頑固な肩こり解消法:陸上水泳(?)のお薦め

軽い肩こり解消法は、数回でコツもつかめますし軽いうちの肩こりならば短時間で改善が可能です。でも、肩こりにはいくつかのタイプがありますので、それら全てに改善効果を求めるには、少し物足らないというのが正直なところです。

ここでご紹介するエクササイズは、やり方次第では上半身から腰や骨盤までしっかりと動かすことが可能。
また、工夫次第では下半身までも動かせるというメリットがあります。
デメリットは慣れるまで、少し時間が必要なことでしょうか。

でも、覚えるだけの価値は十分にあります。少しだけ頑張ってみませんか?

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→“肩こり解消エクササイズ再び:エアー腕立て(!?)”はこちらへ



かんたんに言えば『床に横向きに寝た状態で天井に近い方の腕でクロールと背泳ぎを行う』だけです。水泳で行うときよりも、動きを誇張しておおげさに体を動かしてもらうことがポイントになります。このエクササイズは、腕の付け根の関節と肩甲骨の動きの6つを全て改善しようという欲張りな目的をもつエクササイズです。もちろんそれだけの効果が期待できることはお約束します。

クロール
まずはクロールから見ていくことにしましょう。腕を前に出して水をかいこむようにするとき、人間の体の連携やリズムという視点から見た場合の“正しい”動きは、『腕を思い切り前に出しながら、腕を付け根から思い切り内側に捻り、体の前の方に少し寄せながら、腕を上から下へと下ろす』ということになります。
このシンプルな動きの中には肩関節の5つの動作*1と肩甲骨の6つの動作*2が含まれているのです。

1. 体をどちらかに向けて横向きに床に寝てください。体は自然に伸ばした状態にしましょう。
2. 天井側の腕を伸ばして耳の横に近付けてください。
3. 体の真ん中の方に入り込むように、指先まで伸ばした腕を内側に捻(ひね)りながらできるだけ遠くまで伸ばしながら、水(空気?)を掻き込んでくださいね。
腕が腰に向かって動いている間は、背骨が前に曲がって腰まで猫背になっているはずですよ。
首も前に曲げてくださいね。これが自然な動きなのです。
そして伸びた手のひらは外側を向いているはずです。
4. 腕が下を向いて体の横に付いたら、今度は腕全体を外方向へと捻りながら、後に回していきます。このとき上半身を前に曲げた状態から後へと反らすように、もちろん首も後ろに倒すように反りながら、腕は背骨に向かって入り込んでいきます。
5. 伸びた腕が耳に付いたら1に戻って、これを5回程度、きわめてゆっくりと行いましょう!


指先の動く速度はゆっくりです。1秒間に10cmから15cm位が良いのではないでしょうか?

腕の付け根の関節が離れていくのと背中にある肩甲骨が動くのをしっかりと感じながら、気持ち良い強さで行ってみてください。

 

背泳 
長くなりましたが、あと半分。もう少しお付き合いください。
次は背泳ですが、クロールとは逆の動きをなさっていただくだけ。要領は、全く一緒です。

1.

体をどちらかに向けて横向きに寝ましょう。体は自然に伸ばした状態ですよ。

2.

天井側の腕を伸ばして耳の横に近付けてください。

3.

体の真ん中の方に入り込むように、指先まで伸ばした腕を外側に捻りながら、つまり手のひらを外に向けつつ、できるだけ遠くまで伸ばしすように空気を掻き込んでくださいね。
腕が腰の方へと行くまでは、背骨が反っているので腰まで後に向かって反っているはずです。
首も後方へと反らせてくださいね。

4.

腕が下を向いて体の横に付いたら、今度は腕全体を内側方向へと捻りながら、体の前で下から上へと回していきます。このとき後に反らせた上半身を伸ばした状態から前へと曲げるように、もちろん首も前に倒すように曲げながら、腕は体の中心線に向かって入り込んでいきます。

5.

伸びた腕が耳に付いたら1に戻って、これも5回程度、秒速10cm〜15cm程度のスピードでゆっくりと行いましょう。

 

参考−これだけでは物足らない方へ

慣れてきてもう少しハードなエクササイズにしたいとお考えになられたら、以下のポイントも試してみてください。

肩甲骨の動きを意識しながら、胸を体の縦方向と横方向へと向かって上下と左右に開いたり縮めたりすることも意識的して行ってみましょう。上半身の動きがより大きくなるはずです。

上半身を前に曲げながら胸を左右から閉じる、クロールの水を前から掻(か)い込む動作の時には、骨盤を後に倒すようにしてみましょう。

背泳で腕を後に回すときには、上半身を後に反らしながら骨盤を前に倒すよう意識してみましょう。

骨盤の動きを意識して行うことにより、背骨の腰の部分の骨と骨盤をつないでいる関節*3の動きを良くすることができるはずですよ!

理論的には少し複雑なのですが、動きを伴って反対側の筋肉を使うことで脳からの反射により目的の筋肉を伸ばすタイプのストレッチングの1つです(ヘンテコな説明ですみません)

専門的になりますが、肩こりが解消するのは、肩甲骨の動きを改善するダイナミック・ストレッチングによるところがほとんどだと思います。

  → ダイナミック・ストレッチングについて詳しくはこちらへ


*1

クロールでは、肩関節を内側に寄せる・内側に捻(ひね)る・背中方向へと上から下へと縦に動かす・外側に捻る・外側に寄せるという5つの動作になります。また、背泳では肩関節を外側に寄せる・外側に捻る・背中方向へと上から下へと縦に動かす・内側に捻る・内側に寄せるという5つの動作です。

*2

肩甲骨を上にあげる・下から上へと外から内へと回す・外側へと開く・下へと下げる・上から下へと内から外へと回す・内側へと閉じるという6つの動作です。

*3

腰の骨と骨盤の真ん中に太いエンピツの形をしている仙骨(せんこつ)という骨をつないでいる腰仙関節(ようせんかんせつ)という部分のことです。椎間板ヘルニアが多くできることでも有名な部分ですね。

 

薀蓄(うんちく)コーナー

体には『ある部分がこのように動くと別の部分はこのように動く』という連動性という法則が存在しています。これに従って動くと体を楽に、自然な形で動かせると言われているのです。

『腰が反る(=腰椎前彎:ようついぜんわん)と骨盤が前に倒れる(=骨盤前傾)』やその逆に『腰が曲がる(=腰椎後彎:ようついこうわん)と骨盤が後に倒れる(=骨盤後傾)』等が分かり易いのではないでしょうか?

例えば、アメリカ映画に登場する軍人が「イエッサー!」と言いながら気を付けをしている姿勢を思い浮かべてみて下さい。姿勢が良すぎるため(?)、腰が反り返っていて骨盤が前に傾いていますよね。

それと対照的なのが、お年寄りの姿勢です。腰が曲がっているだけではなく、骨盤が後に傾いています。だから、体が前に倒れないように膝が曲り太ももも後に倒れているわけです。

これらの動きも『連動性』の結果であり、自然な動きなのですね!


当院の施療をお受けいただき、肩こりや肩の痛みや動きの悪さ等々のお悩みやトラブルが完全改善なさった皆さまからいただいたご体験談はこちらをご覧ください。

肩甲骨のこりとぎっくり腰からの慢性腰痛
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肩の痛みと動作不良
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