お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅴ:当院での考え方と対処法-
中には少数ですが、
「前歩きはやりやすいが後ろ歩きがやりにくい」
または、
「後ろ歩きはやりやすいのに、前歩きは苦手だ」
とおっしゃる方もいらっしゃる。
このケースは、骨盤自体が歪(ゆが)んでいるのではなく、骨盤全体が必要以上に前に倒れていたり、後ろに倒れていることがほとんど。
骨盤が前に倒れているの状態は骨盤の前傾(ぜんけい)と呼ばれますが、ご自身の姿勢が良すぎると感じたり他人からそのように言われたことがある方はこのタイプ。
いわゆる反り腰(そりごし)ともよばれる姿勢で、最近の健康番組や雑誌などでは脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)タイプと言われることもあるようです。
姿勢が悪いとか、少し腰が曲がっていると言われることが多いのは、骨盤が後ろに倒れている骨盤後傾(こうけい)で腰の部分の背骨が後ろに飛び出るように曲がっている状態。
ちなみに、椎間板(ついかんばん)ヘルニア型(がた)だそうです。
ご自身でお尻歩きをすることでチェックし、かつゆっくりと少しづつではありますが、骨盤の歪(ゆが)みのうち代表的な歪みの矯正(きょうせい)や調整(ちょうせい)をおこなってみましょう。
前々回、“お尻歩きをしよう!⇒骨盤の歪(ゆが)みがすぐにわかる−Ⅲ:当院での考え方と対処法-”で申し上げた通り。
日々気になるレベルの腰痛をお持ちの方がお尻歩きを真面目に行ったばあい、腰痛や骨盤の歪(ゆが)みを悪化させてしまう可能性が高いので、ぜったいにおやめください。
でも、いつも腰痛があるわけではないし、お尻歩きをしても軽い疲れを感じる以外にとくに痛みなど気になることはないというばあいには、次のことに注意しながらお尻歩きを数日間つづけてみていただければと思います。
左右でお尻歩きしにくい側と前後で進みにくい方をメインにおこなう。
たとえば、右側で前に進むのが楽で後ろに進むのがやりにくいとしたら、右側で後ろに進むのを中心にする。
やりにくい方は意識して強い力を入れて大きく動かしながら歩きますが、反対側はやる気なく軽くやる感じでお願いいたします。
もし、時間が無ければ、やりにくい“右側で大きく後ろ方向へと進む”だけおこなっていただいても構いません。
数日つづけてみて、左側の方がやりにくくなってきたら、たとえば左側の前に行くのが苦手のように感じたら、こんどは、それを中心に歩くようにします。
お尻歩きで両側でほぼおなじ感覚でできるようになるころには、最初に始めた頃とは比べものにならないくらい一歩で歩く距離、つまり歩幅が大きくなっているはず。
そのうちにお尻や腰などの一部の筋肉がかたく感じたりブレーキになっていると感じるようになったら、それは骨盤の歪(ゆが)みの問題ではなく、その骨盤の歪みを引き起こした原因の筋肉のアンバランスや柔軟性(じゅうなんせい)の足らなさもやりにくさの別の原因だった可能性があります。
専門家の指導を受けてその部分だけを伸ばすストレッチをおぼえたり、その方の指示に納得がいけば改善指導や調整を受けるのも良いかもしれません。
何らかの運動や表現パフォーマンスをなさっていらっしゃる方ならば、一気に体の動きが楽となりパフォーマンス性が大はばに向上する可能性が大きいですし。
また横道にそれますが、当院で骨盤の歪(ゆが)みをチェックし、今回申しあげた≪骨盤の左右外側に出っ張っている骨の位置が前後に回り過ぎている状態を元のあるべき位置に戻す≫という十数種類中の歪みのうち一種類の調整だけでも高い効果をその場で感じてくださっているお客さまはひじょうに多いのです。
当院の施療をお受けいただいた慢性腰痛の方々のほぼ全員にその痛みが大はばに軽減したり、運動施療・指導、とくに柔軟性(じゅうなんせい)向上をご希望のあらゆるジャンルのダンサーやコントーショニスト(柔軟・バランス芸)や新体操を初めとする表現スポーツの競技者やパフォーマーというある意味、ご自身のお体に付いてくわしくご理解なさっていらっしゃるお客さま方のある特定の動作が大はばに改善している。
その場でわずか一種類にすぎないこの歪みを矯正するだけで、腰痛が軽減するかその動作が目でみて信じられないほど大きな改善を得られるのとおなじことを体験していただきたかった。
もちろん矯正効果は劣りますし、改善スピードにも時間はかかりますが、ご自身で改善させられる可能性があると考えて今回、全5回からなるお尻歩きの記事を記させていただいたしだいです。
この記事シリーズの最後に再び繰り返しとなりしつこくて申しわけないのですが、普段から腰痛でお悩みの方はお尻歩きを行わないでいただきたい。
専門家のチェックと施療や指導をお受けください。
また、前歩きと後ろ歩きの両方を試してもらい、もしお尻歩きのやりやすさで左右、または前後での差が大きく、そのうえ立って両膝を伸ばしたままで前に体を倒す動作と後ろに倒す(=反らす)動作をおこなって前後で違いがあり過ぎたり、どちらかで腰に強い痛みを感じるばあいには、必ず腰痛の専門家か当院へのご相談やお問い合わせをいただきたくお願い申しあげます。
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