(やわ)らかい体をもっと軟らかく!−1:シリーズ開始にあたって

このシリーズ“軟(やわ)らかい体をもっと軟らかく!”では、他のシリーズのようにあらかじめ細かいテーマを決めてから記し始めず、キーを打ち進むうちに浮かんできたテーマへとどんどんと脱線しながら記させていただきたいと考えております。

思いつくままを書き写していく、本当のブログっぽいものにできたらとも。

お付き合いいただければ嬉しいです。

でも、あなたが女性であっても、または男性であったとしても、

・柔軟(じゅうなん)な体を作り上げたい

・軟(やわ)らかい状態を維持したい

・もっと柔軟になりたい

・自分自身の柔軟性を観客に効果的に見せたい

・でも体は壊したくない

と考えていらっしゃる方である限り、毎回つづけて読んでいただければ、必ずや(多分…)興味をもっていただける内容に出会えるはず。

最初から横道にズレながらスタートいたしますが、必ずテーマに付いても記していきますので、温かい目でお付き合いいただければと思います。

今までに柔軟性(じゅうなんせい)をアップするお手伝いをさせていただいたお客さまには、バレエ、フラメンコ、ジャズダンス、ヒップホップ、ポールダンスの方々、そしてアマチュアでは新体操体操、そしてフィギュアスケートを頑張っていらっしゃる方々、男性では様々な流派やスタイルの空手道や打撃系競技や格闘技の愛好家の方々、コントーション(≒柔軟・バランス芸)を初めとするパフォーマーの方々が多くいらっしゃいました。

この中で、空手道や打撃系格闘技の分野の方々を除いては、すべての方々が、ご自身の柔軟性を向上させるということ以外に、いかにその柔軟性や柔軟性によって得られた動きを観客や審判にたいして見せ、アピールするかということも同じくらい重要視なさっていらっしゃいました。

見せるための動きや姿勢の角度などは無意識のうち、日常生活での立ち振る舞いにでも現れています。

ここまで記してひとつ思い出したのは、あるバレエ出身でミュージカル女優の方からお聴きしたテクニック。

「陸上競技の選手の方が私たちよりも滞空時間(空中にいる時間)は長いだろうし、少なくとも同じ時間は空中に浮いたままのはず。私たちの方が長く空中にいるように見えるのは、そう見えるようにしているから。これは、テクニックによるものなのです」

といった内容だったと思います。

具体的には、「両脚(あし:お尻のすぐ下の脚の付け根から下全体の部分のこと)を前後に開いて空中にジャンプするときに、着地のギリギリまで両脚を開いた状態をキープしつづける」だったはず。

それ以外にも、同時に、脚が長く見えるテクニックも常識として(!?)使っていらっしゃるというのは余談ですが、これは次回に。

この観客にたいし滞空時間を伸ばして見せる技術。

ダンス系やパフォーマンス系の分野ではきわめて常識なのでしょうが、一瞬感動で言葉が出ませんでした。

ちょうど、古武術のある宗家先生から、御流儀に伝承されている《滝の流れを止める》口傳(くでん)や数日間眠らずにおる方法をご教授いただいたときに近い感動でした。

もっと近かったのは、明治時代の日本で流行した霊術(れいじゅつ:オカルトの比率は少なくほとんどが科学的)のやり方を資料から独習し、ブリッジしてその上に大人の男性を4人乗っけても支えられたときの、不思議な技の奥には誰もが練習をすればできるようになる科学的な原理と手法が隠されているのだと実感した瞬間に湧き上がってきた感動。

武術における一見不可能と思える体の動きが、実は日常生活とは違う筋肉を使ったり、その筋肉を補強して助けてくれるもっと大きな筋肉もまとめて使ったり、アウターマッスルを脱力してインナーマッスルだけを使用することで相手に抵抗するために入れる力の方向を分からなくしているのだと分ったとき。

自分がかけているある関節技は角度がすべてだと考えていたら、相手の抵抗するのに使う筋肉とは逆の働きをする筋肉を反射で緊張させていて、相手に分らないように抵抗する力が出せないようにしていると気付いたとき。

こんな例だけでは退屈されてしまいますね。

申し上げたかったのは、体の動きで凄いと感じたものが、練習さえすれば誰にでもできるようになるというテクニック:技術の世界のものであり、一握りの天才だけにできるものではないとわかった瞬間に感動がこみ上げて来たというお話でした。

今回は横道に外れたままお別れし、次回は柔軟性の象徴でもあるY字バランスやビールマンポジション(フィギュアスケートでおなじみの片脚を後ろに上げて両手でそのシューズのエッジをつかむ姿勢)の予備トレーニングとしても有名なフロントスプリット:前後開脚の分かりやすい例からスタートします。

《観客に見せるための技術と自分自身の柔軟性やパフォーマンス性を向上させるための練習とは違いがあってしかるべき》という点についてまでお話できたらと思います。

《柔(やわ)らかい体をもっと柔らかく!−2:演技と練習はちがうべきにつづきます》

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(やわ)らかい体をもっと軟らかく!−2:本番(=演技やパフォーマンス)と練習はちがう!?

今回は宿命とも言える(?)、目的が異なる2つの種類のトレーニングに付いて考えてみましょう。

ひとつは、演技、パフォーマンス、つまり《観客に対して体の柔軟性(じゅうなんせい=やわらかさ)やその関節の動く範囲の広いことをアピールする》、もう一歩踏み込んで実もフタも無い言い方をすれば(?)《お客様へと、広い意味で自分をより良く、もしかしたら実態や実力以上に、見せるため》のトレーニング。

もうひとつは、《実際の体の能力を向上させるためのトレーニングであり、柔軟性(じゅうなんせい)そのものやその柔軟性により広がった関節や体の動かせる範囲の中を優雅に、あるいは素早く余裕をもって体の部分を動かすため》のトレーニング。

ひとつめのトレーニングで使いすぎて疲れたり、バランスがくるったり、壊れそうになっている体のケアや手当てという要素も含まれているのです。

この2つには共通する部分もありますが、目的が異なるため具体的なやり方は異なってくることが多い。

話の煩雑さをさけ、よりシンプルでわかりやすいように柔軟性(じゅうなんせい)という一点からのみ、お話させていただきます。

私のような部外者で素人から見ればどちらも同じように見えます。

でも、この違った目的をもつ2種類のトレーニングは、自転車の両輪のようなもの。

どちらが欠けても自転車は走れなくなってしまいます。

どちらかのトレーニングをサボっていると、しばらくは大丈夫でも、そのうちにパフォーマンス性が低下してしまったり、体を壊してしまうことにつながる。

そう、当たり前ですが、生じる問題点のタイプは異なったものになります。

今回の記事はパフォーマンス経験が無いに等しい、というか他人に対して自分自身の体を見せたり、その動きを見ていただくという感覚が完全に欠けている個人が記すもの。

練習時のケガをすることなく安全に柔軟性をアップするという側面を重要視し、パフォーマンス性よりも実際の身体能力、柔軟性を向上させるという視点からだけの記事となり、そのうえ、いかに体を壊したり、アンバランスや歪(ひずみ)を作らずに練習すべきかということばかりに重点をおいたものとなることをお許しください。

くどいですが、見せるためのトレーニングの重要性はわかってはいても、それ自身に付いての解説はできないことをご理解いただいたうえで、読み進めていただければと思います。

この記事の最初に“この2つには共通する部分もありますが、−後略−”と申し上げましたが、まずはそれから。

練習時に正しい柔軟性のトレーニングを行うことで、演技やパフォーマンスのためのトレーニングにより、体を壊したり、健康を害する可能性を減らすことができるし、また同時により高度な演技が行える、つまり高いパフォーマンス性が得られることにもつながることに間違いはありません。

2番目の身体能力向上のトレーニングはパフォーマンス性向上のトレーニングとしても、あるていどの効果が期待できることは言うまでもないのです。

演技やパフォーマンス用の練習と柔軟性向上のための地道なトレーニングの違いが分かりやすい具体的な例を見ていきましょう。

柔軟性を向上させるためのトレーニングで、股割りやサイドスプリットと呼ばれるストレッチと同じくらい行われている一度に多くの筋肉をまとめてストレッチできるものがあります。


それは、前後開脚(ぜんごかいきゃく)やフロントスプリットの名前で呼ばれているもの。

女性がこのポーズを行っている写真をご覧になったことがある方も多いのでは?

フロントスプリット.jpg

正しい前後開脚をしている写真の掲載許可をいただく時間がなかったので、形だけ真似た不完全なものですが、あくまでもイメージとしてご覧ください。

まずは、骨盤に注目してみましょう。

両脚を前後に開いたときに、骨盤がまん前を向いていらっしゃるかたは少ないようです。

意識的に斜めにしていらっしゃる方がほとんど(←ちなみに、掲載の写真では、わざとではなく、できないのです)

理由は、足首を曲げずに伸ばして足(あし:足首からつま先までの部分)を長く見せるのと同じ。

骨盤の幅の半分弱ていどではありますが、脚をより長く見せることができるのがおわかりいただけるはず。

そのうえ、骨盤が斜めになっていると後に伸ばしている脚(あし:太ももの付け根からつま先までの部分)の付け根の奥にある筋肉が完全に伸びなくても、後脚を床にぴったりとくっつけることができるのです。

脚と床の間にすき間ができないので、より柔軟に見えるという利点も。

つまり、骨盤が斜めになっていれば限界まで脚を後に反らさなくても、前後開脚が完全にできているように見せることが可能となるし、後は顔と上半身をまん前に向けるようにひねることで骨盤が斜め後に向いていることはごまかせるということになるのです。

ここまでお読みいただいただけだと、「骨盤をバカ正直に(!?)まん前に向けることで前後開脚をよりむずかしくしたあげくに脚が短く見られるよりも、少しでも楽に前後開脚ができて、厳密には観客にたいしてそう見せ、同時に脚もより長くスタイル良く見せ付けることの何が問題問題なの?」という疑問が浮かんできそうです。

次回は、その問題点をチェックしていくことにしましょう。

《“軟(やわ)らかい体をもっと軟らかく!−3:本番用の練習だけだと左右アンバランスに!”につづきます》

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(やわ)らかい体をもっと軟らかく!−3:本番用の練習だけだと左右アンバランスに!

前回の記事“軟(やわ)らかい体をもっと軟らかく!−2:本番(=演技やパフォーマンス)と練習はちがう!?”の最後に、「骨盤をバカ正直に(!?)まん前に向けることで前後開脚をよりむずかしくしたあげくに脚が短く見られるよりも、少しでも楽に前後開脚ができて、厳密には観客にたいしてそう見せ、同時に脚もより長くスタイル良く見せ付けることの何が問題問題なの?」と考えてしまいがちな問題点に付いてチェックするとお伝えしました。

結論から先に申し上げるならば、骨盤を斜めにしていることを観客に気にならないようにおへそから頭のてっぺんまでが前に向くようにひねったポーズに何の問題点もありません

演技者やパフォーマーのお体にも悪い影響はないし、お客さまにもより深い感動が与えられるはず。

でも、これをいつも片側ばかりやっていたらどうでしょうか?

そして、練習のときも骨盤を正面に向けずに斜めのままで行っていたらどうなのでしょうか?

この2つの疑問がとても重要となってくるのです。

少し遠回りでまどろっこしく感じられるかも知れませんが、お付き合いいただければと思います。

今までに、フラメンコバレエ、フィギュアスケート、直接打撃制の空手道、コントーション、新体操、ジャズダンス、ポールダンス、ヒップホップなど、それぞれの分野において高い柔軟性をすでにお持ちのお客さまへと《柔軟性より向上のための施療と指導》をさせていただいてまいりました。

そして、皆さまに対し、おひとりの例外もなく感じたのが左右差

お体の左右での柔軟性(じゅうなんせい)の差

アンバランスだったのです。

技術や演技やパフォーマンスのレベルが高ければ高いほど、そして練習量が多ければ多いほど、お体の左右、また見落としがちな体の前後と上下(=上半身と下半身)の関節内部の骨の動きと体の外側にあってご自身でも感じることができる筋肉だけでなく、感じることがむずかしい奥にある筋肉のバランスまでもが大幅にくずれていらっしゃった。

前回の記事の後半で例とご紹介申し上げた前後開脚(ぜんごかいきゃく)は言うに及ばず、通常の股割りやサイドスプリット、そして片脚で立ちもう一方の脚を後に大きく上げてその足首を両手で頭越しにつかむビールマンポジションや、やはり立った状態で片脚を横に大きく上げて体の横に並べるように立ててそれを手でつかむY字バランスにおいても同じ。

とにかく、左右の差は非常に大きかったのです。

原因をひとことで言えば、《見せるための練習のやりすぎ》ではないかと考えております。

たとえば、先生やコレオグラファーから振付けてもらった演技やパフォーマンスにおいて左右、どちらか片側だけを柔軟に曲げる動作を行ったり、あるいはそちら側を曲げる場面が多いケース。

ご自身で自分の演技やショーの振り付けをなさるばあいに多く見かけるのは、左右、前後で得意な方ばかりを行う。

とくに柔軟性を強調することが多い競技分野では、左右以外に前後のバランスの崩(くず)れが目立ちます。

体を前に曲げる柔軟性よりも後ろに反る柔軟性の方が数段アピールできるために、体全体を反らす方向の柔軟が中心となってしまうからなのでしょう。

前後のアンバランスは下半身のむくみや冷え、そして下半身太りの原因になることはすでに別のいくつかの記事でお伝えしてあるので、今回はわかりやすい左右のアンバランス、左右差に限定して考えてみることにしましょう。

フロントスプリット2.jpg

前回お話した前後開脚を思い出してみてください。

前に出している脚の太ももの裏側の広い範囲と、脚の付け根とお尻をつないでいる筋肉が目いっぱい(?)伸ばされています。

ちなみに、足首は反らさず前方へと倒しているので前の脚のふくらはぎは伸びておらず、かわりにスネの骨の外側隣りの筋肉が伸びているはず。

後ろの脚の方はどうかと言うと、太もものまん前の筋肉も少し伸びていますが、一番キツイというか伸ばされているのは太ももと骨盤の上の部分を結んでいる筋肉と太ももと背骨の腰の部分をつないでいる筋肉ですね。

じつは、ビールマンポジションの最初の練習でキーとなってくるのはこの筋肉の軟らかさなのです。

このように、前と後ろに出した脚では、ほぼ反対側の筋肉が伸ばされているということ。

このとき前も後ろも脚と床の間にすき間ができずにべったりと床にくっ付くまで両方の脚が開いてくれれば問題はありません。

無駄な力が入っていない、理想的なスタティックストレッチング、いわゆるふつうのストレッチが完璧な形でできているから。

でも、まだ完全にはできないけれど、頑張って練習のために前後開脚をしているという方は、力を抜く側と反対側、つまり前に出した脚のコマネチラインの奥の方と後ろに出した脚の付け根からお尻の辺りにかけての裏に力を入れてしまうのがふつう。

こちら側だけに注目すると、筋肉に力を入れるトレーニングとなっている。

大ざっぱな言い方を許していただければ、練習中の方々は、『前の脚の裏側を伸ばしてストレッチし、表側を縮めて鍛えている』とどうじに『後ろの脚の前側を伸ばしてストレッチし、裏側を縮めて鍛えている』ともいえるのです。

これ自体、体に害はありません。

でも、こととき左右やらずに、いつも片側だけやっていたとしたらどうでしょうか?

『いつも右脚を前に出して左脚は後ろに伸ばしているとか、あるいはその逆しかやらない』というケースがあったとしたら?

《いつも前に出している方の脚の太ももの裏側は軟らかく、表側は硬い。後にばかり伸ばしている脚の鼡径部(そけいぶ:コマネチライン)の奥の筋肉は軟らかいのに、太ももの裏側の付け根からお尻にかけてはトレーニングのせいでカチンカチン…》

じつは、完全に脱力ができる方が片側だけやりつづけても、実は似たような問題がでてくるのです。

そして、この硬い筋肉と軟らかい筋肉のアンバランスは日常生活でもつづいていく。

その競技やスポーツやパフォーマンスを引退したり、止めたとしても、そのアンバランスは体の歪(ひず)みとして残り、色々と悪さをしかけてくることになる可能性が高いということなのです。

そんな大げさなと思われたもいらっしゃるかも知れません。

でも、現在、柔軟性が必要とされる競技やスポーツやパフォーマンスを行っていらっしゃる方々には思い当たることがあったのではありませんか?

次の練習のときに、仲間や先生やコーチの体をさりげなく観察してみてください

まっすぐに気を抜いて自然に立っているときの姿を

・両肩の高さは同じですか?

・首が片方に傾いてはいませんか?

・肩の骨の位置は前後にずれていませんか?

・体幹(たいかん:首の下からウエストまで)が微妙に左右にねじれてはいませんか?

・骨盤の片側が前へと出っ張ってはいませんか?

・片側の脚の付け根だけ外か内へとねじれてはいませんか?

全体のシルエットで見たらスッと真っ直ぐで傾きもねじれがなくても、体の部分部分に注目して観察すると、多くの小さな傾きやねじれとそれを修正するための逆方向への傾きやねじれが見つかるはずです。

そして、《傾きを傾けで修正し、ねじれをねじりで元に戻す動作は寝ているとき以外はいつも行われている》のです。

それも無意識のうちに癖として

今回は長くなりましたので、また次回にお付き合い下さい。

当院でのお体のチェックにご興味をお持ちくださった皆さまやお体の左右差を強く感じていらっしゃる方

演技やパフォーマンスのときに片側ばかり行っていて反対側では同じことがやりにくいと毎回実感なさっていらっしゃる方

いらっしゃいましたら、当院の初回特別コースお体の状態を骨と筋肉、両方の動きからチェックしてみませんか?

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腰にも骨盤にも原因がなかった腰痛?−Ⅰ:肋骨(ろっこつ)が原因だった!

当院のサイトとしては、少し毛色の変わったお話のご紹介。

でも、とても大切なことですし、大げさに言えば命にかかわる可能性がないとも言い切れない…

今まで2回しか経験がありません。

それも当院のお客さまではなく、私の個人的な友人2人との体験談。

ちなみに、当院のお客さまについては同様の経験はないのでご安心ください(?)

初回施療に付いてのお問合せをいただいたお客さまで、腰痛が腰の部分の関節や筋肉などの問題が原因ではなく、別の病気やケガなどが原因である可能性が高いと思われたケースは今までに5件ほど。

「整形外科の専門の先生の診断をお受けいただき、問題がなければもう一度ご連絡いただきたい」と申し上げたのですが、その後おひとりとして当院へと再びお問い合わせをくださった方はいらっしゃいませんでした。

当方の願い通りに病院で診断を受けていただけたのか、それとも別の整体院などへと向かわれたのか…

分かりません。

でも、今回ご紹介申し上げるのは、すべての状況がわかっている2つのケースに付いて。

当時52〜53歳ぐらいだった体力自慢の男性TK氏と健康に自信をお持ちだった33歳の女性IA氏についてです。

まずは、体力的にも外見的にもとにかく若く見えた男性の友人のケースから。

テレビの報道番組やドキュメント番組のディレクターを数十年にわたってつづけられており、体力的にもメンタル的にもひじょうにストレスのたまる生活を送っていらっしゃった方。

当方の前職時代、30年ほど前に報道のお仕事で文字通り、命がけの取材を潜り抜けてきた中で友人となっただけにどれだけストレス過多のお仕事を送っていらっしゃるかは十分に存じ上げておりました。

そして、良くも悪くも、今のいい方だとメンタルの強い方、昭和の言い方だと根性(こんじょう)のある人、つまり人並み外れて強い精神力をお持ちの方だったのです。

この私の好きな根性のあるタイプの方々は、腰痛や肩こりを我慢しつづける傾向が強すぎ、ややもすると相当ひどい状態にならないと対処しようとしないという大きな欠点をお持ちです。

というのは、余談ですが…

柔道経験者であるこの方は、柔道時代からすでに、そして止めた後も、長年ずっと腰痛で苦しまれていらっしゃってこられたことは何度も耳にしておりました。

いつも腰痛を感じていらっしゃり、「ときどき悪化するけれど、2週間も気合(=メンタル力、根性、精神力など)で仕事をしていると治る」(本人談ママ)という肉体面でもメンタル面でもストレスがたまりっぱなしの生活を送っていらっしゃった。

「今まで病院での診断以外の治療も施療も受けたことは無く、整体なども数回受けたが効かなかった。それから整体を受ける気はなくなってしまい、気合だけで、今まで生きて来た」とのことだったのです。

友人関係に万が一にでもヒビは入れたくないとの考えから、当院の施療はわざと受けなかったとのことですし、またあえて腰痛セルフケアのアドバイスも求めなかったと後に話していらっしゃいました。

あるとき、そんな彼から突然電話が。

なんだか話にくそうな感じで世間話を数分間つづけた後、思い切ったように、今までとは違った感じがしたそのときの腰痛に付いて話し始めたのです。

骨盤(こつばん:お尻にある広い骨が合わさったもの)と腰椎(ようつい:背骨の腰の部分の骨)のつなぎ目も痛いし、腰全体からお尻までこっていて痛いけれど、一番痛いのは腰の上の方が背中の幅全体にわたって痛い。

・動くと腰の上の方がとくに痛くなり、鋭い刃物を突き込まれたようなイメージで、その場から一切動けなくなることがある。

・今までに腰痛でひじょうに痛いことはあったが、そのどれとも似ている気はしない。でも、あえて言えば、ぎっくり腰のひどいときのような痛みがどんな姿勢を取ろうとも少しも軽くならない

他にもいろいろな症状があった……というかあり過ぎたのです。

こまかい痛みが、腰全体にわたって…

それも、≪おなじところに痛みがつづくのではなく、痛む部分が移動する。でも、腰の上の部分の方が痛いことが多い≫というのが一番気になりました。

電話で1時間も話したでしょうか。

当方からのアドバイスは、≪知っているかぎりの腰に効きそうなストレッチをして、もし痛みが増すようならば、病院で診てもらう≫ようすすめました。

あちらこちらが痛いから神経が過敏になっているのではないかといくつかの可能性が高い具体的な病名の候補をおっしゃったのですが、そのうち2つは可能性が高いと思えました。

ではありますが、私はお医者さんではないし責任をもってお話できないため、ご本人が行きたいとおっしゃっていた神経内科ではなく、最初に近所で評判の良い整形外科の先生の診断を受けるようおすすめしたしだいです。

結局、最初に受信した整形外科での関連痛という診断には納得がいかずに、2つめの整形外科でしっかりと検査をしていただき原因がわかったのでした。

そのときは信じられなかったそうですが、肋骨(ろっこつ)が3本折れていたとのこと。

これが、骨の部分だったのか軟骨(なんこつ)の部分だったのか、その両方だったのかは分からないのですが(←ご本人が診断時にたずねなかった)、病院で肋骨用のコルセットを購入して、昔、柔道でさらしを巻いて稽古をしたときを思い出しながら数週間不自由な日常生活を送っているうちじょじょに回復したとのことでした。

ちなみに、肋軟骨(ろくなんこつ)と呼ばれる肋骨の軟骨(なんこつ)の部分は、背骨の椎間板(ついかんばん:背骨の骨と骨の間にはさまっているクッション)などといっしょで、ふつうの骨とはちがいレントゲン写真には写らないので、医師の先生の読影(どくえい)、問診、診察などの結果による総合判断が必要不可欠。

また、肋骨のふつうの骨の部分であっても単純X線写真ではとても見にくいケースもあると医師の方から教えていただいたことがあります。

そのうえ、12本ある肋骨のうち下の2本は背骨には付いているのですが、胸の前の骨である胸骨(きょうこつ)には付いておらず、ちょうどちゅうに浮いた形なのでとても折れやすく、古武道や古武術で効果の高い急所として狙(ねら)って攻撃するほどなので注意が必要。

ちょっと期待外れの結果だったかもしれませんが、ここで申し上げたいのは、

「ひどい腰痛のばあいには、最初に近くの医院やクリニックでも、あるいは大きい病院でもかまわないので、整形外科の診断をお受けいただくことをおすすめします」

「どう考えても重症とは思えないからただの腰痛(?)だと考え、最初に民間療法を受けるならば、しっかりと腰痛の症状を聴いてくれ、十分に時間をかけた体へのチェックしてから施療を開始する整体や施術院などを選んでいただきたい

というのが、私からのお願いです。

当院の施療をお受けいただく皆さまのほとんどが、病院と他の治療院で多くの治療や施術や施療を受けていらした方々なのですが、それでもとにかく時間をじゅうぶんにとってお困りの腰痛に付いてのお話をお聴きしているほどなのですから…

長くなりましたので、腫瘍(しゅよう)が原因でひどい腰痛を経験した友人の話は、下のリンクからご覧いただければと思います。

⇒“腰痛ではなかった腰痛?−Ⅱ:腫瘍(しゅよう)が原因だった!”はこちらへ

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腰にも骨盤にも原因がなかった腰痛?−Ⅱ:腫瘍(しゅよう)が原因だった!

前回の“腰にも骨盤にも原因がなかった腰痛?−Ⅰ:肋骨(ろっこつ)が原因だった!”では、当時52〜53歳ぐらいだった体力自慢の男性のケースをご紹介申し上げました。

今回は世界中をご自身でバックパックで歩いて旅するのが趣味(?)で体力と健康には強い自信をお持ちだった当時33歳のスペイン人女性のケースのご紹介。

腰痛の裏には腫瘍(しゅよう)が隠れている可能性があるという話は、なんども目にしたり耳にしたりはありました。

でも、実際に知人というか個人的にお世話になることが多く、メールでひんぱんに仕事上のやりとりを行っていた中で、友人に生じた典型的な例だったのでひじょうに驚いたしだいです。

この実例紹介記事を書くにあたり、スペイン語で文章を記すのに慣れていらっしゃるこの友人へと、ことの顛末記(てんまつき)を短くまとめてくれるよう依頼したところ、ありがたいことに、そくざに送ってくれたのが以下のもの。

文字通りの拙訳(せつやく)ではありますが、短期間にジェットコースターのように喜んだり絶望しかかったりと大きな波に飲み込まれて手術を受けて回復に至った本人の視点から『腰痛だと思っていたら腫瘍(しゅよう)で本当に驚いた』体験を皆さまにも追体験していただければと思います。

記事の最後には、ご参考のためスペイン語の原文も掲載させていただいておりますので、ロマンス語:スペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語のいずれかをご存知の方はサッと目を通していただくとよりわかりやすかもしれません。

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 記事の最後に掲載のスペイン語の原文である腰痛顛末記は、友人のI.A.氏に依頼して、私とのメールによる腰痛だという前提のもとに行った腰痛改善のためのセルフケアに付いてのアドバイスとそれに関する質疑応答、そして腰痛だと思われていた痛みの本当の原因とその一件の経過と結末について分かりやすくまとめてもらったものです。

こんな実話もあるのだと参考にしていただければと思います。

拙訳

 突然、ある日のこと、私の背中の下部に激しい痛みが生じました。

医師たちによれば、これは腰痛であるから、唯一できるのは、良くなるまで時間が経つのを待つということ。

マッサージとエクササイズもすすめてくれたのです。

友人のひろ氏に相談したところ、以下に述べる腰痛改善のための一連の特殊なエクササイズを推奨してくれました。

第一番目はシンプルで、できる限りいつも大股で歩くということ。

第二番目は猫体操と呼ばれているもの。四つん這いの開始ポジションから腰部を天井に向かって3秒かけてゆっくりともちあげたら、つづけてやはりゆっくりとフロアに向かって腰部を曲げる。

このエクササイズは数回繰り返してよいが、ストレッチ痛、あるいは引きちぎられるような痛みを感じる側で30秒間伸ばし続けるようアドバイスされた。

第三番目に推奨されたのはYoutubeで公開されている動画の動きをまねて骨盤を回旋させるというものでした。

これらすべてのエクササイズ、それ以外にも別の友人や知人たちが奨めてくれた別のエクササイズまでも行いました。

しかし、すべてが私にはとても痛く感じられたし、そのうえ激しい痛みをいつも感じるようになってしまったのです。

この痛みが脊髄(せきずい)の神経から生じていたものであるとは、その後に知ることになりました。

最終的に医師がMRI検査を実施し、私の実際の問題が、第9胸椎と第10胸椎*1の間の髄膜種(ずいまくしゅ)*2と呼ばれる良性腫瘍(りょうせいしゅよう)であることを見つけてくれました。

本当のことを言えば、この痛みが髄膜種の形状によるものであろうという疑いはあったのですが、確実にこの良性腫瘍によるものなのかどうかは、医師たちにも私に手術を実施するまでは分からなかったのです。

問題がひとつの腫瘍だと分かったとたん、医師たちはすべてのエクササイスをやめるよう警告してきました。

というのも、筋肉群を伸ばしたり、または私が動く度に、脊髄にはまり込んでいるその腫瘍がより食い込んでいくつかの神経を引き裂いていたのですから。

ということで、正しい事をしていると信じながら、エクササイズを実施することで症状をより急速に悪化させてしまったのです。

最終的には、片脚の力がなくなってしまい、いつも引きずるようになってしまいました。

両手は感覚がにぶくなり硬(かた)くこわばってしまい、とくに片方の手の症状はひどかった。

そのすぐ直後に手術*3をしてもらい、すべてが完璧に良くなりました

つらい痛みやリハビリ不足などもありましたが、腰は少しづつとてもゆっくりと回復していきました。

1* 専門的な記し方ではないので、第9番目と第10番目の胸椎(きょうつい:胸の部分にある背中の骨)の両方にあるようにも読めますが、文章の単数形、複数形から見ると腫瘍の数はひとつであるし、第9と第10の間に生じていた(日本では、T9/T10やTh9/Th10と表記される)と解釈できるためそのように訳しました。

2* 原文のスペイン語でも、発音こそ異なりますが、英語と同じmeningiomaと記されていました。

3* この文章を送ってくれた直後に「具体的にどのような手術を受けたのか?」とたずねたところ、“手術に関してはこれ以上の詳細は分からない。というのも、どのようなことをしたかこれ以上のことは何も説明してくれなかったから。ただ知っているのはこの手術の名称が≪椎弓切除術(註 脊髄の圧迫を軽くするための背骨の手術で、脊椎:せきついと呼ばれる背骨の骨のひとつひとつの横から後ろの部分と後ろの出っ張りの片方やその両方を取り除く手術方法のこと)≫ということだけ”との即答をもらいました。

原文:De la operación no tengo más detalles porque nunca me explicaron nada de lo que hicieron, solo sé que la operación se llama "laminectomía".

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参考:スペイン語の末記(てんまつき)原文

De repente, un día me dio un intenso dolor en la parte baja de la espalda. Los médicos creían que se trataba de lumbalgia y me decían que lo único que podía hacer era esperar a que pasara el tiempo para mejorar. También me recomendaban masajes y ejercicios.

Al consultar a mi amigo Hiro, éste me recomendó una serie de ejercicios específicos para lumbalgia, que describiré a continuación.

El primero consistía simplemente en caminar a pasos largos siempre que pudiera.

El segundo suele denominarse “del gato”. Desde la posición inicial de “a gatas” hay que levantar lentamente (durante 3 segundos) la parte lumbar doblándola hacia el techo, para seguidamente doblarla también lentamente hacia el suelo. Se pueden realizar varias repeticiones de este ejercicio y también estirar durante treinta segundos en el lado donde existe dolor de estiramiento o desgarre.

El tercer ejercicio que me recomendó consistía en girar las caderas imitando los movimientos de un vídeo compartido en Youtube.

Hice todos los ejercicios e incluso otros más que algunos amigos y conocidos me recomendaban, pero todos resultaban muy dolorosos, e incluso solía tener dolores intensos que más tarde supe que eran debidos a los nervios en la médula espinal. Al final, cuando me hicieron una resonancia, pudieron encontrar que lo que tenía realmente era un tumor benigno denominado “meningioma” en las dorsales D9 y D10. Realmente no supieron a ciencia cierta si se trataba de dicho tumor hasta que me intervinieron quirúrgicamente, aunque había sospechas de que fuera un meningioma por su forma.

Inmediatamente después de saber que se trataba de un tumor, los médicos me advirtieron que dejara de realizar los ejercicios, pues cada vez que estiraba los músculos o me movía, el tumor incrustado en la médula se iba encajando más y desgarrando algunos nervios. También me prohibieron nadar. Así que, creyendo estar haciendo lo correcto, había empeorado más rápidamente realizando los ejercicios. Finalmente, termine sin fuerzas en una pierna, que solía llevar “a rastras”, y con poca sensibilidad y agarrotamiento en las manos, especialmente en una de ellas.

Poco después me operaron y todo salió perfectamente bien. A pesar de los dolores sufridos y de la falta de rehabilitación, la espalda poco a poco se va recomponiendo muy lentamente.

お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅰ:やり方

「お尻歩き…ってなに?」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

当院のお客さまは30代後半から60代の方々がほとんど。

そのうえ、ひどい腰痛とそれによる下半身への重篤な症状や一般的な考え方では関係のなさそうに思える症状*まで引き起こされてしまっている皆さまばかり。

*腰が曲げも反らしもできない硬直状態、お尻から鈍い痛みが消えない、太ももの裏側がガチガチ、膝から足首までがふくらはぎだけではなく横も前も深いところも骨のようにかたい、お尻や太ももから足先までの強い冷えで夜中に両足が触れ合っただけで目覚める、ひんぱんに感じる頭痛、めまい、吐き気、不眠、眠りが浅い等々

年齢的になこともありますが、一般の方がエクササイズの情報を目にするチャンスがほとんどないからでしょう。

お尻歩きのことをご存知の方はほとんどいらっしゃらない。

腰痛でひどい状態に陥ってしまい苦しまれていらっしゃる方は、やろうとしてもお尻歩きは激痛を感じるのでできないのがお尻歩き。

ご存じないのがふつうなのかも知れないですね。

お尻歩きに対する当院の考え方についてはこのシリーズ記事のお尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法でお話させていただくとして、まずは今回のⅠで腰の部分が運動不足の皆さまのためにお尻歩きのかんたんなやり方をお伝えしたいと考えております。

そして次回のⅡ:効果では、文字通り、一般的に言われているお尻歩きの効果の紹介とそれらにたいする当院のコメントをご紹介申し上げます。

ちなみに、当院で柔軟性(じゅうなんせい)向上や特定の動作の円滑化や改善のための施療・指導をお受けいただくさまざまなジャンルのダンサーや表現スポーツの競技者やパフォーマーの皆さまは全員ご存知なのがお尻歩きなのです。

あたり前ですね…

前置きが長くなりすみません。

本題です。

お尻歩きとは、≪両脚を前に出して座ったら、骨盤で歩く≫こと

お尻歩き:坐骨結節歩き掲載用モザイク入り.jpg

あまり分かりやすい写真ではありませんが、以前撮影した写真をUPしておきますのでご参照ください。

できるだけ大またで、つまりできるだけ大きく骨盤を回すように前に出して前にすすみ、後ろに出すこと後ろへと歩く。

この場でできる方は、今すぐ、大またでゆっくりと、前に10歩、つづけて後ろへと10歩歩いてみましょう。

感想はいかがですか?

現在、お仕事などで座りっぱなしが多かったり、

「20代の頃と比べると歩幅がせまくなり大またで歩くことなくなった

あるいは、

「昔は人を追い越して歩くのがふつうだったのに、ここ数年追い越されることがでてきた

などお体の変化を感じていらっしゃる方にはぜひともお試しいただければと思います。

ポイントは、右側の写真のように≪背すじをまっすぐに伸ばしてかたいところに座ったときに痛く感じる2つの骨≫で歩くこと。

坐骨座り掲載用モザイク入り.jpg

2つの骨というのは、昔の小学校にあった木の椅子や町中にある花壇の縁のコンクリートに座って痛い2つのお尻の骨です。

ウンチクになりますが、座るという漢字である『坐(ざ)』と『骨』の2つの文字を組み合わせた坐骨(ざこつ)という名前が付けられています。

ひとによっては坐骨歩き(ざこつあるき)と呼ぶ方もいらっしゃいますし、当院でもプロの施療家向けセミナーではこの呼び方です。

万が一、お尻歩きの最中に鋭い差し込まれるような腰痛を感じたり、その後から翌日にかけて筋肉痛や疲労以外の違和感を感じたばあいには中止し、専門家にご相談ください。

さいごに、お尻歩きの基本ポイントをまとめておきますのでご参考になさっていただければと思います。

1.床にお尻をつけ、脚を伸ばして座る

2.背筋を伸ばして天井へとまっすぐに引っ張られているイメージで行うと骨盤が前にも後ろにも倒れにくくまっすぐに立つので坐骨(ざこつ)で正しく歩ける。

3.脚の付け根の関節(=股関節:こかんせつ)が外に回って、いわゆるがに股にならないように注意する。これはつま先を上に向けることを意識すればかんたんです。

4.1〜3を守ると坐骨(ざこつ:骨盤の下の骨、いわゆるお尻の骨)が痛くなるので、直接フロアではなく、ヨガマットや絨毯(じゅうたん)などやわらかいものを敷いておこなってください。

5.できるだけ大また(=骨盤を大きく前後へと回すように動かして)で歩く

ウォーキングをしているイメージで軽く肘を曲げて腕をお尻の動きと逆になるように前後にふりながら歩くと楽に大またで歩けるようになります。

10歩進み、10歩下がってためしてみるよう最初の方で申し上げましたが、つづけて行うばあいには、無理のない楽にできる回数を行い、必ず前歩きと後歩きはつづけていただければと思います。

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⇒ お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅱ:その効果とは?

⇒ お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法

お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅱ:その効果とは?

今回は腰痛とは直接関係のないお話となりますので、腰痛とお尻歩きの関係について興味をお持ちの皆さまはこの記事をスキップし、お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法をご覧いただければと思います。

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≪お尻歩きの効果≫にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここ10年ほど女性の間では有名なお尻歩き。

様々なことが言われています。

代表的なものだけでも

下半身太りが解消できる

ヒップアップきる

ポッコリお腹が消える ←内臓下垂(ないぞうかすい)防止になる骨盤底筋(こつばんていきん)のトレーニングになるから

・女性がお困りになることが多い3大問題の下半身の冷え&浮腫(むく)み・便秘・生理痛が解消したり軽くなる

ダイエットに最適 ←インナーマッスルが鍛(きた)えられるので座っているだけでも痩(や)せるから(?)

やはり女性を対象としてのお尻歩きブームのようですね。

これらの効果、間違いも嘘(うそ)もないのですが、ほかのエクササイズで言われる効果とおなじていどのイメージで受け取った方が良さそうです。

正しい方法で長期間つづけることが必要となるのですから。

たとえば、

ウエイトトレーニングや体幹トレーニングをするとただ座っているだけでもエネルギーを消費するようになるから(や)せる

ストレッチをすると血流とリンパの流れが良くなるので、浮腫(むく)みは消えるし、冷え性が治る

ウエイトトレーニングや体験トレーニングについては、つうじょうの筋肉やとすっかり言葉として一般的になったインナーマッスルが体に付いたら痩せるということ。

つまりトレーニングをしたから痩せるのではなくアウターマッスルやインナーマッスルが付いたら(=筋線維が太くなったら)、車で言えば燃費の悪い体になり、コンスタントにエネルギーを消費するようになるから楽なダイエットになるはずだという意味。

ストレッチもそれをするからではなく≪ストレッチをして筋肉がやわらかくなり血管とリンパ管への圧迫がなくなった時点で浮腫(むく)と冷え性が改善する≫ということなのです。

申し上げたかったのは、お尻歩きの効果も、1日に5分や10分ていどやってみてもあまり効果は期待できそうもないということだけだったのですが、話がずれてしまいました。

今回の結論ということでもないのですが、もしお尻歩きをやって何らかの効果を感じられたら、そのままお尻歩きをつづけていただいて問題無し。

でも、お尻歩きをきっかけに、その分野の専門家の指導を受けながら、ジムやスタジオやセミナーやお教室などで、ご自身が興味をひかれる様々なエクササイズやストレッチ系の運動を始めていただきたいというのが当院からのおすすめなのです。

次回はこのシリーズの最終回、お尻歩きにたいする“当院での考え方と対処法”についてご紹介させていただきます。

ご期待いただければと思います。

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坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)も腕の痺(しび)れも首や腰の骨が原因とは限らない!?−Ⅰ

当院で施療させていただくことが多い坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

お困りでいらっしゃる方はとても多い。

考えていたより多くいらっしゃったのが、最近、専門の腰痛や肩こり・首こりの改善施療後に依頼されて施療させていただくことが多くなってきた≪腕から指までの軽い痺(しび)れ≫

腰椎の写真名称入り掲載用.jpg

「坐骨神経痛は神経が出ている腰の骨のところが問題だから、腰の骨のヘルニアや骨の変形を解消する手術を受けるしか治ることはない」

「手の痺れや手だけの冷えは首の骨から外へと出る部分でヘルニアや骨の変形によって神経が圧迫されているのが原因なのだから、手術でその部分の圧迫を解消するしかない」

頚椎の写真名称入り掲載用.jpg

「だから、手術以外にはどんなことをしたって良くなるわけはない」

なんてきらめる寸前の方はまだまだいらっしゃるようです。

あきらめていらっしゃらないにしろ、自分でそのつらさを軽くすることは無理だと思い込んでいらっしゃる方は多くいらっしゃる。

かつてひどい坐骨神経痛で文字通りにのたうち回った経験があり、かつ中年以降での上半身のトレーニングのせいで左手に24時間つづいて消えない痺(しび)れと冬になると強烈な冷えも加わるという状態を1シーズン経験してから、試行錯誤で無駄な遠回りはしたものの自力の改善施療で、その2つの神経障害と呼ばれる問題を改善した経験がある私自身、いつも残念に感じておりました。

坐骨神経痛や手の痺れなどでお悩みになっていらっしゃる皆さまには、この2回からなる記事、ぜひ最後までお読みいただけたらと思います。

申しあげたいのは、当院で施療をお受けくださったお客さまにとっては、ご自身の施療効果の体験により、ごく当たり前の知識としてご理解いただけている関係性というか考え方

それは、

≪井の頭池(いのかしらいけ)と神田川(かんだがわ)≒腰椎(ようつい:背骨の腰の部分の5つの骨)と坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)≒頚椎(けいつい:背骨の首の部分の7つの骨)と腕から指までの軽い痺(しび)れ≫

というもの。

このような考え方をご存知ない方がとにかく多くいらっしゃるということにも遅まきながらも気付いた次第。

手術が必要と言われた脊柱管狭窄症の本体(?)はそのままなのに、他の部位への自己施療により、肉体労働やハードな武道・武術の稽古までできるようになり、そのうえ10年以上もその状態を維持できていることを信じてもらうことは未だにむずかしい。

お客さまに信じていただくために、当時はまだ料金が高かったMRI画像を1万8千円も出して、コピーと記されたフィルムを病院から購入したことを思い出します。

でも、川の水源と川の関係を背骨から出ている神経の根本とその神経の走る経路の中のポイントで感じる痛みの関係にたとえてお話すると、イメージとして理解してくださる方が多いということをいくどとなく経験してきました。

頚椎(けいつい)と手の痺れやそれに加わる異常ともいえる強い手の冷えの原因を言葉だけで理解していただくのは、坐骨神経痛が改善可能だと理解していただくよりもすうだん困難。

「自分はもう一生だめだ」とあきらめてしまう方が多すぎる

あきらめの原因は、『背骨の首のところにある7つの骨である頚椎(けいつい)の間にある椎間板(ついかんばん)が厚くなって出っぱったヘルニアは腰のヘルニアとちがって治らない』という思い込みがあるからなのでしょう。

でも、今までの施療経験から原因がある可能性が大きい部位が数カ所ありそれがどこであるか突き止めてあるし、そこを弛(ゆる)めて痺(しび)れや冷えの原因を解消すれば、完全に改善しなくてもその場で症状がかるくなったことが感じられるレベルまでの改善は可能なのです。

というわけで、当院では施療直後、その瞬間に改善効果を感じていただき、

手の痺(しび)れや手先のひどい冷えの原因が神経が首の骨から外に出ているところの圧迫であるとは限らないし、またたとえそうであっても別の原因が加わってひどくなっている可能性があること、その方の痺れの直接の原因に付いて、等々」

を申しあげご理解いただくのが常となっております。

原因を解消できれば完全にその症状は消えるし、原因がいくつかありそのうちのいくつかを無くせれば症状が一気に軽減するということなのです。

そして、

≪首の骨のところの神経が外に出ているところの圧迫だけが原因ではないということ≫

≪当院の施療で完全に痺(しび)れが改善された方も、そして完全改善しないまでも日常生活では気にならないレベルまで大はばに症状が軽減なさった方もいらっしゃり、そのうえでご自身で当院指導のかんたんなセルフストレッチをつづけることでその状態を維持なさっている方がほとんど≫

だと申し上げております。

次回は、坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)や首の骨からの出口以外の部位で神経が圧迫されているために生じる手の痺れや冷えに対する考え方をわかりやすい例をあげながらご紹介申し上げる予定。

よろしければ、お付き合いいただければと思います。

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坐骨神経痛も腕の痺(しび)れも首や腰の骨が原因とは限らない!?−Ⅱ

私の世代には懐かしい歌に“神田川(かんだがわ)”というフォークソングがあります。

この曲名は実在する川の名前。

水源は井の頭池(いのかしらいけ)という井之頭公園(いのかしらこうえん)の中にある池。

自宅からバスで20分ほどのところにあり小さい頃から高校・大学時代まではよく訪れていた公園でした。

頚椎の写真名称入り掲載用.jpg

突然ですが、背骨の首の部分の骨である頚椎(けいつい)からは外へと神経が出ています

この頚椎が井の頭池だとすると池の出口の水門のところに土砂や落ち葉やゴミなどがたまって水が堰(せ)き止められてしまったら、池を水源とする神田川の流れは悪くなってしまうし、神田川のずっと先の墨田川(すみだがわ)と合流するところまで水の量が減ったり川の全長にわたって影響がでてしまう

ひどいばあいには水が流れなくなってしまうかもしれません。

神経ならば手が痺(しび)れたり、ひどい手の冷えで苦しむことに。

腰椎の写真名称入り掲載用.jpg

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)でもおなじ

背骨の腰の部分の骨である腰椎(ようつい)から神経は外へと出ていますが、この腰椎が井の頭池でそこから東京を横断する神田川が坐骨神経(ざこつしんけい)だとしたらどうでしょう。

足先までビリビリと坐骨神経痛の痛みがでてしまうかもしれません。

でも、この考え方には大きな間違いというか忘れものがあります。

長い距離を流れる神田川自体には問題は起こらないと勝手に決めつけていませんか?

台風のケースで考えてみることにします。

川のどこかに暴風雨で倒された太くて大きな木が入り流れをせき止めてしまったり、川岸が崩(くず)れ多量の土砂が流れ込んだりして、その地点から後ろの部分の流れの水量がきわめて小さくなったり、最悪のばあいでは流れがストップしてしまう可能性がある。

神田川は東京都内を流れる最大規模の川ですし、井の頭池から最終ポイントである墨田川との合流地点まで24.6kmもの距離を流れているのです。

台風ほど大げさなことがなくても、大型家電などの不法投棄などなくても、何らかの原因によりその場所から後ろの流れに悪影響を及ぼすゴミがたまるということも考えられます。

坐骨神経のばあいも手の痺(しび)れに関係する神経のばあいも、神田川とおなじ

神経が背骨から外に出る最初の地点や川の水源からの出口に神経や川に影響を与えている問題の原因があるとは限らないのです。

神田川の途中の地点に流れる水量を少なくする原因がある可能性が高いとわかっていて、水源の井の頭池から川に水が流れ出る水門の工事をするでしょうか?

神田川の最終ポイントである墨田川との合流ポイント近くで川の流れが良くないことを確認したらどのような手順が取られるのか。

どこから流れが悪くなっているのか、そしてその地点がはっきりしたら、その原因を見付けて早急にその原因を解消し流れの改善をはかる

それに加え、神田川の管理業務を長年にわたって請け負ってきた東京都や区(?)の担当部署には、どの地点で流れに悪影響を与える問題が起こりやすいか経験的にわかっているし、できるかぎりおなじ問題が再発しないように常日頃から川の工事をしたり保全業務をするようつとめているはず。

当院もおなじ

≪坐骨神経痛のばあいには、このポイントとこの部位とこの地点がどうなって坐骨神経の経路のどこに痛みを生じさせている可能性がきわめて高い≫ということが今までの施療経験を通じてわかっております

腰の部分なのかお尻なのか太ももの裏なのか前なのか膝裏なのかスネの横なのか足首なのか等々。

それに加えて、骨による問題なのか、いや外側の筋肉だ、奥の触れないインナーマッスルだ、等々も。

手の痺(しび)れでも冷えでも、首のヘルニアによる神経の圧迫が原因なのか、首の骨同士で作られている関節(=頚椎椎間関節:けいついついかんかんせつ)の動きの問題なのか、その近くの表面や奥にある数多くの筋肉のどれが原因なのか、首の付け根から肩先までのいわゆる肩こりの肩の筋肉の問題なのか、もしかして本当の肩の部分の骨や筋肉やそれ以外のやわらかい組織の問題なのか、二の腕なのか肘なのか前腕なのか手首なのか、等々。

当院の長年の施療体験にもとづいた知見が役立つのです。

これら独自に施療をさせていただく中で得させていただいた知識とチェックを組み合わせてその正確な位置と状況を探りあて、もっとも適した施療手段をもちいて問題を解消し、症状を改善するという手法でご対応申しあげております。

2回にわたるこの記事にお付き合いいただき、まことにありがとうございました。

首の骨、頚椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニアのせいで手が痺(しび)れたり手が冷えているので治らないと思い込んでいらっしゃる方がいらっしゃいましたら、あきらめずにぜひともお近くの専門家にご相談なさることをおすすめ申しあげます

完全改善が無理だとしても、今考えていらっしゃるよりも大幅に改善なさる可能性は残されているはずですから。

≪肩こりや首こり、そしてひどい背中こりでお悩みの皆さまで手まで痺(しび)れてきた≫とお困りの方は、当院の今までのお客さまの皆さまどうよう、一度、ダメ元で当院の施療を試してみませんか?

お問い合わせ、お待ち申し上げております。

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仙腸関節とは−Ⅰ:骨盤のどこにあるの?

この記事の目的は、

≪もともときわめてマニアック(?)な関節であったのに、現在ではなぜか健康雑誌やテレビの健康番組などを中心に一般的に名前だけが知られてきた仙腸関節

について 気楽に読んでいただけるようわかりやすくお伝えすること。

今まで耳にしたことがない骨の名前なども出てきますが、“読めばわかる”のでご安心いただければと思います。

腰痛で施療をお受けいただくお客さまには、動作チェックの後に関節内部機能回復調整法を用いて最初に仙腸関節の数方向への動きを調整させていただくのが当院の施療手順。

施療後には、持参した小型の骨格模型(こっかくもけい)と折りたたみ式の大きな骨格図を利用してその場所をお知らせし、どういう理由で仙腸関節に対して何をさせていただいたのか、ご説明申しあげております。

今回の記事では質疑応答ができませんので、当院の骨格アシスタント模型氏の骨盤の2枚の写真に関連する骨2つと骨盤の歪(ひず)みの原因となる仙腸関節の名前を書き加えたものをUPいたしました。

写真を参考になさりつつお付き合いいただければと思います。

骨盤の左右外側に1個づつある蝶(ちょう)の羽根のように大きな骨が寛骨(かんこつ)という骨。

2つの寛骨(かんこつ)にはさまれていて、一見三角形にも見える短いエンピツのような形をしていてデコボコしたまん中に1つ目立っている骨が仙骨(せんこつ)

ちなみに、その仙骨の下にくっ付いて3個から5個の骨がひとつの骨になったためボコボコと伸びている細い骨が尾骨(びこつ)という名前が付けられている骨。

私たちが尾骨(びていこつ)とよんでいる骨になります。

仙腸関節・寛骨・仙骨名称入りオリジナル掲載用.jpg

真後ろから撮った写真ではちょうど腸骨に隠れてしまい見えませんが、赤い楕円で囲んだ部分の奥が仙腸関節(せんちょうかんせつ)

腸骨と仙骨で作られているのが仙腸関節ですので左右に1つづつあるのです。

なぜ仙寛関節(せんかんかんせつ?)と呼ばれないかというと、この寛骨(かんこつ)がちょっとめんどうな過去を持つ骨だから。

私たちみんな、子供の頃には、寛骨という骨を持っていなかったのです。

寛骨の構成=腸骨+坐骨+恥骨名称入り掲載用.jpg

代わりにあったのが、腸骨(ちょうこつ)、坐骨(ざこつ)、恥骨(ちこつ)という片側3つ、左右両側では合計6つの別々の骨。

その片側に3つある骨が思春期にアルファベットの『Y』の字のようにくっ付いてひとつの寛骨(かんこつ)という骨になるというわけ。

くっ付く場所は、脚(あし)の付け根の関節である股関節(こかんせつ)の骨盤側の凹(へこ)みの部分(=寛骨臼:かんこつきゅう)

ということで、寛骨(かんこつ)という骨の名前は正しいのですが、いかんせん寛骨は大きすぎるため、骨盤の中での位置がはっきりとわかるように、寛骨を構成している腸骨(ちょうこつ)、恥骨(ちこつ)、坐骨(ざこつ)という3つの骨の名前は解剖学の中で使われつづけているのです。

仙腸関節(せんちょうかんせつ)は、仙骨と寛骨のもと腸骨だった部分で作られている関節なので、

仙骨の≪仙:せん≫と腸骨の≪腸:ちょう≫という2つの骨を表す文字をつなげて関節の名前にされた*ということ。

*実際には、Sacro(仙)+Iliac(腸)+Articulation(関節)などの外国語からの翻訳であり、元々の名称が2つの骨の名称をつなぎあわせて作られたのでしょう。

関節の名前の作られ方がおなじでわかりやすいのが膝(ひざ)の関節。

解剖学での正式名称は脛骨大腿関節(けいこつだいたいかんせつ)なのですが、膝関節を作る2つの骨の名前である脛骨(けいこつ:けられると痛いスネの骨)と太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)の名前をつなげて作られているのです。

今回はだいぶマニアックなテーマでしたが、骨盤のどこにあってどんな骨たちに囲まれているか大まかなイメージをおもちいただけたでしょうか?

次回は≪骨盤の歪(ゆが)み=仙腸関節のズレと動きの悪さ≫という当院での考え方をご紹介申しあげます。

⇒“仙腸関節とは−Ⅱ:骨盤の歪(ゆが)み?”はこちらへ

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仙腸関節とは−Ⅱ:骨盤の歪(ゆが)み?

当院では≪“骨盤の歪(ゆが)み”とは、“骨盤の奥に隠れて2つある仙腸(せんちょう)関節というわずか5〜6㎝ほどの長さしかない関節で2つの骨が正しい位置関係ではなくずれた状態となっていること”≫であると考えております。

また、通常は広い意味で≪仙腸関節の10数種の異なるタイプの動きのなめらかさが足らないこと(←動作の円滑性の欠如)とその動く範囲がせまくなっていること(←可動域の縮小)≫の2つの問題もふくめ、骨盤の歪みという表現を用いているのです。

火水流整体術院のホームページ=サイト)の多くの記事の中やFacebookの火水流整体術院ページ、そしてアメブロ(アメーバブログ)の火水流整体術院のブログでも、この広い意味で骨盤の歪(ゆが)みと申しあげております。

仙腸関節の動きになめらかさが足らなくなったり、その動く範囲がせまくなると腰痛やお尻の上の方の痛みである骨盤痛(こつばんつう)、脚(あし)の付け根の関節である股関節(こかんせつ)など、近くにある関節ほど大きい影響を受けてしまうのです。

色々な説がありますが、当院では、≪仙腸関節は体の真ん中にあり物理的に様々な方向からの力が集中する骨盤の中にある唯一の動く関節であるため、多くの方向へと動くことでその受けた大きな力を軽くするというかやわらげてくれるショックアブソーバーやダンパーの役目を果たしてくれている重要な装置である≫と理解しております。

ちなみに、お客さまへは、衝撃吸収受け流し装置(!?)という当院の造語でご説明申しあげるとご理解いただけやすいようです。

左右仙腸関節斜め内側から撮影名称入り掲載用.jpg

写真を見る限りではあまり動きそうもない感じがしますし、動く方向だってそんなにあちらこちらとたくさんあるとは思えないというのが正直な印象ではないでしょうか?

動きのなかで一番連想しやすいのは、仙腸関節の外側の骨である寛骨(かんこつ)ですが、これは歩くたびに動きます。

足を前に踏み出すと後ろ方向に回るし、そのとき反対側の足が後ろに行くのですが、そのときの寛骨は前に回っている。

当院ではつかわない表現ですが、骨盤が開くという言葉を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

仙腸関節・寛骨・仙骨名称入りオリジナル掲載用.jpg

女性のO脚(おーきゃく)や下半身太りのひとつの原因であるとも言われているものですが、これはどうやらこの関節の後ろ側が開いている状態のようです。

実は、後ろ側全体が開く以外にも、後ろ側の上の部分だけが開いたり、下の部分だけ開いたりということもあるし、上の部分が後ろと前とどうじに開くことも、下の部分だけがということも。

まん中の短いエンピツ型の仙骨(せんこつ)は、前に傾いたり、後ろに傾いたりするのですが、そのたびに仙腸関節は異なる方向へと動くのです。

両側の仙腸関節がどうじにおなじ方向へと動かなければならないのに片側の動きが小さくなってしまったり、それぞれが逆の方向へと動かなければならないのに片側だけが動きにくいなどの動きの状態と動く長さのアンバランスが出るケースもる。

いくつかの基本の動きが組み合わされた複雑な動きが引き起こされる下半身や上半身の動きもありますが、仙腸関節が複雑な動きをすることで骨盤へと集中しすぎる強い力を弱めてくれているありがたい関節だと考えられるのではないでしょうか?

⇒ 仙腸関節とは−Ⅰ:骨盤のどこにあるの?

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お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法=

前回、第2回目“お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅱ:その効果とは?”で、意識的に紹介をさけたお尻歩きの効果として広まっているものがあります。

それは、

腰痛が解消する

骨盤の矯正(きょうせい)ができる

という2つの効果

骨盤の矯正(註 当院のばあいは矯正ではなく動きの改善調整)でも腰痛の改善であっても、軽いものならば可能かもしれません。

少なくとも、当院の施療をお受けくださったひどい腰痛の皆さまやプロの様々なジャンルのダンサーや表現スポーツの競技者の皆さま方で、施療前にお尻歩きをやって腰痛が改善なさったとか骨盤のバランスが取れたとおっしゃる方はひとりもいらっしゃいませんでした。

当院の施療を受けるまでに悪化してしまった腰痛を抱えていらっしゃったお客さまでお尻歩きをためした経験をお持ちだった数少ない皆さまからお聞きしたコメントをまとめると以下の3つに集約されます。

・「お尻歩きをやろうとしても強い痛みがでてできなかった

・「痛みをがまんしておこなったら、それから2〜3日の間、腰痛が悪化してしまった」

・「前歩きも後ろ歩きも、どちらもやろうとしても骨盤がうまく動かなかった← 腰の力が入りっぱなしのまま抜けなかったからだと考えられます)」

結論を申しあげれば、『日々気になるレベルの腰痛をお持ちの方はお尻歩きをやるべきではない』ということとなります。

正しいやり方ならばともかく、間違ったやり方で真面目に長期間つづけたばあい腰痛や骨盤の歪(ゆが)みを悪化させてしまう可能性が大きいからというのがその理由。

でも、まったく役に立たないと申しあげているわけではありません。

たまに腰やお尻に疲れがたまると腰やお尻の上の方がだるくなったりつらくなるという軽いレベルでしたら、後ほど申しあげることを守ってお尻歩きをしていただければあるていどの改善の可能性は残っているのですから。

ところで、骨盤の歪(ゆが)やおなじ字を書いて歪(ひず)みと呼ばれることもありますが、実際にはどういうことなのでしょうか

あくまでも火水流整体術院での考え方ではありますが、この機会にご紹介申しあげておきます。

骨盤のまん中あたりに9〜10㎝ほど離れて2つある仙腸関節(せんちょうかんせつ)という名前の関節のなかで、その関節を構成している2つの骨の位置が元々の正しい位置から少しずれた状態で固定してしまっている状態

たとえば2つの骨がぴったり合わさっているのが正しい状態なのに、少しずれていて、それがふつうの状態になってしまっているとしたらどうでしょう?

くわしくは別の記事“仙腸関節とは−Ⅱ:骨盤の歪(ゆが)み?”をお読みいただくとして、仙腸関節の“ずれ”とも“動きが悪い方向”とも言えるのですが、当院ではそれらを10数種類に分類しております。

この不自然にずれている仙腸関節(せんちょうかんせつ)での2つの骨同士の位置関係とそこでの骨の動きの悪さを当院では骨盤の歪(ゆが)と呼んでおります。

骨盤にあるこの関節のずれと動きの悪さは、腰椎(ようつい)とよばれる腰の骨同士の間で生まれる数種類の動きを悪くしたり、脚の付け根の関節である股関節(こかんせつ)の動きをじゃまして動きを悪くしてしまう。

あるいは、逆に腰椎や股関節の動きの悪さが仙腸関節のずれや動きの悪さを作り出すこともあるので、ケースによっては鶏が先か卵が先か分からない場合もありますが。

少し横道にそれましたが、これが当院の考え方。

むずかしい理屈や理論は抜きにしても、根本的原因や直接的原因が異なり、その症状や苦しみも違っている、様々なタイプの腰痛が30秒もかからない調整を数種類行うだけで大はばに軽くなったり、消えてしまったりする場合がほとんど

骨盤の歪(ゆが)みを元の状態に戻すと徐々に腰痛の状態が改善するとお考えの方が多いかもしれませんが、当院ではその逆。

骨盤の歪みだけが原因で腰痛や骨盤痛(こつばんつう:お尻の上部やお尻の骨に痛みを感じる状態)が生じている場合であれば、仙腸関節の調整ができて元の状態へと戻れば、その瞬間に痛みが消えたり、大はばに軽くなるのです。

でも、筋肉や骨以外のやわらかい組織を硬(かた)くなったまま放置しておくと、それらの影響で徐々に、また痛みが復活*してきてしまうのです。

*もちろん、痛みが取れた直後から再発防止の対処を行い再発防止対策に抜かりはありませんし、その詳しい説明を記した記事も当院サイトやアメーバブログ(アメブロ)にて数多く発表いたしておりますが、この記事とはかけ離れた内容となるのでここでは割愛させていただきます。

どちらにしろ、その効果の大きさのため、当院ではすべての種類の腰痛や坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の施療においては、必ず動作チェックの結果により厳密に決められている方向と種類の仙腸関節への関節内部機能回復調整法を実施しております。

ところが仙腸関節(せんちょうかんせつ)の止まった状態での骨同士の位置関係がずれているとか、動くばあいにどの方向に動きにくいとか動く範囲がせますぎるとかなどなどをチェックするのはひじょうにむずかしい

専門家にチェックしてもらうしかないのです。

お尻歩きを自分自身でやるだけでは具体的にどの部分がどのように良くないかまではわかりません。

しかしながら、お尻歩きをすることで骨盤のもっとも代表的で重要な歪みの有る無しはわかる

矯正(きょうせい)とは言えないまでも、悪くない状態や良い状態を維持することは可能。

次回は当院でお客さまのご質問にお応えするために、考え出したお尻歩きの活用法をご紹介もうしあげます。

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⇒ お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅱ:その効果とは?

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お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅳ:当院での考え方と対処法-

まずは、ウォーキングのときのように腕をふりながらできるだけ大きく前へ10歩、後ろへと10歩歩いてみましょう

第1回目の“お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅰ:やり方”で申し上げた以下の注意点を守りながらだとより効果的なチェックができます。

お尻歩き:坐骨結節歩き掲載用モザイク入り.jpg

1.床にお尻をつけ、脚を伸ばして座る

2.背筋を伸ばして天井へとまっすぐに引っ張られているイメージで行うと骨盤が前にも後ろにも倒れにくくまっすぐに立つので坐骨(ざこつ)で正しく歩ける。

3.脚の付け根の関節(=股関節:こかんせつ)が外に回って、いわゆるがに股にならないように注意する。これはつま先を上に向けることを意識すればかんたんです。

4.1〜3を守ると坐骨(ざこつ:骨盤の下の骨、いわゆるお尻の骨)が痛くなるので、直接フロアではなく、ヨガマットや絨毯(じゅうたん)などやわらかいものを敷いておこなってください。

5.できるだけ大また(=骨盤を大きく前後へと回すように動かして)歩く。

感想はいかがだったでしょうか?

前歩きも後ろ歩きもやりやすいし、左右の差も感じなかった:

⇒ とてもめずらしいケースですが、骨盤の歪(ゆが)みはないといえましょう。

骨盤の中の筋肉も、骨盤とそれ以外の骨や部位(=脚の骨、腰椎、肋骨など)とをつなぐ多くの筋肉にも問題はなさそうです。

ご安心ください。

ただし、まれに、歪(ひず)みがあるのに左右差も前後差も感じないというお尻歩きで使われたり、そのブレーキになったりする筋肉とその近くの筋肉がとても硬(かた)くなってしまっていたり、力が抜けなくなってしまっているために、感覚センサーの感度が落ちて感じにくくなってしまっている場合もあります。

この場合には、お尻歩きの歩幅(ほはば?)がとてもせまくなっており、自分でも「小さすぎるのでは?」と思うほどなのでおわかりになれます。

できれば、腰痛や腰の部分の疲れなどの異変を感じていなくても、専門家へとご相談なさっていただきだいというのが正直な感想。

でも、“どこも悪くない(← 正確には感じなくなっているほど悪い)”のに専門家をさがして時間とお金を…という方はいらっしゃらない。

ですので、「もし腰痛を感じたら、そくざに専門家のチェックをお受けになっていただきたい。必ず!」という言葉は忘れないでください。

前歩きは右(左)側の骨盤を動かすのがやりやすいけれど、後ろ歩きでは逆に、左(右)側を動かす方が楽:

“やりやすい”とは“大きく動ける”とか“お尻歩きの歩幅が大きい”“引っかかりを感じずにスムーズにできる”などと言い換えられるでしょう。

逆に“やりにくい”とは“動きが小さい”、あるいは“お尻歩きで歩幅が小さいのが気になる”“へんなブレーキがかかっているみたい”などということ。

“動きやすさ”というか“動きにくさ”のイメージは、『前歩きはこちらがやりやすく反対側がやりにくいが、後ろ歩きだと左右のやりやすさが逆になってしまう』という感覚。

ほとんどの方が、左右と前後でやりやすさ(=やりにくさ?)に“差”や“違い”を感じる

腰痛がある方も無い方もほとんどの方がこのタイプのはず。

右利きや左利きではなく、左右の手や脚をストレスなしにおなじように使える両手利き(?)、そのうえ左右をおなじくらい使っているという方がいらっしゃれば別ですが…

やはり、利き手や利き足、それに利き目まであるのですから、日常生活やたまに行う運動でも左右の手足や大げさに言えば、胴体(どうたい)や体幹(たいかん)の使い方にまでも使用頻度(しようひんど?)に大きな差があるのだから仕方のない話。

このタイプが骨盤の歪(ゆが)みのなかで一番多いように感じます。

昔から、というか明治以来の伝統的な日本の整体で脚(あし)の長さが違っているので矯正(きょうせい)しましょうと言われてバキっと一瞬で脚の長さがそろったという経験をなさった方もいらっしゃるかもしれません。

この種類の歪みがあると骨盤の左右の骨が前と後ろへと逆方向へと回っているため、見た目では脚の長さが変わっているように見えてしまうのです。

でも、脚の長さが左右で違っているわけではないし、伝統的な整体で矯正(きょうせい)されていた部位は脚の骨ではなく、骨盤の左右の骨の位置

昔の私の整体でも、直接左右の骨の位置を矯正する手法を2種類と脚の付け根の関節を左右逆方向に弛(ゆる)める方法を1種類を用いて20年ほどは矯正させていただいておりました。

ちなみに、現在でもまだそのやり方でかんたんに矯正や調整は可能なのですが、プロ向けの腰痛施療セミナーで参考のためにご指導申し上げるだけ。

当院の施療でつかうことはございません。

無痛で確実でより細かく十数種類の骨盤の歪(ひず)みの調整が可能な関節内部機能回復調整法を100%もちいております。

また、話がずれてしまいましたが、最終回の次回は、骨盤の前や後ろに倒れている場合はお尻歩きでどう感じるかとその場合になりやすい姿勢や腰痛タイプのご紹介。

どのようなやり方でお尻歩きをすれば、時間はかかるものの骨盤の歪みの中でいちばん効果がわかりやすい歪(ゆが)みの矯正(きょうせい)を目指せるかのか、その具体的なやり方についてまでお話までご紹介させていただく予定でおります。

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中には少数ですが、

「前歩きはやりやすいが後ろ歩きがやりにくい」

または、

「後ろ歩きはやりやすいのに、前歩きは苦手だ」

とおっしゃる方もいらっしゃる。

このケースは、骨盤自体が歪(ゆが)んでいるのではなく骨盤全体が必要以上に前に倒れていたり、後ろに倒れていることがほとんど。

骨盤が前に倒れているの状態は骨盤の前傾(ぜんけい)と呼ばれますが、ご自身の姿勢が良すぎると感じたり他人からそのように言われたことがある方はこのタイプ

いわゆる反り腰(そりごし)ともよばれる姿勢で、最近の健康番組や雑誌などでは脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)タイプと言われることもあるようです。

姿勢が悪いとか、少し腰が曲がっていると言われることが多いのは、骨盤が後ろに倒れている骨盤後傾(こうけい)腰の部分の背骨が後ろに飛び出るように曲がっている状態。

ちなみに、椎間板(ついかんばん)ヘルニア型(がた)だそうです。

ご自身でお尻歩きをすることでチェックし、かつゆっくりと少しづつではありますが、骨盤の歪(ゆが)みのうち代表的な歪みの矯正(きょうせい)や調整(ちょうせい)をおこなってみましょう

前々回、“お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法-”で申し上げた通り。

日々気になるレベルの腰痛をお持ちの方がお尻歩きを真面目に行ったばあい、腰痛や骨盤の歪(ゆが)みを悪化させてしまう可能性が高いので、ぜったいにおやめください

でも、いつも腰痛があるわけではないし、お尻歩きをしても軽い疲れを感じる以外にとくに痛みなど気になることはないというばあいには、次のことに注意しながらお尻歩きを数日間つづけてみていただければと思います。

左右でお尻歩きしにくい側と前後で進みにくい方をメインにおこなう

たとえば、右側で前に進むのが楽で後ろに進むのがやりにくいとしたら、右側で後ろに進むのを中心にする。

やりにくい方は意識して強い力を入れて大きく動かしながら歩きますが、反対側はやる気なく軽くやる感じでお願いいたします。

もし、時間が無ければ、やりにくい“右側で大きく後ろ方向へと進む”だけおこなっていただいても構いません。

数日つづけてみて、左側の方がやりにくくなってきたら、たとえば左側の前に行くのが苦手のように感じたら、こんどは、それを中心に歩くようにします。

お尻歩きで両側でほぼおなじ感覚でできるようになるころには、最初に始めた頃とは比べものにならないくらい一歩で歩く距離、つまり歩幅が大きくなっているはず。

そのうちにお尻や腰などの一部の筋肉がかたく感じたりブレーキになっていると感じるようになったら、それは骨盤の歪(ゆが)みの問題ではなく、その骨盤の歪みを引き起こした原因の筋肉のアンバランスや柔軟性(じゅうなんせい)の足らなさもやりにくさの別の原因だった可能性があります。

専門家の指導を受けてその部分だけを伸ばすストレッチをおぼえたり、その方の指示に納得がいけば改善指導や調整を受けるのも良いかもしれません。

何らかの運動や表現パフォーマンスをなさっていらっしゃる方ならば、一気に体の動きが楽となりパフォーマンス性が大はばに向上する可能性が大きいですし。

また横道にそれますが、当院で骨盤の歪(ゆが)みをチェックし、今回申しあげた≪骨盤の左右外側に出っ張っている骨の位置が前後に回り過ぎている状態を元のあるべき位置に戻す≫という十数種類中の歪みのうち一種類の調整だけでも高い効果をその場で感じてくださっているお客さまはひじょうに多いのです。

当院の施療をお受けいただいた慢性腰痛の方々のほぼ全員にその痛みが大はばに軽減したり、運動施療・指導、とくに柔軟性(じゅうなんせい)向上をご希望のあらゆるジャンルのダンサーやコントーショニスト(柔軟・バランス芸)や新体操を初めとする表現スポーツの競技者やパフォーマーというある意味、ご自身のお体に付いてくわしくご理解なさっていらっしゃるお客さま方のある特定の動作が大はばに改善している。

その場でわずか一種類にすぎないこの歪みを矯正するだけで、腰痛が軽減するかその動作が目でみて信じられないほど大きな改善を得られるのとおなじことを体験していただきたかった。

もちろん矯正効果は劣りますし、改善スピードにも時間はかかりますが、ご自身で改善させられる可能性があると考えて今回、全5回からなるお尻歩きの記事を記させていただいたしだいです。

この記事シリーズの最後に再び繰り返しとなりしつこくて申しわけないのですが、普段から腰痛でお悩みの方はお尻歩きを行わないでいただきたい。

専門家のチェックと施療や指導をお受けください。

また、前歩きと後ろ歩きの両方を試してもらい、もしお尻歩きのやりやすさで左右、または前後での差が大きく、そのうえ立って両膝を伸ばしたままで前に体を倒す動作と後ろに倒す(=反らす)動作をおこなって前後で違いがあり過ぎたり、どちらかで腰に強い痛みを感じるばあいには、必ず腰痛の専門家か当院へのご相談やお問い合わせをいただきたくお願い申しあげます。

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当院では杉並を中心に腰痛、肩こり、首の痛み、坐骨神経痛、骨盤痛、椎間板ヘルニア、間歇跛行(かんけつはこう)、脊柱管狭窄症など、過去の施療・施術・治療などで痛みが改善されなかった方々をはじめ、様々なお客さまへの実績がございます。
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