症状がひどくなってしまうとセルフケアだけでの腰痛・肩こりの改善は限りなく不可能に近い
いつも、長いタイトルですみません。
この記事の内容は題名そのまま。
≪腰痛・肩こりの症状がひどくなってしまっているとセルフケアだけでの完全改善は限りなく不可能に近い≫ということをお伝えしたいのです。
個人的な自己改善施療を実施したのは、今までで合計3回。
当院のお客さまの症状の中でもワースト5に入りそうな腰痛の最悪状態を1回と一般にひどい状態と呼ばれるものを1回、そして施療のプロならば自己改善できて当たり前という状況を1回体験しております。
合計3回の最悪・酷い・普通のツライという三段階の腰痛・骨盤痛・坐骨神経痛のパック(?)の苦痛な体験を、セルフケアだけで完全改善することはきわめてむずかしいと言わざるを得ない。
≪セルフケアだけで改善するのがきわめてむずかしいという原因は4つある≫と分析しております。
Ⅰ.時間がかかりすぎる
下のⅡとも密接な関連があるのですが、≪自分の体に対しては物理的にできることが制限されてしまう≫。
他人の体に対してできることも自分自身に対してはできないことが多い。
施療で重要なのは効果的に正確にピンポイントで特定の部位に力を伝えて動かすこと。
ストレッチをする場面を想像してもらえばわかりやすいのですが、うまい人ほど自分の体の位置をこまめに移動し、姿勢も変化させていきます。
これはストレッチに限らず、すべての施療技術に共通の重要なポイントです。
プロとアマの違いが如実に現れる点でもあります。
いかに無理なく最大の力を伝えるかということ。
≪当院で古武道や現代武道の体の運用法を多く使用している≫のはこのためだというのは余談ですが…
そのために、いろいろと工夫をしなければならないし、とても多く時間がかかってしまう。
また、他人に対するのと同じ効果をだせる方法を見つけたとしても、その効果が小さいため、何倍もの時間をかけて繰り返さないとならないばあいも生じてくる。
Ⅱ.技術的に不十分
他人に対しては両手・両足をつかって自由に体の位置関係を変えて自由に施療ができるが、自分の体に対して体にくっついていて固定されている自分自身の手足を自由に使うことは大幅に制限される。
例えば、だらっと体から力を抜いた状態で、自らの背骨ひとつひとつを手の力で後ろや前や横に曲げさせたり、左右にねじったりすることは不可能。
他人に対しては何ら問題なくできることであっても自分に対してはできないということは多いのです。
そのたびに、3次元のパズルを解くように、やり方を考え出さなければならないのである。
そして、いくら工夫しても不可能ということが多く出てきてしまう。
ひと言でいえば、自分自身の体だからこそ物理的にできないことが多すぎるのです。
Ⅲ.感覚的な問題
体の部分、部分に、正確に痛みを感じたり、ある面積をもつ範囲に張りやこりを感じたり、何か問題がありとうと感じられるのは、感覚受容器(かんかくじゅようき)という名前をもつ体の不調や問題点を感じるいくつものセンサーが正常に働いてくれているから。
腰痛に限らず肩こりの肩のこりや痛みなど他の痛みでも、実際に痛みを感じている部分が問題の部分とは限らないことが多い。
一例をあげれば、骨盤の真ん中の骨、尾てい骨の上にある短い幅の広い鉛筆のような形をして骨盤のまん中にある仙骨(せんこつ)という骨全体が痛いとおっしゃるケースはひどい腰痛の方にとても多い。
私自身がそこに強い痛みを感じた最後はもう14年も前になりますが、自分に対してもまた当院のお客さまにたいしてもその骨の近くの関節や数個の筋肉への施療は行いましたが、その骨自体への施療を行うことなくその痛みの完全改善を行っている。
⇒ 仙骨(せんこつ)と仙骨の痛みについては骨盤の痛み”を参照ください。
つまり、腰痛が悪化してくるとじっさいに痛みが出ていると感じている部分と実際に痛い部分がズレているケースは枚挙に暇がないのです。
これは感覚のセンサーが正常に働いておらず脳へと間違って伝えてくるし、もっとひどくなるとまったく感じなくなったりするため、はなっから悪い問題があるということにさえも気付かないケースまであるということなのである。
Ⅳ.精神面の不安
完全に改善するのかという自問と生活をある程度犠牲にしながら自分で行っていることが無駄な可能性があるというセルフケアをやるためのモチベーションの低下。
昔、いくつかの国で囚人に対して穴を掘らせ、ある程度の深さに達すると、すぐにそれを埋めさせるという作業を延々と繰り返させるという精神を崩壊させる目的の拷問があったと聞いたことがあります。
また、この日本でもある特定の団体の人々が精神的に追い込むためにやらせていたという噂を耳にしたことも。
それを考えると、自分が行っているセルフケアがどのていどの改善効果があるかわからないし、もしかしたらまったく効果が無いかも知れないとことを毎日真面目にコンスタントに長時間行うのは精神面にとてもキツイ行為のはず。
個人的には、1日最低でも8時間以上、毎日休み時間無しで1か月以上自分の知見のみを信じて、右脚の麻痺まで出た腰全体に痛みを感じる腰痛・骨盤痛・坐骨神経痛・太ももとふくらはぎの頻繁な攣(つ)りへのセルフケアのみでの改善努力は良くできたものだと思っています。
でも、当時のような暗闇の中を手探りで歩くような状況となったら、私自身、もう二度とできないだろうと考えています。
無人島にお住まいならば仕方ないし、またご自身で改善施療のプロを目指して勉強なさっているのならともかく、やはり他の専門家の助けなしにセルフケアだけで、腰痛や肩こりを初めとする体の根深い不調を改善し、その再発まで防止するのはきわめて困難。
不可能に近いと申し上げざるを得ません。
やはり、腰痛なり肩こりなり、専門家の施療を受けていただくのが完全改善への最短距離となります。
ひどい問題点を改善施療するというよりも、良くなった普通の正しい状態を維持するためというのがセルフケアのとらえ方ということ。
ぜひとも、ご自身の症状に改善施療と共に精神面でも寄り添ってくれる腰痛や肩こりの専門家に頼ってください。
そして、改善した後には、その専門家に指導を受けたセルフケアで再発の芽をつぶしていただくのが最良の方策であると申し上げてこの記事の終わりとさせていただきます。
整体を始めとする民間療法に抵抗がある方へのアドバイスもふくめ、整体院や民間療法の施療院を探す具体的な方法は以下の記事が参考にしていただければと思います。