス芸》とさせていただきます。

というのも、コントーションにおいては、ただたんに体がすごく軟(やわ)らかいだけではさまざまなポーズを決めることはできないからなのです。

掲載用contortionMr.jpg


コントーションのプロや愛好家、そしてコントーションをご自身の専門であるダンスやパフォーマンスや競技スポーツに生かすために練習なさっている方々の練習内容について、コントーションの練習をなさったことがない皆さまに向け、マニアックにならないていどにレポートさせていただきます。

そう、コントーションは軟らかいだけでは何もできません。

たとえば、練習開始のウォームアップの中では、前回りから後回りにつづき、両手で逆立ちのように立って(今はハンドスタンドって言うのかも?)瞬間的に体幹(=胴体)とそろえた両脚を天井に向けて垂直に伸ばしたり、同じ様に両手で立って伸ばした両脚を横に180度開いたり、等々のバランス感覚を刺激する準備運動が次々と行われていきます。

ジャンプして空中でフィギュアスケートのように体の軸をブラさずに回って着地する縦ではなく、横方向への回転もありました。

そういえば2年半前も、柔軟性のトレーニング以外に、バランス感覚用のトレーニングや自分自身の体重を利用した、いわゆる自重トレーニングが多くあったことを思い出します。

筋力トレーニングといえば、練習ではありませんでしたが、できて当たり前の動きがありました。

掲載用contortionMiss.jpg

私以外は男女年齢を問わず(何しろ10代から80代の方まで!)、全員が立った状態から後方へとゆっくりと倒れていきブリッジをしてから、反動を付けずにまた起き上がるという強い筋力と筋肉の連動が不可欠である一連の動作を行えるのです。

体の前後で筋肉の収縮と弛緩(しかん)、つまり片側には力を入れ、もう片側は完全に力を抜くことと、ふつうに筋肉に力を入れるときの筋肉を縮めながら力を入れるのとは逆に、筋肉に力を入れながら伸ばすという特殊な筋肉の使い方も含まれていました。

少しマニアックになってしまいますが、これは「ネガティブ・ワーク、伸張性収縮、エキセントリック・コントラクション、遠心性収縮などと呼ばれる筋肉の収縮方法であり、疲労の度合いは強いのですが、その分筋肉のトレーニング効果が高いとされている方法です」。

ちなみに、当院の脊髄反射療法や再発防止でご指導申しあげている逆さエクサでは、この収縮法を軟らかくしたい筋肉自体やその反対側の筋肉に対して用いることで、その直後に筋肉を徹底的に弛(ゆる)んだ状態とするのに利用しております。

前回お邪魔したときにも感じたことでしたが、コントーションの練習においても《筋肉を伸ばしながら力を入れ続ける方法》は体の保護のために非常に多く使用されていることを再認識させられた1時間半でした。

また、指導者の先生のお話の中で、パートナーストレッチやパッシブストレッチなどと呼ばれている2人で行うストレッチのとき、コントーショニストの養成学校では、軟らかくしたい部分に抵抗をかけてもらいながら自分自身で直前に力を入れ、その直後に脱力してじっくりと伸ばしてもらうという一連のストレッチ動作が紹介されました。

やはり、プロのパフォーマーの世界では、この場合はコントーションとサーカスの養成学校でのお話でしたが、『理論がどうのこうのではなく、大昔から経験を通してコツや秘訣や重要な専門家たちの間だけに秘密裏に(!?)に伝わる凄い技術というものが発見され伝えられてきているのだ』と、今更ながらではありますが、再認識させていただけたしだいでした。

写真は、個人的に掲載許可をいただけた、お隣で練習されていただ方ですが、この3名の方々はコントーションの方ではなく、別分野のご専門に生かすためにコントーションの練習をなさっていらっしゃる方々でした。

掲載用モザイク入り2015年6月21日CCN練習会於サイ.jpg

ご覧いただけるように、開脚180度は当たり前。それ以上の柔軟性を得るためのトレーニング。

重要なのは、練習会でおぼえたトレーニング法や柔軟法を自宅で毎日真面目にこなすこと。

そして力を抜くことですね。ひじょうに高い柔軟性をお持ちの方々にとってもステップアップするためには脱力することが一番大切だということも再認識させていただきました。

そして、ふだん自分自身が口癖のように申し上げている「脱力に限界無し、これで良いというレベルには達することは不可能」ということも。

コントーションの素人が記した体験記にお付き合いいただきありがとうございました。
 

また、練習会やコントーション・サークル「ノガラ」さんのワークショップなどにお邪魔する機会があれば、コントーションの素人目線からのレポートをこのブログに掲載させていただきます。

→“コントーション(≒柔軟+バランス芸)練習会の体験記−Ⅲ”はこちらへ 

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《コントーションをやってみたいとお考えの皆さまへ》

このコントーションの素人が記した、コントーションの体験記をお読みいただいて、コントーションの練習に興味をいただかれたり、ご自身の専門のためにコントーションの柔軟性アップのための練習法を体験なさりたいとお考えの方。

お体に悪いところや痛みは無い。ふつうよりも体が軟らかいのでそれを伸ばしたいという方。

柔軟性が要求されるスポーツをやっているので、もっと柔軟になりたい。

今は、ふつうだけれど体を軟らかくするのに興味があるという方は、主宰者で指導者の先生にご連絡なさってはいかがでしょうか?

主宰者で指導者の《もーこ先生》におたずねしたところ、以下のような主旨のお返事をいただきました。
 

『コントーションを安全に始めたい方や、練習会やレッスンに参加したい方は、直接指導者のもーこ(下記アドレス)までご連絡いただければと思います。追ってレッスンスケジュールなどをお送りします』

メールアドレス: mongol97ayu★yahoo.co.jp(★を@に変えてください)

とのことです。

ご興味をお持ちになられた方は、このチャンスにぜひ!

コントーション(≒柔軟+バランス芸)練習会の体験記−Ⅲ

先日、約2年半ぶりに、コントーション(≒柔軟+バランス芸)の団体“コントーション・サークル−ノガラ”さんの練習会にお邪魔させていただいたときの様子を“コントーション(≒柔軟+バランス芸)練習会の体験記−Ⅱ”でご紹介申しあげました。

実は、そのわずか20日後に次の練習会があったので、主宰者で指導者のもーこ先生にお願いして再び参加させていただきました。

理由は、初心者がどのような練習をするのか、その一部を当院のブログをお読みくださっている皆さまや「コントーションって我慢と精神力で痛みに耐えて柔軟性を獲得するのだろう…」と誤解をかかえていらっしゃる方、そして「コントーションには興味があるけれど私には無理!」と勝手にあきらめていらっしゃる方々へと「正しい指導を受けて、続ける意思さえあれば、普通に考えられる以上の柔軟性やバランス力を獲得できる」ということをお伝えしたいと考えたから。

もちろん、前回、間違った形でとは言え、40年振りに行った前後開脚であるていどの脱力ができた。そして、その直後から「日常生活でふつうに楽に歩けていると思っていたのに、股割りとは違った感覚でもっと楽に歩けるようになった」ので、どうせ自分で練習するならば、効果的で正しい具体的な前後開脚の練習法に付いてのアドバイスをいただきたかったことと自分自身の自重トレーニングに加えたいエクササイズ(?)を覚えたいという2つの個人的が目的もありまましたが…

練習場となる鏡張りのダンススタジオに到着すると、参加者の方々はそれぞれが柔軟性(じゅうなんせい)向上のためやバランス感覚のブラッシュアップ(?)のための訓練など、ご自身に必要なトレーニングをなさっていらっしゃいました。

ご迷惑をおかけして申し訳なかったのですが、前回顔見知りになったお二人の方々のウォームアップのお邪魔をさせていただき、私自身が自重トレーニングに加えたかった動きにかんする練習法の第一段階を教えていただきました。

私が知りたかったのは《ふつうに立った状態からそのまま後に反ってブリッジをし、その後、足の位置はそのままに再び起き上がってもとの立った状態に戻る》という一連の動作の練習方法というか最初の導入部分。

実は、これができるのが練習会参加の最低条件なので、ここでご紹介するレベルの内容は練習会では行われてはおりません。

たまに練習なさっていらっしゃる方がいても、いかに一連の動きを連続で同じスピードで行うかとか、ブリッジへの移行中の体の左右のアンバランスを修正するかとか、途中のポーズでの硬い部位だけを柔軟にするとか、そういう仕上げのポイント(?)の高度な反復ばかり。

お二人には、お時間をお割きいただき、昔を思い出しながら一番最初におこなった練習法を教えていただきました。

掲載用初心者向けバックブリッジ練習第一段階.jpg

ですから、これは先生から習った方法ではないのですが、皆さまが文字通り、手取り足取りで教えてくださったのは『わりと壁に近付いた距離で壁に背中を向けて立ち、そこから体を反らせたら両手を壁に付いて、手で下の方へと歩いていくという方法。そして、そのときの限界に達したら、無駄な力を抜いてリラックスしストレッチをあるていどの時間つづける。そして、再び手で壁を上へと歩いて立ち上がり元に戻る』というもの。

そのときにお願いして撮っていただいたのが横の写真です。

足が滑って倒れたりしましたし、やはり指導者の先生から安全面でもチェックをされた状態で習うのが良いと当たり前のことを感じた次第でした。

練習会に参加を希望なさっていらっしゃるならば、この立ったままでのブリッジから元へと戻るのを数回(10回だったかも?)連続で行えるのが条件だった気がしますが、独学では少しきついかも。

プライベートレッスンやセミプライベートレッスンを受けられてからご自身で努力なさる方が安全、かつ近道ではないかと思いました。

vertebrastoracicasestiramientopasivo.jpg

実は、この短時間の練習により、「当院でお客様への腰痛の施療時に気づくことが多い《多くの方々において、背骨の胸の裏側部分が硬(かた)すぎて動きが悪いことが腰痛をより悪化させている》という現象が自分自身にもあてはまるということを強く認識させられた」というのは余談ですが、練習会の途中で先生にこのことをお話してその硬い部分をコントーションのペアストレッチで伸ばしていただいたのが、この連続写真になります。

当院の反射を使った脊髄反射療法関節内部機能回復調整法とは理論的背景は異なるもので、スタティック・ストレッチング押圧がシナジー効果を得られるよううまく組み合わされている合理的なペアストレッチでした。

練習会では皆さん、体の伸ばされる部分の力を抜く、脱力ができているので問題はありませんでしたが、もし脱力ができずにこれを行うと昔流行ったプロレス技をふざけてかけたときと同じ。

危険ですので、形だけの真似はなさらぬようお願い申し上げます。

コントーションの素人が的外れにマニアックなことを記しても百害あって一理無し(!?)

ということで、立位ブリッジに付いてはこのへんにして、2つの参加目的のうちの残りのもうひとつ、前後開脚へとすすみます。

これは、ダンサーやパフォーマーの方々へと指導させていただくことがとても多いので、理論的には分かっていたのですが、体が言うことをきいてくれませんでした。

施療やストレッチ・運動指導のセッションでは、見た目は前後開脚ができる方々がお持ちの問題点の解決や客観的な欠点や特定の筋肉の特定の部位の硬さを発見し改善するという最後の仕上げばかり。

今回感じさせられた(?)個人的な問題点はありすぎて、とてもここには記しきれないほど。

それに、ふつうよりも体が硬(かた)い人間が間違いを羅列しても、お読みくださっている皆さまの役には立ちそうもありません。

ここでは「初心者は楽なので知らずに、そして上級者はダンスやパフォーマンスなどの体の動きやラインを美しく見せるためにわざと行う、一応(です!)ストレッチ的には間違っていると考えている(コントーションでもそのようですが…)」大きなポイントを1つ紹介させていただきます。

骨盤(=お尻の横にまで広がっている骨)が、きちんと前方を向いていないこと。

掲載用初心者前後開脚第一段階不完全.jpg

具体的には、《骨盤が前の脚の方向へと向かって斜め前に、後ろの足に向かって後ろ方向へと斜めになっている》ということ。

これにより、前の脚のお尻の下から太ももの裏がすべて伸びずに、その分、脚の内側の裏側寄りの部分が伸びてしまう。

そして、後ろに伸ばしている方の脚の付け根の奥にある伸ばしたい筋肉の片方をあまり伸ばせない。

あるいは2つともじゅうぶんに伸ばせないということになってしまうのです。

掲載用前後開脚インチキ写真?.jpg

骨盤が斜めになっている間違いが目立つとは言え、後ろの脚のどこを伸ばさなければいけないか先生が押してくださっている位置が重要な写真と真面目な練習会で先生にお遊びにお付き合いいただくという大それたことをお願いして撮ったトリック写真をそのタネ入りでご紹介します。

トリック写真をご笑覧いただいたところで今回のレポートは以上となります。

またチャンスがあれば練習会にお邪魔して体験記をご紹介させていただきたいと考えております。

とくに、主宰者のもーこ先生、M様、K様、ご指導、ならびに写真撮影、ありがとうございました!

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《コントーションをやってみたいとお考えの皆さまへ》

前回の記事をお読みくださった数人の皆さまから、練習会参加のための体の軟らかさ条件や先生の個人レッスンなどに付いてご質問をいただきました。

そこで、主宰者で指導者の先生におたずねしたところ、以下のような主旨のお返事をいただきました。

『コントーションを安全に始めたい方や、練習会やレッスンに参加したい方は、直接指導者のもーこ(下記アドレス)までご連絡いただければと思います。追ってレッスンスケジュールなどをお送りします』

メールアドレス: mongol97ayu★yahoo.co.jp
(★を@に変えてください)

とのことです。

ご興味をお持ちになられた方は、このチャンスにぜひ!

スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰ

最近、ダンサーやパフォーマーのお客さまへの施療と再発防止、及びパフォーマンス性UPのためのストレッチのご指導をさせていただく機会が多くなっております。

皆さまから、ほぼ100%確認されるのは、『ダンス直前や競技直前、あるいはステージでのパフォーマンスや試合直前のストレッチは良くない?』という情報の真偽とその理由。

また、『ここ数年、常識になってきていますが、具体的な理由とウォーミングアップでダメならばクールダウンで良いのはなぜ? 体が眠ってしまうからと言われていますが・・・』とより具体的におたずねになられる方が半分以上もいらっしゃいます。

また、それと共に感じているのが、ストレッチにたいする明らかな誤解

インターネットによる情報の斜め読みによるのだと思われますが、スポーツや体を動かすこととは無縁な方々から『ストレッチは良くないですか?』という主旨のご質問をいただくことも増えたような気がします。

「ネットの検索サイトでヒットした記事のタイトルとその概略説明だけお読みになったのですか?」と逆にたずねたくなるような質問。

そういえば、当院主催の逆さエクサ©入門セミナーへとご参加いただいた、ウォーキングのサークルの指導者の方から、『ウォームアップで良くないストレッチと良いストレッチを教えて欲しい』とセミナーの後の無料懇親会で依頼され、ソファに座った状態で長々とご説明申し上げたこともございました。

真面目に運動やスポーツをやっていらっしゃる方々にとっては興味があるというレベルを越えた、切実な問題なのかも知れません。

当たり前が当たり前でなくなるのですから。

ちょうど、《昔は運動している最中に水は飲むなと言われたのに、今は飲まないと危険と言われる》のと同じくらいの違いだと勘違いなさっていらっしゃる方も多いようです。

ということで、前置きが長くなりましたが、今回のブログは、《正しいストレッチ》ではなく、《ストレッチの正しい使い分け》について、お話させていただきます。

よろしければお付き合いください。

まず最初に申し上げたいのは、皆さまがストレッチとおっしゃるとき頭に浮かべていらっしゃるのは、《完全に力を抜いてだらっとしたまま(←これが一番重要で一番むずかしい!)、無理をせずに同じ形を30秒〜40秒間とり続けるストレッチ》。

専門的には、スタティック・ストレッチングと呼ばれるストレッチのこと。

そして、当院で毎日の施療に使っているだけでも、これだけ多くの種類のストレッチが存在しておりますし、またここに載せてない別の分野で用いられるストレッチも数種類以上、ございます。

最近になりやっと一般的にも、競技の直前や体を動かす前にはスタティック・ストレッチングをすると競技でのパフォーマンス性が落ちるという知識が広まってきました。

荒っぽい言い方になりますが、昔は準備運動として、仲間や先生から「イチ、ニッ、サン、シッ、ゴ、ロク、シチ、ハチ!」と号令をかけながら、反動を付けて押してもらったり、自分で反動を付けて繰り返す柔軟運動(じゅうなんうんどう)と呼ばれるものを行いました。

35歳以上の方々ならばおぼえていらっしゃるのではないでしょうか?

小学校時代の体育の授業や野球のリトルリーグ、まだマイナーだったサッカースクールでも同じでした。

もちろん、柔道や剣道や空手の町道場でも同じ光景が繰り返されていたのをおぼえています。

いつの頃か、ふと気付くとストレッチという言葉がアメリカから入ってきていたのでした。

そして、それまで行っていた柔軟運動はバリスティック・ストレッチング(弾性:だんせいストレッチング)と呼ばれるもので、筋肉を柔軟にする効果はゼロなのだ。

逆に硬(かた)くしてしまうというか、具体的には《百害有って一利無し!》などという間違った認識が広まってしまったのでした。

昔式の(?)、号令と共にグイグイと反動を付けて押してもらう柔軟体操はすっかり淘汰され(影をひそめ?)、代わりに救世主のように登場したのが、カタカナ5文字の名前を持つ、ストレッチ。

どんな目的のためにも、つまり、運動前のウォームアップでも、足が攣(つ)ったときでも、疲れたときでも、運動後のクールダウンでも、とにかく、《いつでも、どこでも”、脱力して同じポーズを数十秒間取り続けるのが最良の方法だ》という誤解も同時に広まってしまったのではないでしょうか?

そして、ここ数年、やっと、サッカー選手のブラジル体操などがテレビで流れることが多かった影響によるものか、神経を活性化する目的で反動を付けたすっかり悪者にさえていたバリスティック・ストレッチングが見直されてきています。

私たち、年配の人間にとっては、「あれっ、柔軟体操を自分でやっているだけじゃないか?」と思ったというのが正直な感想なのでしたが…

それに合わせて新しい知識(?)として広まりつつあるのが、スタティック・ストレッチング、いわゆるストレッチは良くないという誤解であると考えられます。

次回にはっきりと申し上げたいのですが、ひとことで申し上げれば、「スタティック・ストレッチングは悪くない。ウォームアップで行うとパフォーマンス性が落ちるので直前には行うべきではないだけ。バリスティックも含め、すべての効果のあるストレッチはその用途ごとに使い分けるべきである」ということになります。

また、競技直前のウォームアップでは、ブラジル体操を初めとするバリスティック・ストレッチング以外にも、以前は知られていなかったダイナミックストレッチングなども一般的に見かけられるようになってきました。

陸上競技のテレビ放映などで、スタート前の選手が脚(あし)をゆっくりと伸ばしたり曲げたりしているアレですね。

というところで、またダラダラとお話をして、せっかくお付き合いしてくださってる皆さまを退屈させてしまうところでした。

今回は、

・ストレッチには色々な種類がある。

・ストレッチと一般的に呼ばれているものはスタティック・ストレッチング(静的:せいてきストレッチング)という反動を付けずに、脱力したまま同じ姿勢を30秒から40秒間取り続けることで筋肉を伸ばすもののことだけをさしている。

・昔、世界中で行われていた体育的な柔軟運動もバリスティック・ストレッチング(弾性:だんせいストレッチング)と呼ばれる、有効なストレッチであり、効果ゼロなんてことは無い。

・効果のあるストレッチであれば、悪いストレッチは存在していない。ただ、その用途が間違っているだけである。

といったことをざっと申し上げてまいりました。

全部でなくとも、このうちのいくつかを何となくわかっていただければ嬉しいです。

次回は、なぜいわゆるストレッチ、正しくはスタティック・ストレッチングがなぜ悪いと誤解されているのかその理由をスタティックストレッチングで筋肉がリラックスして伸びる原理と共にお話させていただけたらと考えております。

 この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ “関節内部機能回復調整法とストレッチング”目次

→ ストレッチや股割りのご指導をご希望の方はこちらへ

《スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱにつづきます》

スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱ

前回は、『色々な種類のストレッチがあり、ずっと正義の味方だったスタティック・ストレッチングが良くないと言われ始め、理不尽にも悪者にされ続けてきたバリスティック・ストレッチングが見直されてきた』と申しあげました。

そして、「効果のあるストレッチであれば、悪いストレッチは存在していない。ただ、その用途が間違っているだけである」といちおうの結論をお伝えしたところで終わってしまった。

今回は、スタティック・ストレッチングがもつ具体的な効果に付いてからの開始となります。

当院主催のストレッチのセミナーでは、毎回、最初にご説明申しあげることでもあります。

あくまでも、可能性ということではありますが、以下の事柄は、正しいストレッチを正しい方法で実施なさっていらっしゃれば、お体で必ず感じていただけているはずの得られるはずの効果。

・関節が動く範囲を広げることで動作に余裕がでてくるので動きが楽になる。

・筋肉が部分てきに切れたり裂けたりする、いわゆる肉離れなどのケガの防止になる。

・筋肉の攣(つ)り・痙攣(けいれん)によって引き起こされる症状である、《腰痛・肩こり》などが軽くなったり改善する。

・血液の流れやリンパの流れが改善するので冷えやむくみなどの問題が大幅に改善する。

・痛みを引き起こしていた神経への間接的な圧迫が解消されるので痛みが改善する。

・筋肉が伸びることで、それこそ身も心も、つまり体もメンタル面もリラックスできる。

(・運動パフォーマンス性の向上)

たとえば、ハムストなどと略して呼ばれることが多くなってきた太ももの裏側のストレッチとお尻のストレッチをじっくりと行い、お尻から脚の付け根を通って膝のすぐ上の部分までの体の裏側部分が軟(やわら)かくなったとしましょう。

今まで脚(あし)を前に振りあげて腰のあたりまでしか上がらなかった方の足が、顔の前まで楽に上がるようになっているはず。

信じられないかもしれませんが、当院でストレッチの個人指導を受けられた打撃系武道の方々は、その場で楽に顔よりも高くつま先が上がるような蹴上(けあ)げができるようになっていらっしゃいます。

そうなれば、足をおへその前まで反動をつけて振り上げても、上半身が後に倒れる、あるいは姿勢が崩れることでバランスを崩すということはなくなります。

10できる人が自分の限界の10まで頑張れば、無理がくるのは当たり前。

でも、5までだったら余裕をもって楽にできるはず。

蹴上げが楽にできるようになったお客さまは、おへそのレベルが10だったのが頭の上が10となったわけです。

そうなると、最初の限界であるおへその高さは10ではなく4か、せいぜい5レベルへと変化してしまった。

5から6もの余裕ができたので、今までぎりぎりで行っていた動作が楽にできるようになったということ。

これが、上で、カッコ付きで“(・運動パフォーマンス性の向上)”と申し上げたことになります。

なぜカッコ付きかは、重要な問題ですので、後ほどくわしくお話させてください。

話しをもとに戻しますが、肉離れなどのケガの防止も同じことなのです。

例えば、足首を甲側に曲げて90度までしか行かない人が、パートナーストレッチで他人からそれ以上曲げられれば、フクラハギが引き裂かれるような痛みを感じてしまいます。

そのまま、一気に強い力でもう少し大きく曲げられたらどうなるでしょうか?

筋肉が裂けたり切れたりしてしまう。

常日頃申し上げている、「《ストレッチはどうじに関節技でもある》という私の口癖が分かっていただけるはず」というのは余談ですが…

このように“ケガの原因になりかねない”というのは分かりやすいですが、それ以外にも大きな問題があります。

筋肉がかたくなったままの状態だと、疲労物質がその部分にたまったままのため疲れは取れません。

筋肉がかたくなっていると新鮮な酸素と栄養を運んできてくれるる血液がその部分へと届かないからです。

どうじに老廃物をそこから運び出してくれる血液もそしてリンパ液も動きにくくなってしまいます。

筋肉の中や近くを通る、血液とリンパ液の通り道である、動脈も静脈もリンパ管も押しつぶされて細くなってしまっているため、渋滞した道路とおなじような状態となってしまっているから。

その結果はすでにご存知でしょう。

むくみや冷えが出てきたり、腰痛や肩こりや背中の痛みや脚の特定の部分がいつも痛いという状態におちいってしまう。

(かた)いブロックというか塊(かたま)りのようになってしまった筋肉は、直接ではありませんが奥深くの筋肉越しに、つまり間接的にではありますが、神経を軽く圧迫して痛みを引き起こしてしまうこともあるのです。

でも、正しいやり方で正しくストレッチを行えば、筋肉が伸びた状態を作り出せます。

そうなれば、筋肉も関節を包んでいる関節包(かんせつほう)も血管もリンパ管も皮膚も、そして神経さえも伸ばすことができるのです。

全てを伸ばしてしまうことが良いのか悪いのかは今回は割愛させていただきますが、筋肉が伸びた状態になると血行やリンパの流れは正常となり、体がほんわりと少し温かくなったり、体がリラックスすることで、メンタル面での深いリラックス状態も得られることになります。

物理的に体がリラックスするだけではなく、メンタル面でも、つまり精神的な面においても、両面でリラックスできるということ。

マッサージや指圧や足圧を受けた直後や少しぬるめの温泉にじっくりと浸かった直後、少しだけアルコールを飲んだ時、等々の身も心もほわっとして、全身が少しけだるいような快感に包まれた状態を連想してみてください。

色々な意味合いで、じょうずなストレッチを受けてもこのような状態となります。

リラックスしたときに顔をだしてくる、自律神経のうちの副交感神経(ふくこうかんしんけい)が主に神経を支配している状態となるからです。

擬音で言えば(?)《だらっ》とか、《ぐにゃっ》となった状態となるのです。

もちろん、自分で行うセルフストレッチでここまでの状態を作り出せるようになるには、多くの練習と経験、そしてコツやノウハウが必要となってきます。

でも、頑張って正しいストレッチをつづけることで、相当のレベルまで、筋肉的にも神経的にもリラックスしただらっとした状態をつくりだすことは可能。

もちろん、他人から見ても分からないレベルですが…

《スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅲにつづきます》

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅲはこちらへ

この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ “関節内部機能回復調整法とストレッチング”目次

→ ストレッチや股割りのご指導をご希望の方はこちらへ

スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅲ

ここからがこの記事のタイトルでもある“スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?”という疑問にたいする結論となります。

このように考えれば、とても分かりやすいはず。

神経伝達物質のスピードがどうとか、どこからどこへと神経の経路がつながってなどと考える必要はありません。

もっとシンプルに現象から、あるいはご自身の日常体験をベースに想像してみてはいかがでしょう。

温泉につかった後で、あるいはサウナから出た直後、リクライニングチェアに横になり、完全にリラックスした体と頭の状態を味わっていらっしゃる自分自身をイメージなさってください。

こんなとき、突然、「走れ!」、「アップテンポの音楽に合わせて踊れ!」、「素早く動き回れ!」、「格闘技の試合をしろ!」、あるいは「神経を研ぎ澄ませて、周囲のどんな細かい異変にも気付け!」と命じられたらどうでしょう?

「そんなの無理に決まっている。不可能だ!」とおっしゃるはず。

ここまで極端ではなくても、自分自身で正確に十分に筋肉を伸ばすストレッチを全身、あるいは下半身の主要な部分にたいして10分間でもしていれば、その直後に伸び切っている筋肉を動かす、つまり縮めさせることが不可能になってしまうのです。

ていどの差こそあれ、心身リラックス状態からそくざに素早く動くということが無理だというのはおなじ。

「そんなこと当たり前。今さら、わざわざ何でそんなことを言っているんだ?」と感じられる方がいらっしゃるかも?

有害かどうかというのは極端なケースをイメージすれば分かります。

温泉でゆったりとしてリラックスしている直後に、「さあ、今から1分後に100m走のスタートです」と言われるようなもの。

逆の言い方をすれば、「100m走のスタートの5分前まで温泉につかってリラックスするのは良いことですか? それとも、悪いことですか?」ということ。

ストレッチも同じ。

スタティック・ストレッチングのことをストレッチと広い意味で呼んでいるのだとしたらですが…

もっている競技の能力、つまりパフォーマンス性の実力の半分も出せないだろうし、できるはずという意識と体の反応の差が大きすぎるため、ケガをする危険性もひじょうにアップするのです。

それも、ケガを防止するという高い効果をもっているスタティック・ストレッチングのお蔭で…

心身、つまり筋肉もそのまわりの体の組織も神経も完全にリラックスして弛(ゆる)んでいる状態のまま、一気に強い力を入れたり、動くということは、筋肉や神経や血管や神経や皮膚までもが伸びている状態のまま、瞬時に、筋肉をほぼ限界まで緊張させて縮めなければならないということ。

できるはずありません。

そう言えば、先日参加させていただいた、コントーション(≒柔軟・バランス芸)の初心者向けセミナーの講師をつとめられた指導者の先生も、セミナー中、何度も繰り返して注意するようおっしゃっていました。

『ストレッチや柔軟(じゅうなん)のトレーニングの後、しばらくの間は筋力トレーニングはしないでください。筋肉が伸びきった状態なのでとても危険ですから』と…

それを聴きながら「ここまで特別な手法で脱力しながらストレッチをつづけたら、その後しばらくは筋肉を強く収縮させればケガは当たり前。100m走の直前に、じっくりとストレッチすることよりもずっと危険だ…」などと考えていました。

でも、そのセミナーの参加者の方々の中には、実感として理解できない方もいらっしゃったのでしょう。

セミナー終了直後に、参加者のうち数名の方が、天井近くに渡してあるウンテイ(モンキー・バー)を使って懸垂(けんすい)を始めたときには、講師の先生、大慌てで制止なさっていらっしゃいました。

たしかに、人さまにお見せするほど体を軟(やわ)らかくする特殊でハードなトレーニングの直後ですから、筋肉は完全に弛んでいたはずだし、また神経もどちらかと言えば副交感神経が主導状態、つまりリラックス状態だったことに間違いはありません。

その体のままでハードな筋力運動をするというのは、大ケガや重大事故を引き起こしかねない危険な行為だということを、指導経験的にもご自身のコントーショニストとしての長年のトレーニング経験からも身にしみてご存知だったのでしょう。

さて、今回で3回目となる記事のタイトルの質問“スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?”という質問への回答となります。

ストレッチがスタティック・ストレッチングのことを意味しており、筋肉や、厳密に言えば、骨以外の皮膚や神経もふくめた軟部組織(なんぶそしき)をすべて伸ばすことができていれば、つまり正しいストレッチ(=伸張;しんちょう)ができるならば、それは有害。

ですが、そのストレッチが、ダイナミック・ストレッチングであったり、バリスティック・ストレッチングであるならば、きわめて有効となる。

色々な理由が考えられますが、ブレーキとなる筋肉をリラックスさせないていどに柔軟(じゅうなん)にするのと同時に、使うべき筋肉を支配している神経の活性化が促進するということがあげられるのではないでしょうか?

結論だけ聴くとひじょうに簡単でシンプルではありますが、この理論的裏付けまで申しあげるとひじょうに複雑になってしまいます。

かといって、一読すると簡単すぎる(?)この結論だけで終えてしまったは、今まで3回にもわたりこの記事にお付き合いいただいた方に申し訳ない。

ということで、次回の最終回では、個々の種類の具体的なストレッチのやり方に付いては直接の指導なしではお伝えすることは無理なのですが、当院の施療や運動指導をお受けいただくスポーツ競技者や様々なジャンルのダンサーの皆さまへとお伝えしている、ウォームアップとクールダウンのストレッチの組み合わせ方とその種類の使い分けに付いて、誤解のないように、できるだけシンプルにお伝えしたい。

競技やパフォーマンス前にどのようなストレッチをしたら競技性やパフォーマンス性を落とすことなく筋肉の柔軟性をあるていどUPすることが可能かどうかという点だけではなく、それ以外のシーンでのストレッチ実施方法に付いてもしゃちほこばらずに説明させていただきたいと考えております。

気楽にもう1回、お付き合いいただければと考えております。

《スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅳにつづきます》

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱはこちらへ

この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ 当院で用いている“関節内部機能回復調整法”と全ての“ストレッチング”はこちらへ

スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅳ(完)

前回、第3回目の記事の最後で、以下のように申しあげました。

《次回の最終回では、個々の種類の具体的なストレッチのやり方に付いては直接の指導なしではお伝えすることは無理なのですが、当院の施療や運動指導をお受けいただくスポーツ競技者や様々なジャンルのダンサーの皆さまへとお伝えしている、ウォームアップとクールダウンのストレッチの組み合わせ方とその種類の使い分けに付いて、誤解のないように、できるだけシンプルにお伝えしたい。

競技やパフォーマンス前にどのようなストレッチをしたら競技性やパフォーマンス性を落とすことなく筋肉の柔軟性をあるていどUPすることが可能かどうかという点だけではなく、それ以外のシーンでのストレッチ実施方法に付いてもしゃちほこばらずに説明させていただきたいと考えております。》

ということで、「具体的にどの筋肉のどこを伸ばしたければ、どことどこに力を入れながら、反対側の逆の働きをする筋肉をどのタイミングで、どのくらいの時間をかけてその動かせる範囲いっぱいに動かす」などということは、個人個人の筋肉の質や状態、そしてご要望によっても異なってくるため申しあげられません。

ですが、安全サイドを広く見積もって、というか失敗する確率をできるだけ低くしてのウォームアップとクールダウンでのストレッチのやり方にかんする考え方をお伝えできればと思います。

まず、昔風に言えば準備運動の柔軟体操ですが、取りあえずというか、初めて試すときには、競技やダンスなどのパフォーマンスの1時間前に、十分に時間をかけてじっくりと行うスタティック・ストレッチングを終えるようにします。

そのときは完全に弛(ゆる)めてしまってだいじょうぶです。

そして、慣れるまではというか、「どのようなエクササイズや動きにより、リラックスしている神経を活性化するか(?)決められるようになるまでは、30分前からゆっくりと体を動かし始めてはいかがでしょう」。

30分ぐらい前から、少しづつ神経を刺激するとどうじに、筋肉を完全にではなく、ある程度だけ弛んだ状態にします。

15分くらい前になったら、神経をもっと活性化して、動こうと思ったらできるだけ素早く動けるような状態を作り出すのです。

たとえば、一般の方でもハムストという俗称(?)を耳にする方が多くなってきた、太ももの裏側の脚の付け根から膝の裏側の下まで走っている4つ、または3つの筋肉をやわらかい状態で有効に使いたいと考えているケースを見てみましょう。

この例、《脚をできるだけ高く前へと一気に振り上げたい》ときなどには、実際に使えます。

足を突然、頭より高く振り上げてもバランスをくずさず、もちろん倒れないように踊りたいとか、空手の試合で踵(かかと)落としをきめたいなどという場合をイメージしていただければと思います。

1時間前までに、こんな感じのストレッチをしておきます。

1.伸ばしたい脚(あし)、つまり一気に振り上げたい脚を前に伸ばして床に座り、反対の脚はあぐらのように曲げる。

2.姿勢を正して骨盤(こつばん:お尻の骨)から上半身の頭のてっぺんまでが天井から引き上げられているイメージでまっすぐにする。

3.そのままの真っ直ぐな状態をキープしながら、両脚の付け根から体が折れるように意識して、骨盤から頭までを一枚の板のように前へと傾けて倒す。

4.力を抜いたままでいられるところまで倒したら、そのまま30秒から40秒姿勢をキープする。

5.ゆっくりとスタートの姿勢である2に戻る。一気に力を入れて元の姿勢に戻ると反射で筋肉がかえって縮んでしまう可能性もあるので注意してください。

30分くらい前になったら、今度は立って行います。バランスが取りにくいばあいには、片手を壁などにあてるなどしてバランスをキープしておこないます。

1.伸ばしたい脚の膝を無理のない高さまで余裕があるレベルまでゆっくりと上げる。このとき膝からつま先までは力を抜いた状態でだらっと床に垂れ下がっています。

2.太ももが床と90度ぐらいになったら、休まずに今度は膝から下も動かし始める。つまり膝も伸ばしていく。

3.膝が伸びきっても、まだ太ももの裏側に伸びる余裕があれば、脚をゆっくりと上げつづけていく。

4.限界まできたら、力を抜いて一気に落とすのではなく、最低限の力だけを使ってブレーキをかけながらゆっくりと脚を元のいちへと戻していく。

5.これを片道3秒から5秒かけて5往復を目安に行う。

6.ポイントは1と2と3で太ももの前の部分の筋肉が縮んでいくのを意識して感じながら、その筋肉を自分の意思で縮めることで脚を前に上げていくことです。

これも立派な(?)ストレッチで、ダイナミック・ストレッチングと呼ばれるもの。

変な言い方になりますが、やり方に慣れていれば、「適度に、そして適切に効く便利なストレッチ」です。

15分ほど前になったら、一見すると他の人からはやる気が無いような動きに見える動きをします。

1.先ほどと同じ動きを今度は壁などに手を付かずに体でバランスをとりながら、行います。

2.今度は軽く反動を付けながら、もちろん脱力をしながら、動く範囲をすこしだけ越えるていどに行います。

3.上の2つのストレッチが正しくできていれば、動かしている間に引っかかりは感じずに、筋肉や皮膚などの伸び感と少しの気持ち良さまで感じられるはず。

バリスティック・ストレッチングという名前のストレッチです。

直前になったら、実際に競技やパフォーマンスで行う動きのポイントの部分を、本番とまったく同じ強度で行います。

つまり、実際の踊りでの脚上げや試合での踵(かかと)落としを同じ条件で行うということ。

陸上の100m走の直前に、全員がスタート練習をしているのを思い出していただければ分かりやすいのではないでしょうか。

一応、1時間前、30分前、15分前、直前と4回に区切って、

スタティック・ストレッチング

↓↓↓↓

ダイナミック・ストレッチング

↓↓↓↓

バリスティック・ストレッチング

↓↓↓↓

競技やパフォーマンスと同じ条件での動作練習を数回

と、分かりやすくお伝えしましたが、実際に何分前から開始し、どのくらいのレベルまでやわらかくしたり、神経の指令の伝達スピードを高めるのかは、なんども試されて、ご自身にとって最適な時間と回数とやり方を見つけていただければと思います。

これでウォームアップのやり方は完了し、競技後やパフォーマンスの後のクールダウンを見ていきましょう。

といっても、これはとっても簡単。

疲労感を強く感じていたり、筋肉に負荷がかかりすぎて硬(かた)くなっていたり、もしかしたら攣(つ)る一歩手前の状態になっていたり、あるいは力を抜こうとしても筋肉の一部だけが脱力できなくなっているかもしれません。

そのような、ある意味、異変が生じた筋肉を点、あるいはゾーンでスタティック・ストレッチングによってしっかりと元の状態にまで伸ばしてあげるだけ。

もしまだ慣れていなくて、筋肉の実際に問題が起きた部分を点やゾーンで感じることができなければ、問題の筋肉全体を時間をかけて伸ばしていきます。

ひとつの筋肉の中で、問題の起きなかった部分、ただ少しだけ疲れてしまった部分はしっかりと伸びて気持ち良さを感じるようになりますが、問題が残っている部分に痛さや硬(かた)さや疲れ等々を感じられるはずです。

そうなったら、その部位を狭い範囲で伸ばしてけば良いということになります。

筋肉のひとつひとつや、またひとつの筋肉の中で骨に付いている部分寄りのヶ所を狙って正確に伸ばす方法は、専門家の指導を受けていただくのが近道ではないかと思います。

やはり、少人数のセミナーや個人指導を受けられるのがマスターへの近道ではないでしょうか。

また、どうしても力を抜こうとしても抜けないとか、無意識のうちにとくていのヶ所にだけいつも力が入りっぱなしという方は、当院の施療や個人指導をお受けになるか、当院で不定期に開催いたしております逆さエクサ入門セミナーにご参加いただけますよう、自信をもっておすすめ申しあげます。

→ お問合せやご予約はこちらへ

4回に渡って今回の記事にお付き合いいただいた皆さま、ほんとうにありがとうございました。

皆さまに興味をおもちいただける記事を記していきたいと考えております。

またのお付き合い、お待ち申しあげております。

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅲはこちらへ

この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ 当院で用いている“関節内部機能回復調整法”と全ての“ストレッチング”はこちらへ

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お体がかたいとお悩みの皆さまやお体のやわらかさが左右・上下でアンバランスな皆さまへ:

「体が硬(かた)いのでやわらかくなりたい」、あるいは「体を軟(やわ)らかくして欲しい」とおっしゃって当院の施療やストレッチ指導をお受けいただいた皆さまのうち、おひとりとしてお体が硬(かた)い方はいらっしゃいませんでした。

もちろん、ケガをなさっていらっしゃったり、手術を受けられ術後に硬くなってしまったという場合には、驚かれるほどの柔軟性を得ていただくことは不可能です。

それでも、リハビリをしっかりとなさらなかった場合に限っては、ご満足いただけるレベルまでの回復は可能でした。

当院でご指導申しあげるストレッチを毎日、プロの競技者やパフォーマーの方は1日に2回ほど、短時間でも構いませんのでお続けいただけるならば、必ずご満足いただける結果を出せると経験上、自信をもって申しあげられます。

ぜひとも、一度当院の関節内部の骨の動きから根本解決することで筋肉の柔軟性(じゅうなんせい)を得られやすくすることから始める2時間のストレッチ指導や運動指導コースをお試しくださるようおすすめ申しあげます

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また、左右、あるいは上半身と下半身でやわらかさが全く違っているとお困りの方がいらっしゃいましたら、早めに当院の施療とストレッチの組み合わせたコースをお受けいただくことをおすすめいたします。

ご自身の努力だけでは解決できぬため、日々、真摯に行っていらっしゃるセルフケアやストレッチ、そしてエクササイズのご努力が無駄になってしまっている可能性が高いかもしれません。

どこだけをストレッチし、どこだけをエクササイズでトレーニングし、そしてどこのストレッチとトレーニングはしばらく中止というプログラムを一定期間つづけることが、ご努力を無にせぬための近道となります。

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わかりやすい腰痛ブログ−1:開始のお知らせ

「火水流整体術院のブログの記事は、実際に連続して痛い腰痛で苦しんでいる最中(さなか)ならば参考になるけれど、ときどき出てくる軽い腰痛の人たちにはマニアック(≒専門的)すぎる。もう少し、趣味でスポーツでダンスをしていてもなってしまうレベルの軽度の腰痛やあるていどの年齢以上になると出てくるふつうの腰痛持ちの人たちに向けた、もっと一般的な内容の記事を書いた方が良いのでは?」というアドバイスをいただきました。

もっとも、このコメントをくださったお客さまは数十年間にわたり、ぎっくり腰を繰り返し、時々腰が痛くなったり、軽くなったりを繰り返した結果、とうとうあるときのぎっくり腰からまったく回復できない状態におちいってしまわれた男性。

ちょうど、小学校5年の柔道開始後半年後から腰が痛くなり、専門家から様々な施術を受けたり、専門的ないろいろなタイプのセルフケア(=自己施療)を続けた後、40代になり回復不能の腰痛となった私と重なる経験をお持ちの方でした。

そのお客さまは、まだご自身の腰痛が軽いもので「今になって考えれば、一生、うまくごまかして生活していける」と考えていたレベルの痛みの悪化や軽減の繰り返しだった頃に、初めて当院の腰痛にかんするブログをお読みいただいたとのこと。

「へえ、なるほどね、そんな原因があるんだ。でも、あちらこちら行ってもその場だけ良くなるだけだし、火水流整体術院もおなじだろう。わざわざ連絡を取って施療を受けるのは面倒くさい」と考えられたそう。

でも、何となく細かく書かれている記事の内容が気になったのでブックマークし、2週間に一度はコンスタントに読み続けていただいた。

そして、その1年後に人生最悪最凶(?)の回復不能なぎっくり腰にやられたとのことでした。

当院のブログというか記事の読者の方々は、ブックマークでお読みいただいている方が半分以上もいらっしゃるので、その皆さま方、つまり“コントロールが可能で悪化することがないはずの軽いものと思っていらっしゃるが、数年というスパンで考えるとほぼ確実に、ひどい腰痛になってしまう腰痛をお持ちの方々”の手助けになるような記事を記したいと考えるにいたった次第。

このシリーズでは、専門的な内容がなくて、わかりやすく、短く、気楽に読み飛ばしていただけるような記事を書かせていただくことにいたします。

今までどおりに、様々なテーマの記事も記させていただきますので、この“わかりやすい腰痛ブログ”シリーズは不定期の公開となりますが、お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。

《“わかりやすい腰痛ブログ−2:体重と腰痛は無関係?”へつづきます》

→ 酷い腰痛や長年続いている腰痛でお困りの皆さまの施療のご予約やお問い合わせはこちらへ

→ 他のテーマのブログが盛りだくさん “健康情報満載⇒火水流整体術院ブログの目次はこちらへ”

腰痛ブログ−2:体重と腰痛は無関係?

ものごころ付いた頃からすでに太っていた私の体験談からお付き合いください。

中学校ぐらいから、10年ほど前まで、散々言われ続けてきました。

「太っているから腰が痛くなるんだ。痩せる努力をするのが先決だ」と…

今この記事にお付き合いいただいている皆さまの中にも、実際は太ってなくて少しだけ標準体重をオーバーしている健康体の方なのに、こんなある意味“無責任”な言葉を投げかけられた経験をお持ちの方はいらっしゃるのでは?

ずっと太ったままの人生を送ってきた私ですが、それでも数ヶ月から半年という一時的なダイエットによる減量に成功した(!?)こと、数回ぐらいはあるのです。

でも、その時でも腰痛が改善するどころか、軽くなったなどということは一度もありません。

落ち着いて考えてみれば、すぐにわかる話なのです。

標準体型の方や痩(や)せ型の方に腰痛持ちがいらっしゃらないというのは真っ赤なウソ。

皆さまのまわりにも、痩せているのに腰が痛いとおっしゃる方がいらっしゃるはずです。

当院の腰痛でお困りのお客さまも、少なくみつもったところで、半分以上の皆さまが標準体型か痩せ型でいらっしゃる。

もちろん、その腰痛が出ている腰の位置や原因、そしてどのような動き方をすると痛みが増すか等々はまったく違っています。

でも、ほとんどの方に共通なのは、痛いとおっしゃる腰やお尻や太ももや腰の骨の横の部分とその原因と思われる部分、またはそれらをふくむ広い範囲が硬(かた)くなってしまっていたということ。

表面がやわらくても奥が硬ければと言いたいところですが、実際に強い痛みが出ているときには鋭い痛みの原因である奥の筋肉の上にある表面の筋肉もカチンカチン。

硬くなっている部分を当院の三種類の異なる施療技術をもちいてやわらかくさせていただくと、たちまち痛みが改善してしまいます。

症状によっては、その改善した状態を維持するために、ご自身で行っていただく特殊だけれども簡単なストレッチやエクササイズをしばらくの間つづけていただく必要はありますが…

でも、ついさっきまでは痛くて我慢できなかった、寝方や座り方、あるいは立ち方でも痛みは感じなくなっている。

一瞬にして体重を減らして差し上げたわけではありません。

当たり前ですが…

一部分が硬(かた)くなりすぎているために近くの部分を強く引っ張ったり、重心のバランスをくずしていたり、神経にほんの少しだけ影響を与えていたり、などなど様々な悪さの原因であった、筋肉をやわらかくというか元々のやわらかさの状態へと戻して差し上げただけ。

当院はお客さまのご自宅へとうかがう出張施療が原則ですので、ご家族の皆さまが施療をごらんになられていらっしゃることが多くございます。

最初不安そうに見守っていらっしゃったご家族から、異口同音にいただくコメントで多いのは、「今立てるようになったのを見ていると、昔よりも姿勢が良くなっている」という趣旨のお言葉。

話がずれますが、ちなみに、ご本人が姿勢の変化に気付かれるのは、その姿勢が日常生活で定着してからになります。

お客さま方のお話からだけではなく、個人的な体験から申しあげても、太っているから腰痛になるということはないと断言させていただける。

ただ、同じように腰のある部分に体重がかかりすぎるという同じ悪い姿勢の方が2名いらっしゃり、お一人が痩せていて、もうお一人が太っていらっしゃるとしたら、太っていらっしゃる方の腰痛の方がひどいとは言えます。

この“わかりやすい腰痛ブログ”では重箱の隅をつつく的なお話はさけておりますが、一応ひとつだけ付け加えさせてください。

それは、ここで太っているとか痩せているというような言い方をしてまいりましたが、これはお体に脂肪が付いていて肥満しているという意味だけではありません。

たとえ、体脂肪率が20%未満の男性で筋肉で体重が多いスポーツの競技者の方であっても、姿勢が悪くて腰の一部に体重がのり過ぎたり、腰痛と関係の深い筋肉に力を入れつづけるような癖につながる姿勢をとりつづけていらっしゃれば、腰痛の犠牲者になってしまうのです。

でも、体重自体が原因ではない。

大雑把な言い方を許していただけるならば、腰に負担がかかる姿勢を取り続ける癖が原因となることが多いのです。

次回は、腰痛の原因でとても多い、腰のある部分の動きに付いてお話できたらと考えております。

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わかりやすい腰痛ブログ−3:腰を前に曲げると痛い? それとも後に反ると痛い?

前回“腰痛ブログ−2:体重と腰痛は無関係?”の最後に《大雑把な言い方を許していただけるならば、腰に負担がかかる姿勢を取り続ける癖が原因となることが多いのです。次回は、腰痛の原因でとても多い、腰のある部分の動きに付いてお話できたらと考えております》と申しあげました。

記事が長すぎて冗長というか、長ったらしくなるので今回へと先送りさせていただいた次第です。

引き続きお付き合いくださった皆さま、ありがとうございます!

腰が痛いとおっしゃるお客さまの中で、たまにいらっしゃるのが《お尻の一番下から太ももの裏の付け根近くが引きちぎられるように痛くて、体を前に曲げると膝が自然に曲がってしまう》方。

《体を後に反らすと背骨の腰の部分の一番下の骨、つまり背骨の一番下とお尻の奥にある骨盤(こつばん)のつなぎ目の関節の右か左の骨のすぐ横がズキーンと鋭く痛い》という逆(?)の症状を訴えられる方もいらっしゃいます。

どちらも原因はおなじと聞いたら、信じられないかもしれません。


でも、どちらも問題も
原因は骨盤(こつばん:お尻の奥にあって横に張り出していて触れる骨)の動きの悪さにあるとしたらどうでしょう?

骨盤の動きは前へと倒れる・後へと倒れる・左右横へとかたむく・左右横へとひねられるの6つがあります。

今回注目するのは、骨盤の上のウエストに近い部分が前に倒れる前傾(ぜんけい)と、逆に骨盤の上のウエストに近い部分が後に倒れる後傾(こうけい)という2つの動作です。

骨盤前傾&後傾.jpg

前傾と後傾なんてむずかしいと思った方、安心してください。

この2つの点さえわかれば、骨盤の前傾と後傾はとっても簡単。


最初は、骨盤の真横、ウエストのすぐ下にある、骨盤の骨の一番高いところ。

前の方に指で骨をたどっても、後ろにたどっても下の方に斜めに下がってしまう一番高い点を見つけます。

骨盤と大転子の探し方.jpg

早ければ、2〜3秒で、時間がかかっても1分もあれば発見できます。

もうひとつは太ももの付け根あたりの真横に出っ張っている骨の一番盛り上がっている部分。

見つけにくい方は、太ももの付け根の横あたりを指先でさわったままで膝を上げてみましょう。

(あし)の付け根には、上下に動かずにその場で回るように感じられる丸い骨があるはず。

その骨の頂点と腰の骨の一番高い点の間に、お尻の幅(はば)の板があるとイメージしてみましょう。

体を前に折り曲げて倒す前屈(ぜんくつ)と呼ばれる動作では骨盤が前に傾かないとダメ

反対に、後屈(こうくつ)という体を後ろに反(そ)らす動作では骨盤が後ろに傾くのが正しい自然な動きなのです。

ところが、事故や怪我や手術の後遺症、特殊な競技や運動やパフォーマンスの真面目な(?)練習の積み重ね、ふだんの姿勢の悪い癖、加齢(かれい:エイジング)等など、何らかの原因で、骨盤を前に傾けたり、後ろに傾ける筋肉がこり固まってしまっているケースが多くあります。

本人が気付いていないケースがほとんど。

後屈.jpg

体を後ろに反るときに骨盤を後ろに倒すどころか、骨盤が真っ直ぐに立ったままだったり、特殊なパフォーマンスや踊りの方々は前に倒れたままだったりします。

とうぜん、背骨の腰の部分の骨と骨盤のつなぎめに負担が集中し、体重がかかりすぎてしまいます。

また、骨盤がまっすぐに立ったまま、あるいは後ろに倒れたままで体を前に曲げることで、腰の筋肉が必要以上に強い力で引っ張られすぎてしまい、「せっかくストレッチしたら、よけいに腰が痛くなった。私にはストレッチは向いてない…」ということに。

前屈.jpg

体を前に曲げるときには骨盤を前に倒し、後ろに

(そ)るときにはしっかりと骨盤を後ろに倒すことがポイント!

まずは、皆さまのなさっていらっしゃる運動やスポーツや踊りなどの中で体を前後に曲げる動作が出てきたら、いっしょに骨盤を一枚の板のように意識して前後に動かすように意識なさってみてはいかがでしょうか?

お一人お一人でその差はあるはずですが、今までよりも体を前に曲げられたり、あるいは後ろに反れるようになるはずです。

もし、そのときに痛みを感じられたり、うまくいかない場合には、火水流整体術院でも、あるいはお近くの信頼できる専門家にご相談なさるようおすすめ申し上げます。

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わかりやすい腰痛ブログ−4:腰は捻(ひね)れないし、捻(ねじ)れない

記事のサブタイトルをご覧になって驚かれた方がいらっしゃるかもしれません。

《腰はひねれないし、ねじれない》と断言しているのですから。

“腰をひねる”という表現はふつうに使われていますし、また日常生活や趣味のスポーツで“腰をひねっている”、そして“腰をひねるのは重要なことである”と信じ込んでいらっしゃる方が多いことも事実。

でも、立った状態で体をひねる、またはねじることができるのは腰椎(ようつい)と呼ばれる、骨盤と胸の骨の間にある5つの腰の骨、その6つの関節というつなぎ目がひねられたり、ねじられたりしているわけではありません。

個人的にも、「腰を入れろ!」とか「腰をひねるのがコツだ」、あるいは「すべての力は体の中心である腰から出せ」などと運動や武道の中で指導されることが多かった記憶があります。

このような指導のおかげで、私たちはみんな、誤解してしまうのかもしれません。

イメージしやすく、即効性のある良い指導方法だとは思いますが…

でも、今になって考えてみれば、「腰をぶれないように安定させ、なおかつ、常にそのことを意識しておけ」という意味で解釈しておくべきだったのではないかとも解釈できます。

専門的なデータにはなりますが、下の表は、背骨を背骨の首、胸、腰の3つの部分とお尻と太ももの間にある、脚(あし)の付け根の関節である股関節(こかんせつ)の合計4つの関節がどのくらいねじれる、つまりひねることができるかを角度で示したもの。

場所   ひねれる角度
首の骨全体 50度
胸の骨全体 35度
腰の骨全体 5度
(あし)の付け根の関節 90度(内ひねりと外ひねりの合計)

わかるのは、骨盤を前に向けたままで上半身を思い切りひねると90度、つまり真横が見えて、上半身と骨盤までをいっしょにひねると斜め後までもが見えるということ。

単純計算で135度ひねれるのです(=50度+35度+5度+90/2度=135度)。

ふつう「腰をひねれ!」と言われたとき、顔は前を向いたままなので135度まではひねれませんが、体をそうとうひねっているという実感はあるはず。

でも、実際に腰の部分でひねっているのは、わずか5度。

アナログのそれも壁にかかった古い大きな時計の文字盤をイメージしてみましょう。

円1周は180度でした。

時計の秒針の目盛りは60秒なので60に分かれています。

ということは、360度÷60秒=1秒=6度となります。

数学的には、間違った式ですが、どうでしょう?

これから分かるのは、腰の骨がねじれる限界の5度の大きさは、時計の目盛りの1秒分にも満たないということ。

つまり、ほとんどひねれないのです。

そして、一番ひねれるのが股関節

股関節のひねりは日本人の場合、女性は内側に、男性は外側にひねるのが得意であることが多いですが、内ひねりと外ひねりの両方を合せて90度ひねれると言われています。

さあ、どんな感想をおもちになられましたか?

脊椎椎間関節と股関節の回旋比較写真.jpg

写真の左端はただ立っているだけですが、その右隣りの写真では、これでも腰の5つの骨だけを使って体を左にひねっているのです。

もちろん、実際に腰の骨をひねった私自身が今見ても、写真だけでは理解できないというか、ひねっているようには見えません。

逆に、では《なぜ、腰がひねれているか勘違いできるかというと、腰の上下の部分である、胸の部分の背骨である胸椎(きょうつい)と太ももとお尻の間にある脚(あし)の付け根の関節である股関節(こかんせつ)がひねられているから》なのです。

ひとことで言ってしまえば、『見た目では腰がひねられている、正確にはお尻の骨である骨盤(こつばん)が左右に回って見えるのは、腰の骨のおかげではなく、その上下にある関節たち、背骨の胸の部分と股関節がひねれてくれているおかげだった』というわけ。

だから、《腰をひねれと言われたら、腰をひねらずに、腰を安定させてなるべくに動かさずに、胸の部分の背骨と脚の付け根の股関節(こかんせつ)をねじろうと努力すればOK》ということになります。

写真に戻りましょう。

左から3番目、ちょうど真ん中の写真は、背骨の首の部分の骨(=実際に首の骨です)と胸の部分の骨(=肋骨:ろっこつが付いている部分)の2つの広い部分をつかって体を左にひねっています。

そのまた右隣り、右からですと2番目では、脚の付け根の関節である股関節(こかんせつ)も使っていますが、右足が床に付いているのでブレーキになり左にめいっぱいひねることができてはいません。

そこで、一番右端の写真では、左足をつま先立ちにすることで、左の股関節の動く範囲を最大に活用したというわけです。

いかがだったでしょうか?

専門家の施療を受けて腰や骨盤の痛みが消えたり、状態が完全に改善してまったく問題が無くなったのに、1週間から長くても1ヶ月ももたないでまた除々に痛くなってしまう、あるいは動く範囲がせまくなってしまったり、動かしにくく戻ってしまうという方は、《胸の部分の背骨のひねりやお尻と太ももの間の関節の動く範囲が小さくなりすぎたために、元々はひねるのが苦手な腰の部分が自分の能力を越えて頑張ってひねりつづけた結果出てしまった腰の痛み》で困っていらっしゃるのかも知れません。

いちど、ご自身で胸の後の背骨と脚の付け根の2ヶ所を意識しながら、お体をひねってチェックなさってみてはいかがでしょう?

今回お話させていただいたことをまとめると、「背骨には24個の骨があるので、25個の関節があるということになり、背骨全体ではすごくひねれているように思えるのですが、実態は上で紹介した表の通り。大きくひねれる脚の付け根の関節や胸の部分の関節のような部分もあれば、ほとんどひねることができない腰の部分の骨の関節のようものもある」ということになります。

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わかりやすい腰痛ブログ−5:《ゴリラ歩き》でも腰は痛くない?

“腰痛ブログ−3:腰を前に曲げると痛い? それとも後に反ると痛い?”の中で、《体を後に反らすと背骨の腰の部分の一番下の骨、つまり背骨の一番下とお尻の奥にある骨盤(こつばん)のつなぎ目の関節の右か左の骨のすぐ横がズキーンと鋭く痛い》という方がいらっしゃると申しあげました。

この中の「《右か左》という部分が気になったが、両方が痛いというケースはないのか? 私は痛いのだが…」、あるいは「昔は、一方の側の方が反対側よりもずっと痛かったが、そのうち両方が痛くなって今にいたる」といった内容のご質問が数人の方々から届きました。

このテーマは重要なことなのですが、その先が少し複雑だったこともあり、話の混乱を避け、あえて触れずに終えてしまったのです。

今回は、両方が痛いまま放っておくと、あるいは専門家からその場の痛みだけを解消してもらった場合、腰痛がどういう経路をたどっていくかお話させていただきます。

キーワードは、《ゴリラ歩き》!?

今回も専門用語無しで施療で効果を得た経験をベースにいたしております。

安心してお付き合いください。

ひとつは、適切な根本解決までみすえた施療を受けた場合。

当院の施療例で申しあげるならば、《片側ではなく両側が同じ強さで痛いとおっしゃる方のほとんどはその部分の感覚が少し鈍くなっていらっしゃるだけで、感覚が戻るとたちまちどちらか一方だけ、あるいはそちら側の方がずっと痛いとおっしゃるように》なります。

適切な専門家や当院、火水流整体術院の施療をお受けいただいたばあいには、《片側だけが痛くなったり、痛みが集中した場合、あるいは左右差や上下差が強くなったケースでは、基本的に悪い方だけへの施療を1回から数回お受けいただいてから、特殊なストレッチやエクササイズをご自身で行っていただくことで、お体のバランスまでをも回復》していただき、完全改善とどうじに再発防止も完璧な状態となる。

もうひとつは、その痛みの解消や改善だけの施療を受けられ痛みが軽減したからと満足する。

あるいは、専門家の施療は受けずに、精神力、いわゆる気力や気合や根性(死語?)で我慢しつづける

つまり、そのままお体のアンバランスな状態や、痛みさえをも放置しておいた場合。

悪化するどころか、良くなったと錯覚させられるような経過をたどることが多くあるのです。

じつはこれが大問題。

腰の部分やお尻の部分の感覚は、じょじょにではありますが、より鈍(にぶ)くなり、とうとう腰痛が治ったと思い込んでしまうほど痛みを感じなくなることが多々あります。

ゴリラ歩き.jpg

その頃になってくると、ご家族や会社の同僚、友人・知人など身近な方々から「歩き方が何となく変だ」とか「ゴリラみたいに歩いている」と思われる始めるようです。

でも、ご本人にはまったく気にならない。

等身大の鏡に自分自身をうつしてじっくりと体を観察する機会もなければ、ショーウインドーにうつっている自分の歩く様子を首と体を横にひねって見続けるなどということはしないから。

このゴリラ歩きが習慣(?)となる方の大部分である男性で、ご自身の全身を鏡にうつしてじっくりと見たり、ショーウインドーで歩く姿勢を観察する方はいらっしゃらないでしょう。

何よりも、痛みを感じなくなっているうえ、長年の腰痛が完治したと思い込んでいるのですから、腰の様子や、まして姿勢など気にするはずがありません。

まわりの人たちだって、ほとんどの方はすぐにその歩き方を見るのに慣れてしまい、ある種の個性と思い込んでしまうのか、何も言ってくれないというのが一般的なパターン。

《ゴリラ歩き!?》になる原因はシンプルでわかりやすいのです。

姿勢を正しくまっすぐにして大またでゆったりと、つまり歩幅(ほはば)を大きくというか、正しい歩き方をすると、足が前後するたびに骨盤も左右の部分が前と後ろの逆方向へと回りながら動く。

お尻と腰が強制的に動かされてしまうのです。

動かすと痛みが生じるので、無意識のうちにこの2つの広い部分へと刺激を与えたくないと感じる。

結果、お尻と腰を動かさないゴリラ歩きになってしまったというわけ。

動かさないでいれば、そのときは良くても、その部分の硬(かた)さはどんどんと増し、よりいっそう硬くなってしまいます。

広い範囲で硬くなったままの筋肉たちは、筋肉や細胞のライフラインと言っても過言ではない血管やリンパ管を圧迫することで疲労物質がたまったままにする。

つまり、新しい酸素も栄養もその部分に届かないように管に渋滞を引き起こしてしまうのです。

どうじに、間接的に神経を圧迫してもっとひどい腰痛を引き起こす…

その頃になると、完治したはずでも実際には息をひそめて隠れていた痛みはその度合いをアップして襲いかかってくることになります。

私の場合は、信じられないほどの常に感じる痛みと、正直に申し上げれば、数回に渡って自らの命を断ちたくなったほどの、鋭く長い刃物を刺し込まれ続けるような痛み、そして右脚の麻痺(まひ)による転倒

最近では有名になってきた、100mも歩かないうちに足が前にでなくなってしまうが、でも腰を丸めて座っていると、ほんの5分ていどでまた歩けるようになるという間欠跛行(かんけつはこう)など最初の頃が当たり前にでていました。

個人的体験談は他の記事に詳しいので、ここでは割愛いたしますが、ゴリラ歩きが数年続いた後に起きた結果は、思い出したくもないほど悲惨をきわめたものだったのです。

《ゴリラ歩き》をご家族やご友人・知人から指摘されたことがある方、そして腰を反(そ)らせて少し前かがみでがにまたで歩いているとご自身で気付いていらっしゃる方。

とくに、以前腰が痛かったのに最近は痛くなくなってきた気がする方は、できるだけ早く当院か専門家にご相談なさるようおすすめ申しあげます。

腰痛か腰痛予備軍:やくざ組みとガニマタだらっと座り.jpg

また、偉そうにするつもりはないのに、気が付くと電車やバスの中で、大またを開いて大きく脚(あし)を組んでいるとか、座席に寄りかかるように背中を丸めて両脚をガニマタに開いてだらっと座っているとお感じの方も間違いなく腰痛の予備軍。

火水流整体術院、またはお近くの専門家にご相談いただければと思います。

当院では、ご本人以外、ご家族からのご相談もお受けいたしております。

《“腰痛ブログ−6:腰痛改善の優先順序−痛みが先か原因が先か?”へつづきます》

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“股割り”って…:最初、どこを割るの? 曲げるの? それとも?

最近になって再び、股割り指導のご依頼を受けることが多くなってまいりました。

今までのところ、「どこを伸ばしましょう!」や「どういう順序で練習しましょう!」、あるいは「このラインを意識して行うと正しくできる」などといった、股割りの具体的な練習方法に付いては、数回にわたり細かく当サイトにアップいたしております。

長く細かすぎる(?)記事にもかかわらず、ひじょうに多くのアクセスをいただき、実際にそのやり方や重要な注意点を守りながら股割りをやってくださった皆さまが多くいらっしゃる。

代表的なものをと言われれば、“股割りをしよう!”になりますが、ほかにも上体の前方への倒し方の順序をお伝えした“股割りって人気があるのですね!?”など毎日多くのアクセス数をいただいている記事においても、細かいコツをわかりやすく公開してまいりました。

今回は具体的な練習方法ではなく、股割り指導コースを受けられた方々のうち9割以上の方々が驚かれた原因である、股割りを練習開始にあたり、第一段階の最重要点をご紹介申しあげます。

「ええ、イメージ、違ったな… 曲げるんでも、倒すんでもないんですね…(絶句!?)」というリアクションがほとんど。

おひとりで真面目に、コツコツと地道に、それもある程度の期間にわたり努力をつづけてこられた方ほど納得していただけるはず。

ここで申しあげている、“第一段階”や“最初のレベル”というのは、院長の過去の個人的な股割り体験と数多くの《股割りの施療・指導体験》を通じて最重要点と考えるにいたったという意味のものであり、あくまでも個人的な見解であることをお断り申しあげておきます。

しつこいですが、現在、あるいは過去に股割りで頑張られた経験のある方ほど、そしてご自身の努力の結果に納得がいかなかった方ほど、「なるほど!」と体験を思い出しながらよろこんでいただけるのではないかと思います。

それは、『両脚の付け根の関節である股関節(こかんせつ)を捻(ひね・ねじ)る』こと。

シンプルすぎますか?

でも、これだけなのです。

火水流整体術院の股割り指導の第一段階では、「お体に問題が無ければ、《脚を伸ばした状態で、できるだけ大きく脚を開く》ために関節内部機能回復調整法を用いて関節の内部の骨の動きを改善したり、太ももの内側の筋肉を脊髄反射療法(せきずいはんしゃりょうほう)様々な種類のストレッチを筋肉やメンタル面の状況に最適な手法を選び、それを使って伸ばすことはいたしません」。

また、上体を十分に開いた両脚の間に倒す段階で必要になってくる、太ももの裏側の膝を伸ばしたり、太ももを後に引っ張る筋肉を伸ばすこともしないのです。

これらはすべてが第二段階以降に、おひとりおひとりのお客さまのお体の状態に応じてご指導申しあげることだから。

第一段階では、『とにかく、両脚の付け根が内側と外側(脚を大きく開いていれば前後)に回る(=捻れる:ひねれる・ねじれる)ように意識していただくようなエクササイズ』を行っていただく。

脚の付け根、つまり股関節(こかんせつ)の外回りと内回りが体の感覚として意識してできるようになれば、今度は股関節以外の部分の動きを意識して感じながら、同じことを行っていただく。

これにより、意識しなくても股関節が自然に回るようにしていただけるのです。

皆さん驚かれる理由は、ここにあります。

「股割りは体を前に曲げるのではない。また最初の最初にいくら上半身をまっすぐにして前に倒したところで曲がってしまう。真っ直ぐにキープした上体を、いっさい曲げずに両脚の付け根である股関節、わかりやすく言えば“コマネチライン(!?)”から前に倒すには、前後への動きの中で股関節が外側や内側に、見方によっては前や後に動くようにすれば良い」

と実感していただけるからなのです。

たとえ間違ったやり方であったとしても、今までにご自身で苦労なさりながら股割りの練習を頑張っていらっしゃった方ほど、お体でというか感覚的に理解していただける。

ほんの数回、正しい動きに誘導するだけでたちまち行っていただけるようになるのです。

この体と頭での理解こそが、『当院の股割りの施療・指導を受けられたお客さまのうち、半分ていどの方々がわずか1回2時間強にすぎない股割りの《施療・指導》だけで満足なさり、その後はご自身ひとりで股割りの練習をつづけられる理由なのだ』と拝察申しあげております。

また、股割りの《施療・指導》を合計で4〜5回定期的に受けられた残りの半分の方々には、個人個人でさまざまな理由をお持ちだったようです。

一例をご紹介するならば、

・『仕事が忙しくてついサボってしまうため特定の部位の力が抜けなくなってしまう。だから脊髄反射療法(せきずいはんしゃりょうほう)を受け続けたい』

・『1回目の最後に第2レベルから最終レベルまでの重要ポイントを実際にデモンストレーションで見本を示しながら教えてもらったが、関節や筋肉を傷めたくないので念のために月1回ていどで4回お願いした』

・『前のレベルの正しい姿勢や動きができないうちに、ていねいに教えてはもらったがそれ以降のレベルの重要ポイントが頭では分っても体で実行できなかったので』

・『股割りに使うと便利な安い器具を教えていただきすべて使っているが、鏡に写した自分を見ながらやると姿勢が崩れてしまうし、それを無意識に体を捻って誤魔化してしまい、家族にはそこまでは分らないから修正してもらいたくて』

・『左右の股関節の捻れるていどに差がありすぎ、せっかく初回に3種類(だったと思います)の施療技術で動きと左右バランスを調整してもらったのに5日ぐらいサボったらまたバランスが崩れてしまったから』

等々

でも、一番多かった理由は、

『口答とデモでのかんたんな説明だけではなく、他のいくつかの重要な股割りポイントに付いても初回同様にひとつひとつ、細かく丁寧な指導を受けたかったので』

というご意見でした。

当院では、腰痛と肩こりの施療においては、初回終了時に、「後、何回(1〜5回が90%以上)施療を受けられることをおすすめします。理由は、こうこうです」とはっきりと申しあげております。

もちろん、諸事情によりそれができないお客さまには、ベストではなくとも、ベターな方法を一緒に考えてお客さまに決定していただいております。

とくに痛みや動作困難がある場合には申しあげるのが施療者としての義務であると考えておりますが、股割り指導やパフォーマンス(ダンス、踊り、新体操、コントーション、打撃系武道、競技スポーツ等々)時の柔軟性向上のための《施療・指導》においては、ご質問をいただかない限りは次回のご予約はいただいておりませんし、おすすめいたしておりません。

それは、ご自身のペースでご自身の目標を達成していただければ良いからです。そのため、ほとんどのプロのダンサーやコントーショニスト(=柔軟・バランス芸アーティストや愛好家)、またアマチュアであっても新体操の方々はほとんどのお客さまが1回2時間で終了することの方が多いようです。

もちろん、1ヶ月後や半年後にお体のチェックやバランスの状態のチェックを含めて、長時間のコースをお受けいただく方は多くいらっしゃりますが…

当院では、ご自身のペースやご都合で股割りの《施療・指導》をお受けいただけますので、お気軽にご予約やお問い合わせをいただければと思います。

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土日祝祭日でも、前もってご予約いただければ通常の料金で施療させていただいております。

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可能な限り、即日にお返事申し上げております。

当院では杉並を中心に腰痛、肩こり、首の痛み、坐骨神経痛、骨盤痛、椎間板ヘルニア、間歇跛行(かんけつはこう)、脊柱管狭窄症など、過去の施療・施術・治療などで痛みが改善されなかった方々をはじめ、様々なお客さまへの実績がございます。
「関節内部機能回復調整法」という特殊な技術と「10数種類に及ぶ特殊なストレッチング」を用いて、無痛で痛みと動きを改善いたします。
東京杉並区を拠点とし、出張整体をご提供いたしております。
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