スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰ

最近、ダンサーやパフォーマーのお客さまへの施療と再発防止、及びパフォーマンス性UPのためのストレッチのご指導をさせていただく機会が多くなっております。

皆さまから、ほぼ100%確認されるのは、『ダンス直前や競技直前、あるいはステージでのパフォーマンスや試合直前のストレッチは良くない?』という情報の真偽とその理由。

また、『ここ数年、常識になってきていますが、具体的な理由とウォーミングアップでダメならばクールダウンで良いのはなぜ? 体が眠ってしまうからと言われていますが・・・』とより具体的におたずねになられる方が半分以上もいらっしゃいます。

また、それと共に感じているのが、ストレッチにたいする明らかな誤解

インターネットによる情報の斜め読みによるのだと思われますが、スポーツや体を動かすこととは無縁な方々から『ストレッチは良くないですか?』という主旨のご質問をいただくことも増えたような気がします。

「ネットの検索サイトでヒットした記事のタイトルとその概略説明だけお読みになったのですか?」と逆にたずねたくなるような質問。

そういえば、当院主催の逆さエクサ©入門セミナーへとご参加いただいた、ウォーキングのサークルの指導者の方から、『ウォームアップで良くないストレッチと良いストレッチを教えて欲しい』とセミナーの後の無料懇親会で依頼され、ソファに座った状態で長々とご説明申し上げたこともございました。

真面目に運動やスポーツをやっていらっしゃる方々にとっては興味があるというレベルを越えた、切実な問題なのかも知れません。

当たり前が当たり前でなくなるのですから。

ちょうど、《昔は運動している最中に水は飲むなと言われたのに、今は飲まないと危険と言われる》のと同じくらいの違いだと勘違いなさっていらっしゃる方も多いようです。

ということで、前置きが長くなりましたが、今回のブログは、《正しいストレッチ》ではなく、《ストレッチの正しい使い分け》について、お話させていただきます。

よろしければお付き合いください。

まず最初に申し上げたいのは、皆さまがストレッチとおっしゃるとき頭に浮かべていらっしゃるのは、《完全に力を抜いてだらっとしたまま(←これが一番重要で一番むずかしい!)、無理をせずに同じ形を30秒〜40秒間とり続けるストレッチ》。

専門的には、スタティック・ストレッチングと呼ばれるストレッチのこと。

そして、当院で毎日の施療に使っているだけでも、これだけ多くの種類のストレッチが存在しておりますし、またここに載せてない別の分野で用いられるストレッチも数種類以上、ございます。

最近になりやっと一般的にも、競技の直前や体を動かす前にはスタティック・ストレッチングをすると競技でのパフォーマンス性が落ちるという知識が広まってきました。

荒っぽい言い方になりますが、昔は準備運動として、仲間や先生から「イチ、ニッ、サン、シッ、ゴ、ロク、シチ、ハチ!」と号令をかけながら、反動を付けて押してもらったり、自分で反動を付けて繰り返す柔軟運動(じゅうなんうんどう)と呼ばれるものを行いました。

35歳以上の方々ならばおぼえていらっしゃるのではないでしょうか?

小学校時代の体育の授業や野球のリトルリーグ、まだマイナーだったサッカースクールでも同じでした。

もちろん、柔道や剣道や空手の町道場でも同じ光景が繰り返されていたのをおぼえています。

いつの頃か、ふと気付くとストレッチという言葉がアメリカから入ってきていたのでした。

そして、それまで行っていた柔軟運動はバリスティック・ストレッチング(弾性:だんせいストレッチング)と呼ばれるもので、筋肉を柔軟にする効果はゼロなのだ。

逆に硬(かた)くしてしまうというか、具体的には《百害有って一利無し!》などという間違った認識が広まってしまったのでした。

昔式の(?)、号令と共にグイグイと反動を付けて押してもらう柔軟体操はすっかり淘汰され(影をひそめ?)、代わりに救世主のように登場したのが、カタカナ5文字の名前を持つ、ストレッチ。

どんな目的のためにも、つまり、運動前のウォームアップでも、足が攣(つ)ったときでも、疲れたときでも、運動後のクールダウンでも、とにかく、《いつでも、どこでも”、脱力して同じポーズを数十秒間取り続けるのが最良の方法だ》という誤解も同時に広まってしまったのではないでしょうか?

そして、ここ数年、やっと、サッカー選手のブラジル体操などがテレビで流れることが多かった影響によるものか、神経を活性化する目的で反動を付けたすっかり悪者にさえていたバリスティック・ストレッチングが見直されてきています。

私たち、年配の人間にとっては、「あれっ、柔軟体操を自分でやっているだけじゃないか?」と思ったというのが正直な感想なのでしたが…

それに合わせて新しい知識(?)として広まりつつあるのが、スタティック・ストレッチング、いわゆるストレッチは良くないという誤解であると考えられます。

次回にはっきりと申し上げたいのですが、ひとことで申し上げれば、「スタティック・ストレッチングは悪くない。ウォームアップで行うとパフォーマンス性が落ちるので直前には行うべきではないだけ。バリスティックも含め、すべての効果のあるストレッチはその用途ごとに使い分けるべきである」ということになります。

また、競技直前のウォームアップでは、ブラジル体操を初めとするバリスティック・ストレッチング以外にも、以前は知られていなかったダイナミックストレッチングなども一般的に見かけられるようになってきました。

陸上競技のテレビ放映などで、スタート前の選手が脚(あし)をゆっくりと伸ばしたり曲げたりしているアレですね。

というところで、またダラダラとお話をして、せっかくお付き合いしてくださってる皆さまを退屈させてしまうところでした。

今回は、

・ストレッチには色々な種類がある。

・ストレッチと一般的に呼ばれているものはスタティック・ストレッチング(静的:せいてきストレッチング)という反動を付けずに、脱力したまま同じ姿勢を30秒から40秒間取り続けることで筋肉を伸ばすもののことだけをさしている。

・昔、世界中で行われていた体育的な柔軟運動もバリスティック・ストレッチング(弾性:だんせいストレッチング)と呼ばれる、有効なストレッチであり、効果ゼロなんてことは無い。

・効果のあるストレッチであれば、悪いストレッチは存在していない。ただ、その用途が間違っているだけである。

といったことをざっと申し上げてまいりました。

全部でなくとも、このうちのいくつかを何となくわかっていただければ嬉しいです。

次回は、なぜいわゆるストレッチ、正しくはスタティック・ストレッチングがなぜ悪いと誤解されているのかその理由をスタティックストレッチングで筋肉がリラックスして伸びる原理と共にお話させていただけたらと考えております。

 この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ “関節内部機能回復調整法とストレッチング”目次

→ ストレッチや股割りのご指導をご希望の方はこちらへ

《スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱにつづきます》

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