股割りをしよう!

このホームページを開設して以来、股割(またわ)りに関する記事を記そうか記すまいかと散々迷ってまいりました。
理由はシンプルです。

「股割りは正しく行えばケガ防止や運動障害の防止、そして運動のパフォーマンス性の向上においてひじょうに大きな効果があり、想定外の大幅な運動機能の向上さえも期待できます。でも、始めた直後の数日間から1週間程度は正しくやると苦行のようなもの。正直申し上げて、100人が始めても続くのは1人か2人というエクササイズです。つらいだけで効果は感じられない状態が続くし、不安になる一方なのです。そのうえ、間違っておこなうとすぐに腰痛を初めとする障害の餌食(えじき?)となってしまうから」なのです。

 もちろん、途中で何度もご説明申し上げることにはなりますが、「くれぐれも体を曲げようとしないことが重要です。慣れるまでは首は後ろに反らせ、体は真っ直ぐに伸ばした状態でアゴ先を斜め前方に引き上げることだけに集中してください!」。

ポイントは、アゴや顔を床に付けようとはしないこと。現在の私は、たまにしか股割りはしませんが、やるときでも上体を床にベッタリとは付けません。もっとも、今では昔通りには付かないでしょうが…
それは、現在、そこまでの柔軟性を必要とはしていないからです。ですから、ベッタリ写真(?)はご紹介しないつもりでしたが、熱心な読者となってくださっているお客さま数名より「それでは、説得力が無い」というアドバイスをいただいたので、数年前まで道場での稽古前に必ず行っていた頃の写真をご覧いただくことにいたしました。

この記事は、“足首から先の冷え解消法”、“膝から足首までの冷え解消法”、“脚の付け根から膝までの冷え解消法”につづく、《お尻と脚、下半身の冷え解消法》シリーズの第四弾としても、ここにご紹介申し上げます。
足首から脛やふくらはぎ、そして太ももまでの冷え解消を続けてこられた皆さまにはぜひともこのやり方で股割りをためしてください。今まで行ってきた押圧(おうあつ)がメインの手法とは異なった効果が期待できますよ!

→ その他のお役立ち情報をご覧いただける方はこちらへ

とは言え、スポーツ愛好家の方々ならばご存知のように、正しく行っているかは別にして、スポーツの準備運動のひとつにも組み入れられているほど広範囲に渡って効果が高いものです。とくに下半身のケガ防止には想像以上の効果を発揮してくれます。

理由は多くあるのですが、大きいのは股関節(こかんせつ)という本来の動きが非常に大きい関節にもかかわらず、可動範囲(かどうはんい)と呼ばれている関節が動く範囲が小さくなりやすい、脚の付け根の関節の動く範囲を回復させられるからだと思われます。
股関節に関係している筋肉は多くありますが、そのうち太ももの内側と裏側にも一部の硬(かた)くなりやすいいくつもの筋肉を柔軟(じゅうなん)にしてくれる優れもの。それが股割りです。

股割りの効用と申しますか、私が実際に体験し役立った効果に付きましては、“お役立ち情報”の“体の片側ばかりが悪くなる(含 股割りの効用)”にくわしくご説明申し上げております。ぜひとも、あわせてご覧ください。

また、“よくあるご質問 -Q&A-”の“脚の冷え改善の具体的な施療方法は?”にも多少、足先からお尻までの筋肉に付いて記しております。ご参考になさっていただければと思います。 

 

1. 股割り正面1.jpgまずは開ける限界まで両脚を開いて床やたたみに座ってみましょう。あきらかに腰が後ろに曲がってしまっているのが感じられますね。それと、脚の内側が痛いかも知れませんね。
脚の内側が痛すぎて我慢できないときには、少し閉じてみましょう。そして、ここでのポイントは後ろに曲がっている腰を真っ直ぐ伸ばすように体を天井に向かって引き上げる努力をしましょう。今腰が後ろに曲がっている理由は、骨盤が後ろに倒れてしまっているのが原因です。頑張って、骨盤を真っ直ぐに立てるよう頑張ってみましょう。床に当たっている左右のお尻の下が痛いはずです。それは坐骨(ざこつ)という骨ですが、痛いというのは床に対して骨盤が立っている証拠ですから。
2. 股割り正面2.jpg背筋を伸ばしアゴを後ろに反らした状態で、アゴを斜め前上方へと引き上げることで、自然に脚の付け根の関節、例の“コマネチライン”から上体が前へと折れていくのを感じましょう。このとき、両腕は無理をしない程度に前に伸ばしてその両手のひらを床に付けておきましょう。
そのままの状態で、もう一度脱力を心がけると少しだけ状態の傾きが大きくなります。その状態をキープしたままで30秒から40秒間。自然呼吸を続けながら、脱力状態を続けてみましょう。でも、絶対に背中を曲げようとか、状態を折ろうとはしないでくださいね。
3. 股割り正面3.jpg2ができるようになったら、床に張り付けた両手のひらを手前に引き寄せるようにしてみましょう。逆に上体がより前へと倒れることに気付くはずです。そして、両腕が床に付くようになっているはずなのです。
この『床への前腕付け(?)』が楽にできると、つい顔を床に付けようなどという邪心(?)がわいてきて、試したために腰が痛くなったという人はたくさんいます。くれぐれも、顔や額を床に付けるのではありませんよ! しっかりと上体を伸ばしたまま、首を後ろに反らせたために上がっている股割り側面正.jpgアゴがよりいっそう前斜め前方に引っ張られるイメージを持ってくださいね。
ここまで頑張ってやっていただければ、十分だと思います。倦(う)まず弛(たゆ)まずにつづけていただければと思います。
4. 股割り側面×不可.jpgもちろん、こんなことをしてはいけません。そのときは、軟らかくなれたように錯覚できて嬉しいものです。そのうえ、何も知らないまわりの人たちに見せると「すごい! あとちょっとじゃない。もうすぐにでも土人(つちびと?)に成れるよ」と言ってくれるはず。
でも、実際には腰と背中を傷(いため)ているだけですので、厳禁です。
5. 股割り10abril2005大.jpg現在、このレベルになるには1日30分練習しても、無理しなければ2週間近くはかかってしまいます。でも、3のレベルまで行き付けば後は時間の問題だけです。この記事ではこのレベルまで到達していただきたいとは考えていません。でも、もし行っている競技の関係上どうしてもという薄筋股割り用壁添いY字開脚.jpg方は次の点にお気を付けください。
それは、体の真ん中を走る正中線(せいちゅうせん)が床に付く順序。これだけには気を付けてください。最初は両方の坐骨というやせている人が姿勢を正して木の椅子に座ったときに痛いあそこですね。正中線上で言えば、肛門(こうもん)があたります。続けて、会陰部(えいんぶ:生殖器と肛門の間)、生殖器、丹田(たんでん:おへその少し下の下っ腹)、おへそ、みぞおち、胸、アゴ先という順序になります。これを意識するだけでもだいぶ間違いは避けられるはずです。
また、特殊なスポーツ等において特殊な運動性をUPする目的のため大きく開脚して股割りをしたいけれど、脚が左右に大きく開かないという方は、写真のように壁にお尻を付けて仰向けとなり、伸ばした両脚をその重さだけで左右に落としてください。これは太ももの内側の筋肉のうち、ひとつだけ膝関節を越えて脛(すね)の骨にくっ付いている筋肉だけのためのストレッチングです。効果は大きいですが、やりすぎると脚が元にもどらなくなりますので、念のために携帯電話を手にもっておこなってくださいね。
半分は冗談ですが、半分は本気です。実例を耳にしたことがありますから本気でご注意くださいね。家族や友人がいるところでやるか、時間を30秒未満から始めれば危険は少なさそうです。くれぐれも、救急車を携帯で呼ぶようなことにはならないようにお願い申し上げます。


武術道場に於ける武友たちへの股割り指導の経験だけでも、20年ほどはございます。経験に基づいて申し上げても、ほんの1時間弱でも指導をお受けいただければ、簡単にコツがおつかみになれます

ここで説明されているように真面目に行ったのに期待通りの効果がでないという方は、当院へお問合せください。

お問い合わせでも結構ですので、ご連絡いただければと思います。

お望みのお体の状態を獲得するために、とくに硬(かた)くなってしまっている筋肉を個別にストレッチングするというより有効な方法やエクササイズがある可能性もございます。というよりも、当院の施療における基本的な考えは『筋肉をまとめて伸ばすのではなく、硬(かた)くなってしまっている筋肉だけを伸ばす。もし可能ならばその筋肉のその部分だけを伸展(しんてん)して硬さを取り除く』というものです。その後に施療上必要ならば、問題の筋肉を単独、あるいはできるだけ小さな筋肉のグループでストレッチングするセルフケアの手法をご指導申し上げるようさせていただいております。

今回ご紹介申し上げた股割りのご説明は、通常、スポーツマンや武道家の方々に対する運動指導の一部としてご指導申し上げているものです。ですから、ご自身のパフォーマンス性の向上や身体能力アップのために股割りやそれをより簡単に行えるようにするための、補助ストレッチングをマスターなさりたい方々からのお問合せもお待ち申し上げております。

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この記事を読まれてがっかりなさった方がいらっしゃるといけないのでひとこと付け加えさせていただきます。一般的に、“劇的に”、“一瞬で”、“奇跡的に”軟(やわら)かくする手法が解説されてなかったのが残念だと思われた方々に申し上げます。
勿論、当院の施療ではお客さまに対してはいわゆる“効果がありすぎて驚かれる手法”、具体的には、“PNFストレッチング”、“MET(エムイーティー)”、“レジスタンス・ストレッチング”などを用いております。
レジスタンスストレッチングでは、相反抑制(そうはんよくせい)と自原抑制(じげんよくせい)の理論に、筋肉の長さを同じに保ったまま力を入れ続ける等尺性収縮(とうしゃくせいしゅうしゅく)だけではなく、必要に応じて筋肉にかかる力が一定で変化しない等張性収縮(とうちょうせいしゅうしゅく)も組み合わせてもっとも適切と思われる手法を選択し使用いたしております。

これは、お客様にたいして私どもが施療として行うばあいには、お客様から言葉や体の動き、そしてストレッチングの代償動作(だいしょうどうさ)と呼ばれる《逃げ》などに細心の注意を払いながら、けっして伸ばし過ぎないようにできるからなのです。

では、なぜここでご紹介申し上げなかったかと申しますと、「自分自身で行うと痛みを余り感じることなく伸ばしすぎてしまうため」です。その場は大丈夫でも、翌日から動けなくなってしまったこともあります。太ももの裏側のハムストリングという2つの筋肉が2つづつに分かれている部分に対して、試したときがいちばんひどい状況となり、氷で冷やしながら、状況を観察しつつスタティックストレッチングをおこなって数日間で何とか改善をいたしましたが、セルフで行うとほとんどの方が無理をしすぎてしまうというのがその原因です。

また筋肉を個別に伸ばすことができないと、本来伸ばすべきではない筋肉を柔軟にして見た目だけ股割りができるようになってしまったかのように錯覚してしまうこともあります。以前、ある講習会で上記の手法を用いてデモンストレーションを行いましたが、体がある程度柔らかい方の額が床に付いてしまったのです。勿論、本来の正しい股割りとは違って、背中が曲がった状態での話でした。

以上が、上記の手法を用いたセルフストレッチングの手法をご紹介しなかった理由です。もしご希望の場合には、それらの専門書やビデオを参照なさって行われるか、専門家の指導をお受けいただくことをおすすめ申し上げます。もちろん、当院でのご指導をお受けいただくのも大歓迎です! 

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