ふだん、お客さまへの施療でしようしている改善目的のストレッチングも、またセミナーなどでご指導申し上げているストレッチングも、ほとんどが筋肉のひとつひとつを狙っておこなうもの。
できれば、ひとつの筋肉でもそれを体幹(たいかん)と呼ばれる胴体に近い部分、逆に遠い部分、あるいはその中間部分に分けて行う、細かい スタティック・ストレッチング(=静的ストレッチング)がメインです。
もっと言えば、可能ならば筋肉を点でとらえて、硬くなっているところをダイレクト・ストレッチングという方法を用いて伸ばしているほどなのです。
ところが、コントーションにおける訓練や練習用のストレッチングでは、一度にとても多くの筋肉をまとめてストレッチングすることで、シルク・ドゥ・ソレイユや中国雑技談でみられるような、あの信じられない柔軟芸が可能となるのです。
体を極限までそらせて股間から顔をのぞかせたり、体をそらせて手で足首を引いたり…
一般的に行われている体の前面を伸ばしたり、体の背面を伸ばすというストレッチングをきわめて高度な形へと発展させたものだとも言えるのでしょう。
昔の話ですが、長い年月にわたり武道や武術の稽古のときにやっていたストレッチングの系統と似かよった気配を感じたら、急に親しみを覚えたというわけでした。
そのようなわけで、2回つづけてコントーションの練習会にずぶの素人の私(註 院長のこと)がお邪魔させていただいたのでした。
別世界をのぞき通常の施療に使えそうなヒントを収集させていただいたうえ、できないなりに体の広い範囲に広がっている多くの筋肉たちをまとめてストレッチングする手法を体験することで楽しませていただいたというわけなのです。
その中でもっとも驚いたのは、高度な理論にもとづいて体を保護しながら、あの柔軟芸のパフォーマンスを実行しているという事実の一端をかいま見ることができたことでした。
練習会に参加されていた皆さんは、普通に立った状態から両手を上に上げ、そのままゆっくりと体を後ろに倒していき、両手を床に付いて、高さのある鋭角なブリッジを行っていらっしゃいました。つづけて、その状態から反動なしに、またゆっくりと元の立った状態にもどるのです。
そしてそのときに腰を痛めないために指導されていたのが、“呼吸法によるインナーマッスルの収縮”と“腹腔内圧の上昇”、そして拮抗筋と呼ばれる、反対側の筋肉を“遠心性収縮という、筋肉を伸ばしながらも収縮を続ける”という3つの注意点でした。
それらを、むずかしい理論を持ち出さずに、体のどこに意識と力を集中してどう注意しながらおこなうかという、“ポイント”というか“コツ”のような形で指導し、教えられた皆さんも体で覚えていらっしゃったという点には感動すら覚えてしまいました。
施療家の先生方対象のセミナーは別ですが、お客さまや一般の方々向けの当院主催のセミナーや講習会では、理論の解説と実施上の身体的なポイントやコツの比率を変化させ、もっと分かりやすい説明を心がけるべきか考えるきっかけともなりました。
前回と今回、コントーション未体験で股割りが少しできるていどの私の参加を許可いただいたうえ、色々とご指導をいただいた指導者の先生と参加者の皆さまには、この場を借りてお礼もうしあげます。ありがとうございました。
まだ、数回はおじゃまさせていただくかも知れませんが、その時も宜しくお願い申し上げます。
今回は顔が写っていなければということでOKをいただきましたので、皆さまの練習風景を数枚UPさせていただきます。
また、いかに私だけがだめだったかという証左として(!?)、超初心者向けに指導者の先生におこなっていただいたコントーション入門用パートナーズ・ストレッチングの写真も掲載させていただくことにいたしました。
当院の施療をお受けいただいたお客さまの中には、多くのダンス、踊り、フラメンコ舞踊、そしてコントーションの方々もいらっしゃいました。
「柔軟性を得るために日々努力をなさっていらっしゃるのに、体が今ひとつ軟らかくなりきれない」とお悩みの皆さま。
ぜひとも当院の施療をお試しください。関節内部の骨の運動がうまくいっていない可能性もありますし、動きが悪い原因の筋肉の一部分や一点が問題なのかも知れません。
そのばあいには、ご自身で一般的なストレッチングを続けることだけでは、ひじょうに長い時間がかかってしまいます。
ご自身の努力がそくざに結果につながるようにするためには、当院の関節内部機能回復調整法(TRAFIAS)と個別の筋肉、あるいはその筋肉の部分部分、または一点を狙っておこなう当院の特殊なストレッチング手法の数々をお試しいただきたくお願い申し上げます。
コントーションと体の柔軟性に関連する記事にご興味をお持ちの方々は以下をご参照ください。
→ “柔軟性のアップ(=向上)に付いて”はこちらへ
→ “柔軟性の向上:軟らかい体をより軟らかく”はこちらへ
→ “スタティック・ストレッチング”はこちらへ
→ “ダイレクト・ストレッチング”はこちらへ
→ “関節内部機能回復調整法”はこちらへ
→ 当院で使用するストレッチの種類についてはこちらへ
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