腰痛がヤケドで体のひずみは火?−Ⅱ
では、ヤケドと火、つまり腰痛や肩こりなどの結果とその原因にたいして、具体的にはどう対処していくべきなのでしょうか?
当院では、お体のチェックはもちろん一番最初にさせていただきますが、改善のための施療は、お客さまのもっとも気になっていらっしゃるところから開始いたします。
人間の体は、あたりまえですが、フィジカルな体の部分とメンタルな精神面の両方から構成されています。
そのどちらをもないがしろにするわけにはいきません。
2つの面は強く結びついていて、一体となって私たちに強い影響を与えているからなのです。
特殊なケースだと思われるかもしれませんが、ひんぱんにいらっしゃる腰痛で施療をお受けくださったお客さまの実例をいくつか紹介させていただきます。
肩こりの例ではなく、ひどい腰痛で施療をお受けいただいた皆さまの例です。
・首と背中の上の方がガチガチにこっていて、見るからに硬(かた)くなっている。
・背中の上の両側にある肩甲骨の片側がバリバリに張っていて、その肩甲骨(けんこうこつ)の動きがすごく小さい。
・背骨の片側が10cmほどの長さでかまぼこのようにふくらんでいて、体をねじってもらってもその部分だけはまったく動かないし、片側へはねじれるのに、反対側には体がねじれない。
・左右どちらかの足では片足で立つことができないし、歩くとき片側だけ横の方へとお尻(=骨盤)が振られている。
・お尻がすべて硬(かた)くて、あぐらをかくと後ろにひっくり返ってしまう。
・太ももの裏側、とくにお尻の下にある骨の近くが突っ張っている。
下の3つの症状はともかく、上の3つは腰痛と無関係に思えるかもしれません。
でも、ここで申し上げた6つのケースは、すべてそれが腰痛の原因だったのです。
ですが、火を遠ざける前に、ヤケドじたいの改善をさせていただいたことは言うまでもありません。
もっともお悩みというか苦しまれていらっしゃる、腰の痛みから改善させていただいております。
チェックでわかった腰痛の原因はそのままにしておいて、腰痛にたいする改善施療をおこない、身も心も、そのばで楽になっていただいたということなのです。
その大まかな手順を申し上げるならば、
まずは立った状態でゆっくりと動いていただき、腰痛の現れる位置やどう動くとその痛みがひどくなるかなど、いくつかのポイントをチェック。
ただちに、関節内部機能回復調整法により、問題となっているお尻の骨(=こつばん:骨盤)と腰の骨(=ようつい:腰椎)の関節の動きを完全改善させていただきます。
脚の付け根の関節に原因があるばあいには、その部分にたいしても関節内部機能回復調整法を使わせていただく。
腰痛の出ている場所やその痛みを抱えていらっしゃった期間の長さ、お体のやわらかさ、などなどにより痛みがどのくらい改善するかはちがってきます。
でも、だいたい、40%から95%のあいだで痛みが減ったとおっしゃってくださいます。
つづけて、15種類以上にわたる施療用のひじょうに細かく繊細なストレッチのうち、その症状や問題の部位に効果がある2〜4種類を選んで行うことで、さらに残りの痛みの少なくとも90%以上の痛みや不快感が改善される。
ふつうの言い方ですと、「完全に良くなったみたい。もうだいじょうぶ!」と言ってくださいます。
そのまま、“火”を取り除く施療をご希望のばあいには実施いたしておりますし、とりあえずヤケドの改善だけで終わられるお客さまもいらっしゃいます。
今回のテーマからは外れますが、“火”を取り除く、つまり姿勢もふくめた腰痛の原因である問題点を取り除くということについてもお話させていただきます。
第1回目の施療後に、ヤケドに対してどのようなことを行ったか説明させていただいてから、通常1〜3回となりますが、ヤケドが完全改善するために必要な施療の回数をお知らせします。
そして、その1〜3回の施療と合わせて同時にご自身でやっていただく再発防止のストレッチを中心としたセルフケアをご指導申し上げるばあいも多くございます。
くわしくは、当院独自の“三段階療法”をご覧いただければと思います。
テーマに戻ります。
《体の歪み(=ひずみ=ゆがみ=アンバランス等々)が改善すれば、腰痛や肩こりが改善するのか?》という疑問にたいする回答ですが、
『長期的なスパンでは改善の可能性が高いし完全改善も不可能ではないが、腰痛や肩こりなどの痛みから逆に歪みが作られる可能性も高い』
と言わざるをえないというのが当院の正直な考えです。
ここで申し上げる結論じみた意見は、あくまでも当院の考え方になります。
「体の歪みを解消してバランスのとれた骨の配置と筋肉の状態を作り出すことは重要です。でも、それだけで腰痛や肩こりが改善するためには、そうとうの時間がかかる。そのうえ、改善する前の腰痛や肩こりが、また新しく歪みを作り出してしまう可能性はとても高い」
ということなのです。
「おすすめしたいのは、《腰痛や肩こりの原因と結果の両方をいっしょに改善する方法》。もしそれが無理ならば、《体だけではなくメンタルまでも破壊する可能性をもつ、痛みという人間の最大の敵を最初に取り除き、その後で体の歪みを正していくという順序での改善方法》」
きょくたん過ぎるかも知れませんが、「《とにかく痛みやひどく不快な症状を取り去ることを、最優先させる》。それから、落ち着いて、《どのようにしてその痛みや不快な症状がない正常な状態をキープしていくか》を考える」ということをおすすめ申し上げます。
言葉じたいは適切かどうかはわかりませんが、当院ではお客さまにたいし「一番悪いところがなくなると、二番目に悪いところが出てくる。それもなくなると、三番目の悪者が… こうして、大悪から中悪(?)、そして小悪へと除々に、もぐらたたきでつぶしていくことが大切です」とご説明申し上げております。
『大から小までの全ての悪(=痛みや全ての不快な症状)を取り除きながら、できる範囲で、ほぼ同時にその悪の軍団を生み出した原因にたいする処置である矯正(きょうせい)や調整をおこなう手法を選んでいただきたい』
『でもそれが無理ならば、最初に全ての悪を根絶やしにしてから、その原因である部分の矯正や調整をおこなっていただきたい』としつこく繰り返しお願いして、この記事の終わりとさせていただきます。
当院の施療にご興味をおもちくださった皆さまはもちろん、現在、ひどい腰痛や長年のしつこい腰痛、そして肩こりの一言では片付けられない肩こりや首や背中の問題でお困りの皆さまは、ご遠慮なさらずに当院までお問い合わせいただければと思います。
メールでのお返事となりますが、できる限りのご対応を申し上げる所存でございます。
(前回の記事、“腰痛がヤケドで体のひずみは火?−Ⅰ”はこちらをご覧ください)