仙腸関節とは−Ⅱ:骨盤の歪(ゆが)み?
当院では≪“骨盤の歪(ゆが)み”とは、“骨盤の奥に隠れて2つある仙腸(せんちょう)関節というわずか5〜6㎝ほどの長さしかない関節で2つの骨が正しい位置関係ではなくずれた状態となっていること”≫であると考えております。
また、通常は広い意味で≪仙腸関節の10数種の異なるタイプの動きのなめらかさが足らないこと(←動作の円滑性の欠如)とその動く範囲がせまくなっていること(←可動域の縮小)≫の2つの問題もふくめ、骨盤の歪みという表現を用いているのです。
火水流整体術院のホームページ(=サイト)の多くの記事の中やFacebookの火水流整体術院ページ、そしてアメブロ(アメーバブログ)の火水流整体術院のブログでも、この広い意味で骨盤の歪(ゆが)みと申しあげております。
仙腸関節の動きになめらかさが足らなくなったり、その動く範囲がせまくなると腰痛やお尻の上の方の痛みである骨盤痛(こつばんつう)、脚(あし)の付け根の関節である股関節(こかんせつ)など、近くにある関節ほど大きい影響を受けてしまうのです。
色々な説がありますが、当院では、≪仙腸関節は体の真ん中にあり物理的に様々な方向からの力が集中する骨盤の中にある唯一の動く関節であるため、多くの方向へと動くことでその受けた大きな力を軽くするというかやわらげてくれるショックアブソーバーやダンパーの役目を果たしてくれている重要な装置である≫と理解しております。
ちなみに、お客さまへは、衝撃吸収受け流し装置(!?)という当院の造語でご説明申しあげるとご理解いただけやすいようです。
写真を見る限りではあまり動きそうもない感じがしますし、動く方向だってそんなにあちらこちらとたくさんあるとは思えないというのが正直な印象ではないでしょうか?
動きのなかで一番連想しやすいのは、仙腸関節の外側の骨である寛骨(かんこつ)ですが、これは歩くたびに動きます。
足を前に踏み出すと後ろ方向に回るし、そのとき反対側の足が後ろに行くのですが、そのときの寛骨は前に回っている。
当院ではつかわない表現ですが、骨盤が開くという言葉を聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
女性のO脚(おーきゃく)や下半身太りのひとつの原因であるとも言われているものですが、これはどうやらこの関節の後ろ側が開いている状態のようです。
実は、後ろ側全体が開く以外にも、後ろ側の上の部分だけが開いたり、下の部分だけ開いたりということもあるし、上の部分が後ろと前とどうじに開くことも、下の部分だけがということも。
まん中の短いエンピツ型の仙骨(せんこつ)は、前に傾いたり、後ろに傾いたりするのですが、そのたびに仙腸関節は異なる方向へと動くのです。
両側の仙腸関節がどうじにおなじ方向へと動かなければならないのに片側の動きが小さくなってしまったり、それぞれが逆の方向へと動かなければならないのに片側だけが動きにくいなどの動きの状態と動く長さのアンバランスが出るケースもある。
いくつかの基本の動きが組み合わされた複雑な動きが引き起こされる下半身や上半身の動きもありますが、仙腸関節が複雑な動きをすることで骨盤へと集中しすぎる強い力を弱めてくれているありがたい関節だと考えられるのではないでしょうか?