スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−U

スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−U

 

前回は、『色々な種類のストレッチがあり、ずっと正義の味方だったスタティック・ストレッチングが良くないと言われ始め、理不尽にも悪者にされ続けてきたバリスティック・ストレッチングが見直されてきた』と申しあげました。

 

そして、「効果のあるストレッチであれば、悪いストレッチは存在していない。ただ、その用途が間違っているだけである」といちおうの結論をお伝えしたところで終わってしまった。

 

今回は、スタティック・ストレッチングがもつ具体的な効果に付いてからの開始となります。

 

当院主催のストレッチのセミナーでは、毎回、最初にご説明申しあげることでもあります。

 

あくまでも、可能性ということではありますが、以下の事柄は、正しいストレッチを正しい方法で実施なさっていらっしゃれば、お体で必ず感じていただけているはずの得られるはずの効果。

 

・関節が動く範囲を広げることで動作に余裕がでてくるので動きが楽になる。

・筋肉が部分てきに切れたり裂けたりする、いわゆる肉離れなどのケガの防止になる。

・筋肉の攣(つ)り・痙攣(けいれん)によって引き起こされる症状である、《腰痛・肩こり》などが軽くなったり改善する。

・血液の流れやリンパの流れが改善するので冷えやむくみなどの問題が大幅に改善する。

・痛みを引き起こしていた神経への間接的な圧迫が解消されるので痛みが改善する。

・筋肉が伸びることで、それこそ身も心も、つまり体もメンタル面もリラックスできる。

(・運動パフォーマンス性の向上)

 

たとえば、ハムストなどと略して呼ばれることが多くなってきた太ももの裏側のストレッチとお尻のストレッチをじっくりと行い、お尻から脚の付け根を通って膝のすぐ上の部分までの体の裏側部分が軟(やわら)かくなったとしましょう。

 

今まで脚(あし)を前に振りあげて腰のあたりまでしか上がらなかった方の足が、顔の前まで楽に上がるようになっているはず。

 

信じられないかもしれませんが、当院でストレッチの個人指導を受けられた打撃系武道の方々は、その場で楽に顔よりも高くつま先が上がるような蹴上(けあ)げができるようになっていらっしゃいます。

 

そうなれば、足をおへその前まで反動をつけて振り上げても、上半身が後に倒れる、あるいは姿勢が崩れることでバランスを崩すということはなくなります。

 

10できる人が自分の限界の10まで頑張れば、無理がくるのは当たり前。

 

でも、5までだったら余裕をもって楽にできるはず。

 

蹴上げが楽にできるようになったお客さまは、おへそのレベルが10だったのが頭の上が10となったわけです。

 

そうなると、最初の限界であるおへその高さは10ではなく4か、せいぜい5レベルへと変化してしまった。

 

5から6もの余裕ができたので、今までぎりぎりで行っていた動作が楽にできるようになったということ。

 

これが、上で、カッコ付きで“(・運動パフォーマンス性の向上)”と申し上げたことになります。

 

なぜカッコ付きかは、重要な問題ですので、後ほどくわしくお話させてください。

 

話しをもとに戻しますが、肉離れなどのケガの防止も同じことなのです。

 

例えば、足首を甲側に曲げて90度までしか行かない人が、パートナーストレッチで他人からそれ以上曲げられれば、フクラハギが引き裂かれるような痛みを感じてしまいます。

 

そのまま、一気に強い力でもう少し大きく曲げられたらどうなるでしょうか?

 

筋肉が裂けたり切れたりしてしまう。

 

常日頃申し上げている、「《ストレッチはどうじに関節技でもある》という私の口癖が分かっていただけるはず」というのは余談ですが…

 

このように“ケガの原因になりかねない”というのは分かりやすいですが、それ以外にも大きな問題があります。

 

筋肉がかたくなったままの状態だと、疲労物質がその部分にたまったままのため疲れは取れません。

 

筋肉がかたくなっていると新鮮な酸素と栄養を運んできてくれるる血液がその部分へと届かないからです。

 

どうじに老廃物をそこから運び出してくれる血液もそしてリンパ液も動きにくくなってしまいます。

 

筋肉の中や近くを通る、血液とリンパ液の通り道である、動脈も静脈もリンパ管も押しつぶされて細くなってしまっているため、渋滞した道路とおなじような状態となってしまっているから。

 

その結果はすでにご存知でしょう。

 

むくみや冷えが出てきたり、腰痛や肩こりや背中の痛みや脚の特定の部分がいつも痛いという状態におちいってしまう。

 

(かた)いブロックというか塊(かたま)りのようになってしまった筋肉は、直接ではありませんが奥深くの筋肉越しに、つまり間接的にではありますが、神経を軽く圧迫して痛みを引き起こしてしまうこともあるのです。

 

でも、正しいやり方で正しくストレッチを行えば、筋肉が伸びた状態を作り出せます。

 

そうなれば、筋肉も関節を包んでいる関節包(かんせつほう)も血管もリンパ管も皮膚も、そして神経さえも伸ばすことができるのです。

 

全てを伸ばしてしまうことが良いのか悪いのかは今回は割愛させていただきますが、筋肉が伸びた状態になると血行やリンパの流れは正常となり、体がほんわりと少し温かくなったり、体がリラックスすることで、メンタル面での深いリラックス状態も得られることになります。

 

物理的に体がリラックスするだけではなく、メンタル面でも、つまり精神的な面においても、両面でリラックスできるということ。

 

マッサージや指圧や足圧を受けた直後や少しぬるめの温泉にじっくりと浸かった直後、少しだけアルコールを飲んだ時、等々の身も心もほわっとして、全身が少しけだるいような快感に包まれた状態を連想してみてください。

 

色々な意味合いで、じょうずなストレッチを受けてもこのような状態となります。

 

リラックスしたときに顔をだしてくる、自律神経のうちの副交感神経(ふくこうかんしんけい)が主に神経を支配している状態となるからです。

 

擬音で言えば(?)《だらっ》とか、《ぐにゃっ》となった状態となるのです。

 

もちろん、自分で行うセルフストレッチでここまでの状態を作り出せるようになるには、多くの練習と経験、そしてコツやノウハウが必要となってきます。

 

でも、頑張って正しいストレッチをつづけることで、相当のレベルまで、筋肉的にも神経的にもリラックスしただらっとした状態をつくりだすことは可能。

 

もちろん、他人から見ても分からないレベルですが…

 

《スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Vにつづきます》

 

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Tはこちらへ

→ スポーツやパフォーマンス直前のストレッチは有害か?−Vはこちらへ

 

この記事をお読みくださり、ストレッチ全般に興味をもたれた方は以下の記事をご覧いただければと思います。

→ ストレッチングって何?

→ “関節内部機能回復調整法とストレッチング”目次

→ ストレッチや股割りのご指導をご希望の方はこちらへ

 

 

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