お尻の痛み
お尻は女性に限らず男性でも鈍感にできているため、すぐに異変を感じるという方はとても少ない。
お尻がかたくなっても、強いこりが出ても、疲労感を感じるような状態になっても、感じることができないまま見過ごしてしまう方が多いのです。
≪お尻を感じやすくしておくこと(!?)が、腰痛や坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)を防ぐためのキーポイント≫かもしれません。
私事で恐縮ですがよほどの無理をしない限り、腰痛になりそうでも1回か2回のセルフケアでその初期症状を発見し解消できているのは感じやすいお尻(?)のおかげだと考えています。
そのため、当院のお客さまには、腰痛の改善後に再発防止やその初っ端(しょっぱな)で腰痛になる可能性をゼロにするためのセルフケアもご指導申し上げております。
この≪お尻の痛み≫、痛みやだるさを感じる場所にはいくつかの違いがあります。
代表的な3種類の痛みに付いてご紹介申し上げます。

A. 骨盤の上の方で腰と骨盤のつなぎ目から少し下の部分が痛い場合
ちょうど、お尻の斜め外側のあたりが痛かったり、痛くはないけれどすごくだるいという状態。
上の方で申し上げたように、お尻は感じにくくできているので、すごくだるく感じるだけでも、すでに腰痛も感じていることがほとんどだと言えます。

B. 脚の付け根のぐりぐりとした骨のでっぱりのすぐ上、お尻の真横ににぶい痛みを感じる症状。
この部分も感じにくいのですが、代わりに異変を知らせてくれる部分があります。
それは、太ももの真横の脚の付け根のグリグリから膝の外側にかけて広い範囲。
張ったようにだるく感じることがあれば、お尻の真横が強くこっていると考えても良いでし
ょう。
ちなみに、この両方:お尻の後ろ斜め外側とお尻の真横が手の大きさぐらいの広い範囲でまとめてツライという場合もありますが、これはもうだいぶ腰痛が進行した状態ですね。

C. 右か左、どちらかのお尻全体がだるくて力が抜けなくなっており、ときどきお尻のほっぺの真ん中あたりの手では直接さわれない奥の方に鋭い痛みが感じるというケース。
腰痛と一緒に現れることもありますが、こちらはまったくの別物で、経験はなくても名前だけはご存知の方が多い坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)。
心が完全に折れてしまう強烈な症状に直接つながる問題です。
逆に言えば、この筋肉のこりを完全に解消すれば、改善してしまうことが多くあるし、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や椎間板ヘルニアなど別に原因があるばあいでも坐骨神経痛じたいの症状は大はばに軽減して日常生活が送れるケースがほとんどですのでご安心ください。
A、B、Cのどのケースでも、一度専門家のチェックを受けることをおすすめします。
でも、理由はともかく、どうしても都合が付かないという場合には、セルフストレッチをお試しください。
このサイトのいくつかのページで申し上げてきたことの繰り返しになりますが、≪本当に効果的なのは、それぞれの硬(かた)い部分だけをねらって伸ばす方法≫なのですが、直接専門家の指導を受けないとむずかしい。
AとCのケースではお尻のストレッチと一般的に言われているお尻の全体を伸ばす方法、具体的には大殿筋(だいでんきん)というお尻の一番大きい筋肉をストレッチしてみてください。
“お尻のストレッチ”というキーワードでインターネット検索するとたくさんヒットします。
理由は、「完全ではないがAの部分もいくらか伸びるし、またAがかたいとこの大殿筋という筋肉も硬くなっているので弛(ゆる)めることにより、悪くなりやすいお尻全体の血流が改善し楽になる可能性が高いから。
Cの筋肉に対しての効果は少ないですがゼロではありませんし、Cがかたくなると間違いなくお尻全体が硬くなっているので無駄にはならないというAとおなじ理由からです。
大殿筋(だいでんきん)というかお尻全体をセルフストレッチする方法はインターネットで調べていただいてもかんたんに見つかるはずですが、当院でも何種類か体勢で行う方法を紹介しております。
よろしければご参考になさってください。
Bのケースのためのセルフストレッチは当院のサイトのページではご紹介いたしておりませんので、“お尻の横を伸ばす”などの言葉で検索なさり、わかりやすいものをやっていただければと思います。
正直なところ、当院にいらっしゃるお客さま方のように症状が進行してしまっていると、ストレッチ時の痛みが強すぎてセルフストレッチでは問題を起こしている筋肉を伸ばせないかもしれません。
こりや張りが強くなりすぎて筋肉が収縮(しゅうしゅく)、つまり力が入ってちぢんだままの状態のままストレッチで伸ばそうとしているので、ストレッチする力と痛みから逃れようと体が抵抗する力がぶつかって強い痛みを作り出してしまう可能性がひとつ。
もうひとつの可能性は、筋肉のその部分に力を入れる癖が付いてしまっていて、無意識のうちに力を入れて筋肉をちぢめているのが普通の状態であるとお体が勘違いしている。
そのため、本人の頭では抜いたつもりでも体の方では力がまったく抜けない状態となっている状況なのです。
この場合には、できるだけ早く当院かお近くの信頼できる専門家のチェックや施療をお受けいただくことをおすすめいたします。