今回は腰痛や肩こりというテーマとは異なりますが、ここのところ偶然にも数人のお客さまにお伝えした簡単な“足腰の鍛(きた)え方”をご紹介いたします。
最後に注意点を記してありますので、お試しいただけるばあいには、一度最後までお読みいただいてからくお願い申しあげます。
通常はお尻から下の足先までの部分、つまり殿部(でんぶ:お尻)と脚(あし)を強くすることを、足腰を鍛えると呼ばれるケースが多いようです。
腰痛で当院の施療を受けられる50歳代から60歳代の男性で年配のお客さま方は、1日1万歩以上は歩いていらっしゃった方、フィットネスクラブの会員だった方、元スポーツや武道を長年続けられていた方など、腰痛で苦しまれる前までは体力に自信をお持ちだった方が多くいらっしゃいます。
皆さま、腰痛さえ改善してしまえば、体力は腰痛以前のものへと戻ると無意識のうちにお考えになっていらっしゃるようです。
そのせいでしょうか? 実際に動き始めてみるとご自身の体力の衰えの大きさにショックをお受けになられるようですね。
足腰を鍛えるということばから、皆さまが思い浮かべられるのは、椅子に座って膝から下をふとももと一直線になるように脚を伸ばす運動。
テレビで高齢者向けに紹介されたり、健康雑誌などの記事での紹介の影響からでしょう。
ところがこの運動、かんたんにできてしまう。では、足首にウエイト、おもりを付けようと考えてもどうやって重りを足首にくくり付けたらよいかお分かりにならない。と言って、わざわざ買うのもめんどう。この運動から始められた方はいらっしゃいませんでした。
そして、次に思い付かれるのがウエイトトレーニングでビッグスリー(Big 3)のひとつに数えられているスクワット。
試しに数日間やってみても、
「確かにキツイし、途中まで腰を落とすハーフスクワットでも効果は期待できそうだ。でも、正しい姿勢でできているか自信がない。昔、たしか膝がつま先より先に出たら危険だとか腰を曲げてやると腰痛になるとか言われた記憶がある。また腰痛が再発しても困ってしまうな。火水流整体術院に相談してみるか?」
と考えたとたんに一時保留というなの中止となってしまう。
効果はふつうのスクワットほどではないけれど、イスに座った状態から立ち上がる、スクワットのかんたんバージョンはをご存知だったとしても、「しかし、うちはたたみの部屋が中心だから、ちょうど手ごろな高さのイスがない。ソファーじゃ低すぎるよね…」
正直申し上げると、「どれもあまり気が向かないから…」というのが正直なところではないでしょうか?
失礼を承知で言わせていただければ、「腰痛になる前だったら、同世代の人間よりも体力はあった。その私が今さらね… でもスクワットはむずかし過ぎるからやることが見つからない」ということのようです。あくまでも、推測させていただくとですが。
そういう方々に「つま先からお尻までを強くするのに良い運動があります。片足で立つのがお奨(すす)めです」と申しあげますと、皆さまけげんな顔をなされます。
「目をつぶって片足で立つって、バランス訓練ですか? やはり、私の年になると… そうか筋肉ではなくて神経の強化か!」と誤解される方が多いのもいつもいただく反応のおひとつです。
「目はつぶらずに、でも両腕を横に広げずに、片足で立ってみてください。どうですか? かんたんですよね?」
これに続けて、行なっていただくのが、おもに次の動作です。
・膝の力を抜いた状態で、つまりふくらはぎが床に向かって垂直に落ちている状態で、ふとももを床と平行まで上げる。
・体を少し立って体を支えている方の足に傾けながら、ゆっくりと伸ばした状態の反対の脚を前後に振る。脚の付け根の関節である股関節(こかんせつ)を動かす意識で行う。
・伸ばしている反対の脚を外側に振り上げる。そして、戻すときに立って体を支えている脚の前を交差するように振って動かす。これも股関節を意識して。
・外側に振り上げた脚を戻すときに体を支えている脚の後側から交差させるように振って動かす。
・振っていた方の脚をできるだけ大きく動かしながら、『いろはにほへと・・・』や『あいうえお かきくけこ…』を空中に書く。
等々です。でもいろいろと試していると、まだまだバリエーションが浮かんでくるようです。そしてどんどんキツクなるとの感想をいただいております。
じつはこの運動は腰痛の再発防止にもすごく役立ってくれるものなのです。ですから、腰痛をお持ちでない方か腰痛を完全改善なさった方だけお試しくださるようお願い申しあげます。
もし試されたときに腰が痛くなったり、骨盤に痛みを感じるようになったり、あるいは腰痛が起きそうな感じがしたらすぐにストップしてください。
長期間に渡る腰痛やどこでも改善しなかった腰痛でお困りの方は、ご遠慮なさらずに当院までご連絡をくださるようお願い申し上げます。
また、膝や足首や股関節などの関節の内部に痛みを感じたばあいにはストップして病院で受診されるようお願いいたします。
では、壁の横に立つか、壁の前に立って始めてみましょう。もちろん、壁は倒れそうになったときに手で体を支えるためのものです。
壁と体の位置関係や角度は、もう一方の脚の動かし方によって変化させてください。
今回はお役立ち情報にではなく、あえてブログに記させてしただきます。これは、こまかい手順や注意点をご紹介することで、応用や工夫の範囲がせばまってしまうことを恐れるためです。
痛みを感じない限りは、色々と試していただけることを願っております。
しばらくして、かんたんにできすぎて止めようと考えられるレベルになられたら、バランスディスクのように重心を取りにくくする器具をお買い求めになられて難易度をアップすることも可能です。