スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅳ(完)

前回、第3回目の記事の最後で、以下のように申しあげました。

《次回の最終回では、個々の種類の具体的なストレッチのやり方に付いては直接の指導なしではお伝えすることは無理なのですが、当院の施療や運動指導をお受けいただくスポーツ競技者や様々なジャンルのダンサーの皆さまへとお伝えしている、ウォームアップとクールダウンのストレッチの組み合わせ方とその種類の使い分けに付いて、誤解のないように、できるだけシンプルにお伝えしたい。

競技やパフォーマンス前にどのようなストレッチをしたら競技性やパフォーマンス性を落とすことなく筋肉の柔軟性をあるていどUPすることが可能かどうかという点だけではなく、それ以外のシーンでのストレッチ実施方法に付いてもしゃちほこばらずに説明させていただきたいと考えております。》

ということで、「具体的にどの筋肉のどこを伸ばしたければ、どことどこに力を入れながら、反対側の逆の働きをする筋肉をどのタイミングで、どのくらいの時間をかけてその動かせる範囲いっぱいに動かす」などということは、個人個人の筋肉の質や状態、そしてご要望によっても異なってくるため申しあげられません。

ですが、安全サイドを広く見積もって、というか失敗する確率をできるだけ低くしてのウォームアップとクールダウンでのストレッチのやり方にかんする考え方をお伝えできればと思います。

まず、昔風に言えば準備運動の柔軟体操ですが、取りあえずというか、初めて試すときには、競技やダンスなどのパフォーマンスの1時間前に、十分に時間をかけてじっくりと行うスタティック・ストレッチングを終えるようにします。

そのときは完全に弛(ゆる)めてしまってだいじょうぶです。

そして、慣れるまではというか、「どのようなエクササイズや動きにより、リラックスしている神経を活性化するか(?)決められるようになるまでは、30分前からゆっくりと体を動かし始めてはいかがでしょう」。

30分ぐらい前から、少しづつ神経を刺激するとどうじに、筋肉を完全にではなく、ある程度だけ弛んだ状態にします。

15分くらい前になったら、神経をもっと活性化して、動こうと思ったらできるだけ素早く動けるような状態を作り出すのです。

たとえば、一般の方でもハムストという俗称(?)を耳にする方が多くなってきた、太ももの裏側の脚の付け根から膝の裏側の下まで走っている4つ、または3つの筋肉をやわらかい状態で有効に使いたいと考えているケースを見てみましょう。

この例、《脚をできるだけ高く前へと一気に振り上げたい》ときなどには、実際に使えます。

足を突然、頭より高く振り上げてもバランスをくずさず、もちろん倒れないように踊りたいとか、空手の試合で踵(かかと)落としをきめたいなどという場合をイメージしていただければと思います。

1時間前までに、こんな感じのストレッチをしておきます。

1.伸ばしたい脚(あし)、つまり一気に振り上げたい脚を前に伸ばして床に座り、反対の脚はあぐらのように曲げる。

2.姿勢を正して骨盤(こつばん:お尻の骨)から上半身の頭のてっぺんまでが天井から引き上げられているイメージでまっすぐにする。

3.そのままの真っ直ぐな状態をキープしながら、両脚の付け根から体が折れるように意識して、骨盤から頭までを一枚の板のように前へと傾けて倒す。

4.力を抜いたままでいられるところまで倒したら、そのまま30秒から40秒姿勢をキープする。

5.ゆっくりとスタートの姿勢である2に戻る。一気に力を入れて元の姿勢に戻ると反射で筋肉がかえって縮んでしまう可能性もあるので注意してください。

30分くらい前になったら、今度は立って行います。バランスが取りにくいばあいには、片手を壁などにあてるなどしてバランスをキープしておこないます。

1.伸ばしたい脚の膝を無理のない高さまで余裕があるレベルまでゆっくりと上げる。このとき膝からつま先までは力を抜いた状態でだらっと床に垂れ下がっています。

2.太ももが床と90度ぐらいになったら、休まずに今度は膝から下も動かし始める。つまり膝も伸ばしていく。

3.膝が伸びきっても、まだ太ももの裏側に伸びる余裕があれば、脚をゆっくりと上げつづけていく。

4.限界まできたら、力を抜いて一気に落とすのではなく、最低限の力だけを使ってブレーキをかけながらゆっくりと脚を元のいちへと戻していく。

5.これを片道3秒から5秒かけて5往復を目安に行う。

6.ポイントは1と2と3で太ももの前の部分の筋肉が縮んでいくのを意識して感じながら、その筋肉を自分の意思で縮めることで脚を前に上げていくことです。

これも立派な(?)ストレッチで、ダイナミック・ストレッチングと呼ばれるもの。

変な言い方になりますが、やり方に慣れていれば、「適度に、そして適切に効く便利なストレッチ」です。

15分ほど前になったら、一見すると他の人からはやる気が無いような動きに見える動きをします。

1.先ほどと同じ動きを今度は壁などに手を付かずに体でバランスをとりながら、行います。

2.今度は軽く反動を付けながら、もちろん脱力をしながら、動く範囲をすこしだけ越えるていどに行います。

3.上の2つのストレッチが正しくできていれば、動かしている間に引っかかりは感じずに、筋肉や皮膚などの伸び感と少しの気持ち良さまで感じられるはず。

バリスティック・ストレッチングという名前のストレッチです。

直前になったら、実際に競技やパフォーマンスで行う動きのポイントの部分を、本番とまったく同じ強度で行います。

つまり、実際の踊りでの脚上げや試合での踵(かかと)落としを同じ条件で行うということ。

陸上の100m走の直前に、全員がスタート練習をしているのを思い出していただければ分かりやすいのではないでしょうか。

一応、1時間前、30分前、15分前、直前と4回に区切って、

スタティック・ストレッチング

↓↓↓↓

ダイナミック・ストレッチング

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バリスティック・ストレッチング

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競技やパフォーマンスと同じ条件での動作練習を数回

と、分かりやすくお伝えしましたが、実際に何分前から開始し、どのくらいのレベルまでやわらかくしたり、神経の指令の伝達スピードを高めるのかは、なんども試されて、ご自身にとって最適な時間と回数とやり方を見つけていただければと思います。

これでウォームアップのやり方は完了し、競技後やパフォーマンスの後のクールダウンを見ていきましょう。

といっても、これはとっても簡単。

疲労感を強く感じていたり、筋肉に負荷がかかりすぎて硬(かた)くなっていたり、もしかしたら攣(つ)る一歩手前の状態になっていたり、あるいは力を抜こうとしても筋肉の一部だけが脱力できなくなっているかもしれません。

そのような、ある意味、異変が生じた筋肉を点、あるいはゾーンでスタティック・ストレッチングによってしっかりと元の状態にまで伸ばしてあげるだけ。

もしまだ慣れていなくて、筋肉の実際に問題が起きた部分を点やゾーンで感じることができなければ、問題の筋肉全体を時間をかけて伸ばしていきます。

ひとつの筋肉の中で、問題の起きなかった部分、ただ少しだけ疲れてしまった部分はしっかりと伸びて気持ち良さを感じるようになりますが、問題が残っている部分に痛さや硬(かた)さや疲れ等々を感じられるはずです。

そうなったら、その部位を狭い範囲で伸ばしてけば良いということになります。

筋肉のひとつひとつや、またひとつの筋肉の中で骨に付いている部分寄りのヶ所を狙って正確に伸ばす方法は、専門家の指導を受けていただくのが近道ではないかと思います。

やはり、少人数のセミナーや個人指導を受けられるのがマスターへの近道ではないでしょうか。

また、どうしても力を抜こうとしても抜けないとか、無意識のうちにとくていのヶ所にだけいつも力が入りっぱなしという方は、当院の施療や個人指導をお受けになるか、当院で不定期に開催いたしております逆さエクサ入門セミナーにご参加いただけますよう、自信をもっておすすめ申しあげます。

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4回に渡って今回の記事にお付き合いいただいた皆さま、ほんとうにありがとうございました。

皆さまに興味をおもちいただける記事を記していきたいと考えております。

またのお付き合い、お待ち申しあげております。

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅰはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅱはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Ⅲはこちらへ

この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ 当院で用いている“関節内部機能回復調整法”と全ての“ストレッチング”はこちらへ

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お体がかたいとお悩みの皆さまやお体のやわらかさが左右・上下でアンバランスな皆さまへ:

「体が硬(かた)いのでやわらかくなりたい」、あるいは「体を軟(やわ)らかくして欲しい」とおっしゃって当院の施療やストレッチ指導をお受けいただいた皆さまのうち、おひとりとしてお体が硬(かた)い方はいらっしゃいませんでした。

もちろん、ケガをなさっていらっしゃったり、手術を受けられ術後に硬くなってしまったという場合には、驚かれるほどの柔軟性を得ていただくことは不可能です。

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ご自身の努力だけでは解決できぬため、日々、真摯に行っていらっしゃるセルフケアやストレッチ、そしてエクササイズのご努力が無駄になってしまっている可能性が高いかもしれません。

どこだけをストレッチし、どこだけをエクササイズでトレーニングし、そしてどこのストレッチとトレーニングはしばらく中止というプログラムを一定期間つづけることが、ご努力を無にせぬための近道となります。

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当院では杉並を中心に腰痛、肩こり、首の痛み、坐骨神経痛、骨盤痛、椎間板ヘルニア、間歇跛行(かんけつはこう)、脊柱管狭窄症など、過去の施療・施術・治療などで痛みが改善されなかった方々をはじめ、様々なお客さまへの実績がございます。
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