腰にも骨盤にも原因がなかった腰痛?−Ⅰ:肋骨(ろっこつ)が原因だった!
当院のサイトとしては、少し毛色の変わったお話のご紹介。
でも、とても大切なことですし、大げさに言えば命にかかわる可能性がないとも言い切れない…
今まで2回しか経験がありません。
それも当院のお客さまではなく、私の個人的な友人2人との体験談。
ちなみに、当院のお客さまについては同様の経験はないのでご安心ください(?)。
初回施療に付いてのお問合せをいただいたお客さまで、腰痛が腰の部分の関節や筋肉などの問題が原因ではなく、別の病気やケガなどが原因である可能性が高いと思われたケースは今までに5件ほど。
「整形外科の専門の先生の診断をお受けいただき、問題がなければもう一度ご連絡いただきたい」と申し上げたのですが、その後おひとりとして当院へと再びお問い合わせをくださった方はいらっしゃいませんでした。
当方の願い通りに病院で診断を受けていただけたのか、それとも別の整体院などへと向かわれたのか…
分かりません。
でも、今回ご紹介申し上げるのは、すべての状況がわかっている2つのケースに付いて。
当時52〜53歳ぐらいだった体力自慢の男性TK氏と健康に自信をお持ちだった33歳の女性IA氏についてです。
まずは、体力的にも外見的にもとにかく若く見えた男性の友人のケースから。
テレビの報道番組やドキュメント番組のディレクターを数十年にわたってつづけられており、体力的にもメンタル的にもひじょうにストレスのたまる生活を送っていらっしゃった方。
当方の前職時代、30年ほど前に報道のお仕事で文字通り、命がけの取材を潜り抜けてきた中で友人となっただけにどれだけストレス過多のお仕事を送っていらっしゃるかは十分に存じ上げておりました。
そして、良くも悪くも、今のいい方だとメンタルの強い方、昭和の言い方だと根性(こんじょう)のある人、つまり人並み外れて強い精神力をお持ちの方だったのです。
この私の好きな根性のあるタイプの方々は、腰痛や肩こりを我慢しつづける傾向が強すぎ、ややもすると相当ひどい状態にならないと対処しようとしないという大きな欠点をお持ちです。
というのは、余談ですが…
柔道経験者であるこの方は、柔道時代からすでに、そして止めた後も、長年ずっと腰痛で苦しまれていらっしゃってこられたことは何度も耳にしておりました。
いつも腰痛を感じていらっしゃり、「ときどき悪化するけれど、2週間も気合(=メンタル力、根性、精神力など)で仕事をしていると治る」(本人談ママ)という肉体面でもメンタル面でもストレスがたまりっぱなしの生活を送っていらっしゃった。
「今まで病院での診断以外の治療も施療も受けたことは無く、整体なども数回受けたが効かなかった。それから整体を受ける気はなくなってしまい、気合だけで、今まで生きて来た」とのことだったのです。
友人関係に万が一にでもヒビは入れたくないとの考えから、当院の施療はわざと受けなかったとのことですし、またあえて腰痛セルフケアのアドバイスも求めなかったと後に話していらっしゃいました。
あるとき、そんな彼から突然電話が。
なんだか話にくそうな感じで世間話を数分間つづけた後、思い切ったように、今までとは違った感じがしたそのときの腰痛に付いて話し始めたのです。
・骨盤(こつばん:お尻にある広い骨が合わさったもの)と腰椎(ようつい:背骨の腰の部分の骨)のつなぎ目も痛いし、腰全体からお尻までこっていて痛いけれど、一番痛いのは腰の上の方が背中の幅全体にわたって痛い。
・動くと腰の上の方がとくに痛くなり、鋭い刃物を突き込まれたようなイメージで、その場から一切動けなくなることがある。
・今までに腰痛でひじょうに痛いことはあったが、そのどれとも似ている気はしない。でも、あえて言えば、ぎっくり腰のひどいときのような痛みがどんな姿勢を取ろうとも少しも軽くならない。
他にもいろいろな症状があった……というかあり過ぎたのです。
こまかい痛みが、腰全体にわたって…
それも、≪おなじところに痛みがつづくのではなく、痛む部分が移動する。でも、腰の上の部分の方が痛いことが多い≫というのが一番気になりました。
電話で1時間も話したでしょうか。
当方からのアドバイスは、≪知っているかぎりの腰に効きそうなストレッチをして、もし痛みが増すようならば、病院で診てもらう≫ようすすめました。
あちらこちらが痛いから神経が過敏になっているのではないかといくつかの可能性が高い具体的な病名の候補をおっしゃったのですが、そのうち2つは可能性が高いと思えました。
ではありますが、私はお医者さんではないし責任をもってお話できないため、ご本人が行きたいとおっしゃっていた神経内科ではなく、最初に近所で評判の良い整形外科の先生の診断を受けるようおすすめしたしだいです。
結局、最初に受信した整形外科での関連痛という診断には納得がいかずに、2つめの整形外科でしっかりと検査をしていただき原因がわかったのでした。
そのときは信じられなかったそうですが、肋骨(ろっこつ)が3本折れていたとのこと。
これが、骨の部分だったのか軟骨(なんこつ)の部分だったのか、その両方だったのかは分からないのですが(←ご本人が診断時にたずねなかった)、病院で肋骨用のコルセットを購入して、昔、柔道でさらしを巻いて稽古をしたときを思い出しながら数週間不自由な日常生活を送っているうちじょじょに回復したとのことでした。
ちなみに、肋軟骨(ろくなんこつ)と呼ばれる肋骨の軟骨(なんこつ)の部分は、背骨の椎間板(ついかんばん:背骨の骨と骨の間にはさまっているクッション)などといっしょで、ふつうの骨とはちがいレントゲン写真には写らないので、医師の先生の読影(どくえい)、問診、診察などの結果による総合判断が必要不可欠。
また、肋骨のふつうの骨の部分であっても単純X線写真ではとても見にくいケースもあると医師の方から教えていただいたことがあります。
そのうえ、12本ある肋骨のうち下の2本は背骨には付いているのですが、胸の前の骨である胸骨(きょうこつ)には付いておらず、ちょうどちゅうに浮いた形なのでとても折れやすく、古武道や古武術で効果の高い急所として狙(ねら)って攻撃するほどなので注意が必要。
ちょっと期待外れの結果だったかもしれませんが、ここで申し上げたいのは、
「ひどい腰痛のばあいには、最初に近くの医院やクリニックでも、あるいは大きい病院でもかまわないので、整形外科の診断をお受けいただくことをおすすめします」
「どう考えても重症とは思えないからただの腰痛(?)だと考え、最初に民間療法を受けるならば、しっかりと腰痛の症状を聴いてくれ、十分に時間をかけた体へのチェックしてから施療を開始する整体や施術院などを選んでいただきたい」
というのが、私からのお願いです。
当院の施療をお受けいただく皆さまのほとんどが、病院と他の治療院で多くの治療や施術や施療を受けていらした方々なのですが、それでもとにかく時間をじゅうぶんにとってお困りの腰痛に付いてのお話をお聴きしているほどなのですから…
長くなりましたので、腫瘍(しゅよう)が原因でひどい腰痛を経験した友人の話は、下のリンクからご覧いただければと思います。
⇒“腰痛ではなかった腰痛?−Ⅱ:腫瘍(しゅよう)が原因だった!”はこちらへ